じじぃの「歴史・思想_573_日本は第2のウクライナとなるのか?北朝鮮の核」

北朝鮮 最大規模の軍事パレード公開 新型ICBM登場 (2022年4月26日)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tepVeSL_s10

北朝鮮、創建90年を記念する大規模な閲兵式(軍事パレード)

北朝鮮 軍事パレード開催か=人民革命軍創建90年

2022年4月25日 Yahoo!ニュース
北朝鮮が25日夜、朝鮮人民革命軍(抗日遊撃隊)創建90年を記念する大規模な閲兵式(軍事パレード)を開催したようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc53b306fd9df577112ad9ecd6820368bfa48e45

日本は第2のウクライナとなるのか!? コロナとウクライナが世界とあなたの生活を一変させる

著者 浅井 隆 (著),織田 邦男 (著),川上 明 (著),関 和馬 (著)
ロシアがウクライナに侵攻した。
この先、極東有事はありうるのか? 元自衛隊空将の現場の経験、アナリストのチャートが示す真実などを元にウクライナ危機に迫り、国防に対する意識を高めるための情報や考え方を伝える。

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『日本は第2のウクライナとなるのか!?』

浅井隆/著 第二海援隊 2022年発行

プロローグ より

対岸の火事ではすまされないウクライナ情勢

2022年2月、信じられないことが起きた。あのプーチン率いるロシア軍が、ウクライナに侵攻したのだ。市街地への攻撃で多くの国民が犠牲となり、また人々が着の身着のままで逃げ惑う様子は、テレビやインターネットで放送され、世界中を震撼させた。
ウクライナ軍、およびウクライナ国民からなる義勇軍は必死の抵抗を行なっているが、圧倒的な力を持つロシア軍はウクライナ全土で戦闘を展開し、人々を蹂躙(じゅうりん)し続けている。
プーチンがこの侵攻の最終目標を何に定め、そしてこの本が出る頃にどこまでの事態に発展しているのか、まったく想像も付かない。しかし私は、この遠く8000キロも離れた異国の有事を「まったくの他人事」どころか、「明日は我が身」という重大な危機感をもって捉えている。
まず私の頭によぎったのは、ウクライナ危機は「10年後の日本」の姿になり得るということだ。ある安全保障の専門家は、日本はウクライナよりも危険であると指摘する。ウクライナの場合、脅威となる隣接国はロシア一国であるが、日本の場合は中国、北朝鮮、ロシアの三国が隣接しているためだ。いずれも超独裁国家で核保有国だ。隣国にこれほどのリスクを抱える先進国は、実は日本だけなのだ。

第1章 ウクライナとなるのか。日本周辺は大丈夫なのか。 より

織田 ところで、核に対するアメリカの取り口についてお話ししておきます。やはり核というのは非常に使いづらい兵器で、長崎以降どの国でも実戦では使っていません。あまりにも破壊力が強すぎて、使いにくいんですよ。
 では、核はどのようにつかわれるのか? これについては戦略家のルトワックのパラドックスが的を射ていると思います。「核は、使われない限り有効である」というのです。言い得て妙だと思います。「使うぞ、使うぞ」というだけで強力な威嚇恫喝(いかくどうかつ)になるということです。使えないけれども威嚇恫喝には、極めて有効だということです。しかもルトワックに言わせると、狂人みたいな男が言うのが一番効果的と言います。
浅井 まさにプーチンがうってつけというわけですね。
織田 そう。プーチンは戦術核について一貫して言っています。「我々は核を持っているよ。とんでもないことになるよ」と。すると、多くの人が「プーチンならひょっとしたら使うかもしれない」と思います。ものすごい威嚇恫喝の力があるのです。「本当にキエフで使うかもしれない」と思わせることで、外交力、国防力、交渉力、抑止力を強化できるわけです。
 今回のロシアの動向については、金正恩習近平もじっくり見ているに違いありません。金正恩は、絶対に核を放棄するわけがありません。習近平は「核の脅しを使えば、アメリカは動かない」と考えているかもしれません。台湾侵攻の際に中国から「我々は核を持っている」と言われたら、果たして第七艦隊は動くかということです。
浅井 「アメリカが出て来たら、核を使うかもしれないよ」という意味ですね。
織田 「使うかもしれない」という露骨な表現でなくてもいいのです。マクロンとの会談では、プーチンは「ロシアは核保有国だ。その戦争に勝者はいない」と言いました。それだけでいいのです。プーチンは今回、たびたび核の使用について言及しているんですね。「外部からの邪魔を試みようとする者は誰であれ、歴史上類を見ないほどの大きな結果に直面するであろう」と。もう、これだけで核を意味することはみんなわかります。今回のウクライナ侵攻では、核の強力な影響力を見せ付けられたことに1つの大きな特徴があると思いますね。
浅井 歴史に「もし」はないですが、もしも今、アメリカの大統領がトランプだったらどうなっていますか?
織田 トランプも日和見ですからね。私は違う意味で「歴史にifはない」ということを考えてしまいます。1991年にソ連が崩壊し、ウクライナが独立しました。その時、ウクライナには1800発の核弾頭と180発のICBMが残されていました。そして、ウクライナは独立国としてこれを保有し続けたいと言ったんですね。アメリカ、イギリス、ロシアは「とんでもない」と強く反対します。核保有は認められないが、その代わり3ヵ国でウクライナの独立と主権と領土の一体性は堅く守る。これが1994年12月に署名されたブタベスト覚書なのです。ブタベスト覚書の署名後、その趣旨に賛同して中国とフランスが別々の文書で約束したので、国連の全常任国(P5)が約束した覚書となりました。
 しかし、結局これがクリミア半島で一夜にして反故(ほご)にされます。これが、国債社会の現実なんですよ。歴史にifはないですが、もしウクライナが核弾頭を10発でも保有していたら、こういう事態にはなっていません。
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 核を10発持っていても、それがどこにあるのかわからないという状況にすれば、怖くて攻められません。それが、核の威力なんです。そうすると、威嚇恫喝を抑止するのは、残念ながら核しかないんですよ。
浅井 やっぱりね。金正恩はそのことを一番よくわかっていますね。