じじぃの「科学・地球_341_世界を変えた100のポスター・映画『E.T.』」

ET The Extra Terrestrial (1982) Official 20th Anniversary Trailer Movie HD

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qYAETtIIClk

映画『E.T.』(1982) キャストたちの今

不朽の名作『E.T.』公開40周年! キャストたちの現在

2022/5/14 クランクイン!
映画ファンならずとも誰もが知っているSFファンタジーの金字塔『E.T.』が、今夜の土曜プレミアムにお目見えする。
スティーヴン・スピルバーグ監督の代表作としても知られる本作は、今年で公開40周年を迎えた。「E.T. オウチ デンワ」して帰る手伝いをした彼らは今、どうしているのか。
https://www.crank-in.net/column/107730/1

『世界を変えた100のポスター 下 1939-2019年』

コリン・ソルター/著、角敦子/訳 原書房 2021年発行

086 映画『E.T.』 より

Film:E.T. The Extra-Terrestrial[1982年]

映画のポスターには印象的なものも、定型化しているものもある。たとえば『ワイルド・スピード』シリーズのポスターには、必ず登場人物4人と車1台が出てくる。だが『E.T.』は、まったく違うが同じくらい印象的なポスターが2枚あるという点で、ユニークといえるだろう。

映画で地球にやって来る異星人はほとんどの場合、敵意をもった侵略者として描かれる。『地球侵略戦争2150』のダーレクから『プレデター』のプレデターにいたるまで、異星人が人類と接触するのは食べるためか、獲物として狩るか、奴隷として働かせるためだ。『E.T.』に出てくるのは、死をもたらす敵ではなく愛すべき異星人だ。大衆はそんな異星人を受け入れるのだろうか?
スティーブン・スピルバーグが監督をして1982年に封切られた『E.T.』は、既成概念を無視し、興行記録をうち破ってアカデミー賞4部門で受賞した。ストーリーは少年エリオットが地球にとり残された異星人と友情を育むというもので、政府の手先の妨害にもかかわらず、異星人はエリオットに助けられて故郷に帰る。
一方の映画宣伝ポスターでは、E.T.とエリオットが合わせた指先から神々しい光が発している。ミケランジェロの絵画『アダムの創造』を彷彿させる構図だ。ポスターを制作したジョン・アルヴィンは、スピルバーグからシスティーナ礼拝堂ミケランジェロフレスコ画をヒントにしたらどうかといわれたという。ところがスピルバーグ本人は、この映画はキリスト教の寓話ではないとしている。というよりあっさりと、両親の離婚後に自分で作りだした想像上の友達から発想を得ている、と述べているのだ。
「指と指を合わせる」ポスターが、この映画のテーマである意思の疎通や理解、友情を暗示しているなら、もう1枚の宣伝ポスターは夢のようなシーンの魅力を際立たせている。映画のクライマックスの追跡シーンからとったもので、エリオットとE.T.が森を越え夜空へと舞い上がっている。背景では満月が光を放つ。この絵は、映画のファンタジー的な側面をあますことなく形象化している。1980年代の郊外からのエリオットの逃走、空を飛ぶ能力、そして秘められた特別な友情。
この奇跡の逃避行に使われる乗り物はBMX(モトクロス)の自転車だ。80年代初めのアメリカでは、BMXレーシングはマイナーな競技だったが注目をあびつつあった。この映画がイギリスで公開されたあとは、子供がみんな映画を真似て離れ業を試したかったので、BMXの売り上げが急増した。
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最初の劇場上映が終了した時点で映画の興行収入は6億ドルを突破し、『スター・ウォーズ』の最高興業収入を塗り替えた。製作費はたったの1050万ドルだったのだから大したものだ。それどころか1993年に『ジュラシック・パーク』が公開されるまで、『E.T.』は興業収入1位の座を保ちつづけた。スピルバーグはそれで悔しがったりしなかっただろう。『ジュラシック・パーク』でもメガホンをとっていたからだ。