格差の何がいけないのか? 利益を生む“分配”とは 報道1930 まとめ21/10/25放送
『新・日本の階級社会』
橋本健二(著)
2020年12月11日 note
●劇的な変化を遂げた社会のかたち
収入や生活程度、意識などによって、人々はいくつかの階級に分けられる――こうした考えを社会学では「階級論」と呼ぶ。
階級の区別方法として、昔からよく使われているのが、
・資本家階級
・新中間階級
・労働者階級
・旧中間階級
を区別する4階級分類だ。
●アンダークラスの出現
階級ごとの格差に目を向けると、大きな問題となっているのが労働者階級内部での格差拡大である。
労働者階級の貧困率は、1975年まで低下した後、1985年から上昇に転じた。これは日本全体の格差縮小・拡大のトレンドと一致している。
https://note.com/madao0909/n/nd921dd919dbe
日本だけ賃金が下がっていて、福祉は切り下げられている
2019-09-25 遊びをせんとや生まれけむ
日本は、2017年で99.7と、主要国のうち唯一マイナス指数となっています。
https://toship-asobi.hatenablog.com/entry/2019/09/25/235438
報道1930
2021年10月25日 BS-TBS
【キャスター】外山恵理、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔 【ゲスト】橋本健二(早稲田大学人間科学学術院教授)、安部敏樹(㈱リディラバ代表)
格差の何がいけないのか? 利益を生む“分配”とは。
・親は選べない…“親ガチャ”に喘ぐ若者。・拡大する“下層階級”その先にあるものとは? ・社会保障は現役世代のために…スウェーデンに学ぶ分配のあり方。・日本の未来を託せる政策とは。
“階級格差社会”日本、格差は本当に悪なのか 「分配」どうあるべきか
現在の日本は“親ガチャ”か
「親ガチャ」という言葉は、自分では親は選べないということをカプセル式のおもちゃにたとえた言葉である。
筑波大学教授の土井隆義によると、自分の人生は生まれ(親の収入など)によってきまってしまうという感覚が広まっていると指摘している。
以前は日本社会に成長の機運があり、現在の日本には、閉塞感があると指摘。主要国の平均賃金の推移をみると、30年前にアメリカと日本の平均所得差は100万程度であったものが、現在339万円となっており、現在は韓国にも抜き去られている。
9月8日の岸田内閣総理大臣の経済政策発表の映像。
格差・分断に言及。
70年代の1億総中流時代から85年の労働派遣法改正頃から非正規労働者は増加傾向にあった。
橋本健二、「格差拡大は80年代に始まって、小泉政権がそれに拍車をかけた」
中流だけど貧しい? ニッポン
“格差世襲”の新階級社会の図をスタジオで解説。
アンダークラス、パート主婦、正規労働者階級、旧中間階級、新中間階級、資本家階級。
橋本健二、「旧中間階級は、非常に零細な事業を営んでいる人たちですので大企業との競争にはとても勝てない。どんどん縮小し続けてきた。縮んでいる。人数も減ったし、収入も減ってる。これがコロナで一気に、更に経済状況が悪化して収入が激減しているのが実態だと思う。一方で労働者階級の方は、労働者階級がどんどん正規の労働者と非正規の労働者に分断されていく。コロナの影響を非常に深刻に受けたのが、非正規労働者。ンダークラスの人々は非常に収入が低いですので結婚したり子供を産み育てるということができない。そもそも世襲がない。現在の格差拡大は、そこまで深刻な状態になっている」
安部敏樹、「個人個人が多様化していく時代においては階級といっても、その中にいる人たちはみんな違った生活をしている。昔は持っている資本が何なのかということである意味資本家になれるのかなれないのかみたいのが決まったけど、現代というのはそういう時代じゃなくなってきてる」
世界2位の競争力 スウェーデン
スウェーデンと日本の消費税、国民負担率(税+社会保障)、1人あたりGDP、競争力ランキングの比較。
実質賃金指数の推移の国際比較(スウェーデン、英国、米国、日本、韓国)。
「総税収÷GDP」では、日本は18%で、スウェーデンは39%。 税金全体では、日本は高負担ではなく、スウェーデンは高負担。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)によると、2018年の1人当たり名目GDPで、日本の4万2,725ドル、韓国は4万3,001ドルと既に日本を追い越している。
日本総研・山田久副理事長はスウェーデンの社会保障の理念として「働かない人は社会保障のサービスは受けられない。リスクに直面した現役世代のためのサポート」があるという。
同一労働同一賃金の徹底。
失業者への再就職支援が手厚い。
橋本健二、「EUの先進国にはほぼ共通に同じようなことが言えると思う。消費税が高い、国民負担率が高い。だけど所得再分配をきっちりやって貧困層が出ないようにする。したがって子供たちの教育機会も平等に保たれる。そうした政策をEU全体でほぼ共通でやっていると言っていいと思う」
安部敏樹、「僕はもし流動化を進めていくのであれば、ここまでやらねばならなかったと思うし、世界的に、経済的にも人材の流動性が高まっているというのは当時から見ても必須のルートだと思うので、これは当然だと思う。もしこれを日本でやるんだったら20年かけて作らなきゃいけないと思う」