じじぃの「屈辱の夜・オバマに笑い物にされた!トランプ信者 潜入一年」

Watch Obama dig into Trump at the 2011 White House Corres...

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WWE 2K18 Hulk Hogan VS Donald Trump Requested 1 VS 1 Match

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https://www.youtube.com/watch?v=B0QHJH9vmgs

2011 White House correspondents’dinner


Obama pokes fun at Donald Trump

1 May 2011 BBC News
After weeks of attacks from his would-be Republican challenger Donald Trump, he joked about having to release his birth certificate to prove he was born in America.
https://www.bbc.com/news/av/world-us-canada-13252126

『トランプ信者 潜入一年 私の目の前で民主主義が死んだ』

横田増生/著 小学館 2022年発行

第7章 ウソと陰謀論の亡者を生んだ「屈辱の夜」 より

ドナルド・J・トランプは1946年6月14日、ニューヨーク郊外のクイーンズで、ドイツ系移民の3世として生まれる。5人兄弟姉妹の次男だった。
父親フレッドは、ブルックリンで中低所得者向けの住宅建設業を営む立志伝中の人で、病気がちな母親のメアリーは専業主婦だった。
トランプの祖父はドイツに生まれ、祖国の兵役を忌避するためアメリカに渡ってきた。その後、カナダに移り住み、飲食店や売春宿などを営んで財を成す。幼馴染と結婚してからニューヨークに移り住み、トランプの父フレッドが生まれる。
祖父は理髪店やホテルなどで働きながら、不動産を購入した。これが、後にトランプ家の家業となる不動産業の始まりとなる。しかし、スペイン風邪が猖獗(しょうけつ)を極めると、祖父はこの流行病にかかり急死する。

弱さこそが最大の罪

フレッドはその後、ブルックリンやクイーンズに、政府の補助金付きの集合住宅の建設を請け負い、中流家庭向けに貸し出し、家賃を集金したり、住宅を修理したりした。戦後、急増する市民の住宅の受け皿となり、事業は拡大した。
フレッドが子どもたちに教えた人生訓とは、人生とは戦いであり、必ず勝者と敗者が存在する。勝てないということは負けることであり、負けると、とことんやられる。負けることは、自分の存在が無になることだ。弱さこそが最大の罪である。だから、必ず勝者(killer)になれ、と教えた。
トランプは、地元の私立の小学校に通った。しかし、子どものころから手の付けられないいじめっ子だった。年少の生徒を罵倒したり揶揄(やゆ)したりするだけにとどまらず、暴力沙汰まで引き起こしたため、学校にとどまれなくなってしまった。
父フレッドは、トランプを、規律が最も厳しいニューヨーク・ミリタリー・アカデミーに送り込むことを決めた。家族の子どもたちはそのことを「矯正施設送り」と呼び、トランプ自身も、これが罰であることが分かっていた。
トランプが日本でいう中学と高校生活を過ごしたのは、全寮制の男子校で、陸軍士官学校を模して造られた。全員が兵舎で眠り、毎朝、夜明け前に起床ラッパで叩き起こされた。退役軍人が指導教官となり。体罰や罵倒は日常茶飯事で、上級生からのしごきもあった。
同校を卒業後、トランプはニューヨークのフォーダム大学に入学し、名門ペンシルベニア大学のウォーオン・ビジネス・スクールに移って卒業する。
大学を卒業すると、父親が経営する複数の企業を束ねる《トランプ・マネジメント》(後の《トランプ・オーガナイゼイション》)で役員として働き始める。ニューヨークのブルックリンとクイーンズ、ステタン島に自社が所有する1万4000戸超のアパートを管理した。

リアリティ番組出演

トランプが改革党からの出馬を諦めたころ、あるテレビディレクターが、トランプに目を留めていた。リアリティ番組『サバイバー』で数百万人の視聴者を獲得したディレクターが、都会を舞台にしたリアリティ番組を企画していた。
アリが蜜に集まるように、若者が群れ集い、都会で鎬(しのぎ)を削るような番組が作れないものか、と考えていた。
番組を牽引するような好感度が高い番組で、精神的にもタフで、視聴者の興味を惹きつけることができる人物として、トランプに白羽の矢を立てた。番組を放送するのは3大ネットワークの1つであるNBCだ。
『見習い生』では、16人の若者を2チームに分けて競い合わせる。敗北したチームからは、毎週1人か2人が、トランプから「お前はクビだ!(You're fired!)」と告げられ、番組から去って行く。最終的な勝者が手にするのは、トランプのもとで見習いとして1年間働く権利である。トランプの決め台詞となる「お前はクビだ!」は、トランプのアドリブから生まれた。

オバマの出世陰謀論

トランプは、国民の怒りがワシントンのエリート層に向けられていることを知り、人びとがオバマ社会主義者ではないか、イスラム教徒ではないかと疑い、さらにはアメリカで生まれていないのではないか、という疑問を抱いていることに気づいた。サラ・ペイリン(元アラスカ州知事)の先には大統領に当選する方程式があると見通していた。
テレビのリアリティ番組で場数を踏んできたトランプは、オバマが再選をかけた12年の選挙に打って出ようとした。選挙戦に斬り込むための切り札としたのが、オバマアメリカ以外で生まれているので大統領になる資格がない、という陰謀論だった。

オバマにおちょくられる

出生問題に片が付いた数日後、ホワイトハウス特派員協会が主催する晩餐会が、ワシントンのホテルで開かれた。百年近い伝統を持ち、報道関係者のみならず各界の著名人が正装で出席し、その模様はテレビでも生中継される華やかな催しだ。式典の目玉は現職大統領のスピーチで、時事ネタや毒舌、冗談を交えながら、聴衆を笑わせるのがお約束だ。
トランプはその年、ゲストの1人として晩餐会に招待されていた。トランプは黒のスーツと白のシャツ、黒の蝶ネクタイという姿で現れた。
この日のオバマのスピーチは、初めからトランプをおちょくるのが目的だった。
オープニングのビデオには、「私は本物のアメリカ人」というプロレスラーであるハルク・ホーガンの入場テーマ曲を使った。会場のスクリーンに映し出された星条旗を破って出てきたのは、オバマが公開した出生証明書だった。
その後も、アメリカの紋章である白頭鷲やラシュモア山に彫刻された4人の大統領の顔、カウボーイの後ろ姿やアンクル・サムなど、アメリカを連想させるイメージショットの間に、出生証明書を挟み込む。
    ・
オバマがトランプへの直接の口撃を始める。
ドナルド・トランプが今日、この場に来ています。最近、彼はいろいろと非難を浴びたようですが、この出生証明書が片付いたことを最も誇りに思っているのはドナルドなのです。というのも、これで、ようやく本当に大切なことに取り組めるからです。たとえば、月着陸はウソだったのか、というような問題です」
ここまで聴衆は大笑いしながら聞いている。口撃の矛先は、トランプの看板となったテレビ番組におよんだ。
「冗談はさておき、われわれは、これまでのドナルドの立派で幅広い経歴を知っています」
として、最新の『アプレンティス』の放送に触れた。
その回は、男性チームと女性チームが、ステーキハウスで即興の料理を提供した。だが、男性チームが敗北に終わる。その負けた原因を、男性の俳優のリーダーシップが欠けているとトランプが判断を下し、番組は大団円を迎える。
そこでオバマが真面目な顔で言う。
「こうしたことが心配になって、私は夜も眠れないのです。しかし、あなたの判断は間違っていませんでした」
聴衆が再度、爆笑した。
最後にもう一押し。
「もしトランプ氏が、ホワイトハウスの住人になれば、たしかに変化をもたらすでしょう」
そう言って、「トランプ・ホワイトハウス・ホテル・カジノ・ゴルフコース」と文字を入れたホワイトハウスのイラストを会場のスクリーンに映し出した。カジノで何度も破産しているトランプへの強烈な当てこすり。
トランプは満座の中で笑い物にされた。