じじぃの「中国の情報操作・世界を震撼させる新型コロナウイルス!ディープフェイク」

【上海】新型コロナ新規感染 10日連続過去最多を更新

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Z5qfMrKbu8Y

中国高官、コロナは「米軍が持ち込んだ」

中国高官、コロナは「米軍が持ち込んだ」 批判に反発か

2020年3月13日 朝日新聞デジタル
中国の湖北省武漢市から感染が拡大した新型コロナウイルスをめぐり、中国外務省の趙立堅副報道局長は12日夜、「感染症は米軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」と英語と中国語でツイッターに投稿した。
米政府高官による中国批判に反発したものとみられるが、根拠は明らかではない。
https://www.asahi.com/articles/ASN3F6FMTN3FUHBI017.html

『ディープフェイク ニセ情報の拡散者たち』

ニーナ・シック/著、片山美佳子/訳 ナショナル ジオグラフィック 2021年発行

第6章 世界を震撼させる新型コロナウイルス より

中国の対応

私が最初に武漢感染症が発生していることを知ったのは、2020年1月の凍てつく冬の夜のことだ。まさにヨーロッパに初めてウイルスが侵入した日でもあった。夕刊のニュースの解説のためにロンドンのスカイ・ニュースに向かいながら、翌朝の新聞の初校の見出しに目を通していると、重篤な呼吸器系の病を引き起こす恐ろしいウイルスが武漢に出現し、数週間のうちに、何十人もの人々が命を落としたことが書かれていた。中国では旧暦の最大の祝賀行事の1つである春節が目前に迫っており、大事な家族とともに祝うために何百人の人々が、国内や世界を縦横に移動する予定になっていた。
中国政府は徹底的な対策をとることを決定する。一夜のうちに、武漢とその周辺の地域を封鎖したのだ。約2500万人が隔離された。人類史上最大規模の防疫のための都市封鎖だった。
    ・
中国が新型コロナウイルスの対策として行っている情報作戦は、大きく見て3つの要素で構成されている。1つ目は検閲だ。新型コロナウイルス武漢で発生した当初、中国当局パンデミック発生のニュースと中央政府に対する批判をことごとく排除した。リスクを軽視し、最初に警鐘を鳴らした人々の口を封じ、死者数を実際より少なく発表したのだ。武漢市中心医院で働いていた眼科の李文亮(リ・ウェンリャン)医師は、悲劇の人物として名を残すことになる。2019年12月末、新しい感染症についての警告をまっさきに発しょうとしたところ、当局に連行され、「公の秩序を乱す」嘘の発言をしたと記された文書に署名させられた。さらに残酷な運命が待ち受けており、李文亮は新型コロナウイルス感染症にかかり、幼い息子と身重の妻を残して世を去ってしまう。亡くなる前に世界中の人々に英雄だと認められ、『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューでは、「もし政府がこの伝染病に関する情報をもっと早く公開していたら、状況はだいぶましだったと思います」と答えている。
新型コロナウイルス感染症が、山火事のように中国の外に広がり始めても、中国共産党ソーシャルメディアも含めた情報統制を続けていた。
    ・
中国共産党は、この感染症の流行で失うものの大きさを理解している。それが情報操作の2つ目の作戦に力を入れた理由だ。国を挙げて、中国が責任感のある、善良な国家だというイメージ作りにまい進したのだ。中国内ではこの危機をうまくコントロールできていると大げさに報道するとともに、いわゆる「マスク外交」を展開した。主に西側諸国に対し、ウイルス対策に必要な資材や人材を送って支援したのだ。国営メディアの新華社通信がソーシャルメディアに投稿した写真に、英国のヒースロー空港に到着した中国からの支援物質の箱が写っているのを見つけたとき、私は中国のイメージアップ戦略だと確信した。箱には「落ち着いてコロナウイルスを治そう」というラベルが貼られていた。また、発生当初、中国が情報を隠蔽していたとして責任を追及されると(実際に隠蔽していたのだが)、中国の大使は、今大事なのは「責任の追及」ではなく、「しっかりと団結することだ」と答えている。
中国による3つ目の戦略は、特にウイルスの起源に関する情報のかく乱だ。手始めに2020年3月、外交部報道官の趙立堅が、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼ぶのは「事実無根」と述べた。そしてそう呼ぶ人たちには「中国の責任にしよう」という「魂胆」があると主張した。
3月12日、趙立堅は「非常に重要」というコメント付きで、新型コロナウイルスの起源を米国とするデマが書かれた記事のリンクをツイッターに投稿する。さらに、米国政府がウイルスについて「知っていること」を隠していると非難した。

それに続いて、中国大使と国営メディアの支局が口をそろえて、新型コロナウイルスの起源は中国以外の国であり、米軍によって武漢に持ち込まれた可能性があるという考えを表明している。おそらくこれも、中国政府が初期対応の失敗をごまかすために行った強硬策の一環だ。

イランや北朝鮮などの国々も、新型コロナウイルスに関連した情報操作を始めた。能力や戦術にばらつきはあるが、大体において、国内の情報の検閲や西側諸国を中傷するデマの拡散、個人データのハッキングや監視の強化のために新型コロナウイルスを利用している。イラン政府は、市民が喉から手が出るほど欲しがっている健康情報を提供する際に、スパイウェアを混入させ、市民の動きを追跡しようとした。インフォカリプス(情報の終焉)を利用しようと活動を強化している悪質な国が増えているのは、憂うべき兆候だ。これを警告ととらえ、今後こういった傾向がどのように発展し加速するか、注視していかなければならない。