じじぃの「科学・芸術_1004_台湾・アジアの優等生・ジェンダー」

TAIWAN IS THE MOST GENDER EQUAL NATION IN ASIA! 台灣落實性別平權,表現居亞洲之冠!

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HJ3IY6GuwvA

台湾・チェコ、「性別の平等」オンラインフォーラムを開催


台湾・チェコ、「性別の平等」を議題としたオンラインフォーラムを開催

04 August, 2021 Rti 台湾国際放送
台湾・チェコ、「性別の平等」を議題としたオンラインフォーラムを開催しました。
行政院性別平等処は4日午後、チェコプラハ市と共に「台湾・チェコ 性別平等発展対話」のオンラインフォーラムを開催しました。
これは、性別の平等を議題に対話を進め、両国の緊密な協力関係を表すものです。
https://jp.rti.org.tw/news/view/id/93906

『台湾を知るための72章【第2版】』

赤松美和子、若松大祐/編著 赤石書店 2022年発行

Ⅲ 社会 より

第36章 ジェンダー――「アジアの優等生」の過去・現在・未来

「大学の学部長室を訪問したとき、親切に相手をしてくれた女性が学部長本人だと気づくのに時間がかかり、恥ずかしかった。また別のとき、会社訪問に行って執務室に案内されたら、取締役も女性だった。とにかく各領域の女性リーダーが多いことに驚いた」。台湾に留学して一時帰国した学生は、自分の忘れられない経験をこのように語った。

確かに、2020年のジェンダー・ギャップ指数(GGI)ランキングでは、日本が122位であったのにたいし、台湾は世界29位、アジアで1位であった。また、ジェンダー不平等指数(GII)ランキングでも、台湾は6位、アジアで1位を占めている。

2016年、蔡英文は総統選挙で圧勝し、台湾初の女性総統が誕生した。2019年、台湾の国会議員の女性比率は39.8%で、日本の10.1%の4倍に近く、アジアでもトップとなっている。2020年にはさらに増え、41.6%に達した。教育面に目を転じると、大学生における女性比率は49.66%であり、男女ほぼ同数。この傾向は長年、変化していない。そして2019年には同性婚が合法化されたが、これもアジア初めての壮挙であった。
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ジェンダー平等の加速は民主化運動と密接な関係がある。戒厳令下の政治的弾圧のもとで、自由、平等、人権などの普遍的な価値を求める民主化運動が広がるなか、ジェンダー問題に対する各界の関心が高まり、1980年代にはフェミニズム運動の大きな流れとして集結した。台湾フェミニズム運動の先駆けとされる婦女新知雑誌社(のちに基金会に改編)の設立は1982年である。政治統制の厳しい時期にあっても、人々は生活の中の身近なジェンダー差別の問題を提起し、出版、講演、座談会など穏健な活動形態から、戒厳令解除後、徐々に抗議デモ、国会遊説のロビー活動などへと幅を広げていった。同時に、問題関心や地域、業種ごとのさまざまな女性団体も次々と結成された。アメリカ留学帰りの若手学者らも運動に加わり、フェミニズム理論を普及させていった。その影響を受け、1988年に設立された台湾大学女性研究者を嚆矢として、大学キャンパス内でもジェンダーをテーマとする学生団体が続々と誕生した。
ジェンダー間の不平等をなくす改革において、台湾には以下の3つの特徴がある。
第1に、ジェンダー平等教育の動きが民間から起こったことである。1988年、婦女新知基金会は小・中学校および高校教科書を対象に、ジェンダーに関わる記述の総点検を実施した。その結果、台所で夕食を作る母、居間でくつろぎながら新聞を読む父というステレオ・タイプの家庭像、あるいは女性は優しく従順、男性は勇敢で冒険精神に富む、などの記述を問題化した。社会団体、研究者の努力により、教科書改訂をはじめ、2004年にはジェンダー平等教育法が成立した。LGBTQにかかわる人権問題も早い段階から教育現場に取り入れられている。
第2に、ジェンダー関連の法律制定は、台湾フェミニズム運動の主要な戦略であった。国連に加盟できない台湾で、国際社会の圧力を受けないにもかかわらず1990年代から今日まで一連のジェンダー関連法規が立法されてきたことは、台湾フェミニズム運動の一大特徴といえる。1996年以降、民進党、国民党の2大政党は相前後してジェンダークォータ制の導入、1997年に性暴力防止法、1998年にDV防止法、2002年には両性工作平等法の制定、民法親属篇の改正、2004年にジェンダー平等教育法、2005年にはセクシャル・ハラスメント防止法を可決し、2010年には行政院(内閣に相当)に、ジェンダー平等処が置かれた。そして既述の通り2019年には同性婚の合法化が達成された。
第3に、労働運動、先住民運動環境保護運動など各種社会運動の横の連携は、1980年代の民主化運動から長年続く伝統ともなっている。女性の労働参加および職場におけるジェンダー差別問題の解決、少女売春と人心売買の救援、原発反対などさまざまなテーマに取り組む社会運動団体が集結することで、互いの運動を促進し合い、大きな相乗効果を生んできた。
ジェンダー主流化(Gender Mainstreaming)の優れた成績を見えた台湾は、近年、新たな挑戦に直面している。