じじぃの「科学・地球_106_学者の暴走・学問の再建に向けて・日本は世界の希望」

2021 Toyota Big Game Commercial: Jessica Long's Story | Upstream

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fqWG5_7nwyk&t=3s

トヨタからの希望のメッセージ :水泳選手のジェシカ・ロング

2021年02月10日 プロライフ
アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様!
ロシアの孤児院にいたジェシカちゃんは、障害を持って生まれてきました。足を切断しなければなりませんでした。
アメリカの夫婦がこの子を養子とする前に、障害者であるけれど、どうしますか?尋ねられて、夫婦は「簡単な人生ではないかも知れませんが、素晴らしい人生となるでしょう」と答えました。「その子と早く会いたいです。」
https://blog.goo.ne.jp/thomasonoda/e/82b144ae483667dbf4505d3078983fa9

学者の暴走 (扶桑社新書

掛谷英紀
学者は本当に信用できるのか?
イデオロギー」「金銭(利権)」「同調圧力」によってウソをつく学者たち。そして新型コロナウイルスでは学者の罪が疑われている。倫理感なく突き進む学者の実態に警鐘を鳴らし、学術界の悪の正体を暴く!
第1章 新型コロナウイルスと悪魔の科学
第2章 科学とは何か
第3章 日本の科学の弱点
第4章 世界の学問の危機

第5章 学問の再建に向けて

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『学者の暴走』

掛谷英紀/著 扶桑社新書 2021年発行

第5章 学問の再建に向けて より

4 日本は世界の希望

日本をポリコレのアサイラム(保護区)に

2021年2月のスーパーボールで、日本企業が出した1本のCMが米国人に絶賛された。スーパーボールといえば、米国で最も視聴率をとる番組として知られ、放映されるCMは毎年注目を浴びる。そこに、トヨタが次のようなCMを流した。
主人公は、ジェシカ・ロングというパラリンピックの水泳金メダリストである。彼女はシベリアで両足を切断しなければならない状態で生まれてきた。米国で養子を探していた夫婦に1本の電話が届く。その女の子の存在を知らせる電話である。その夫婦は、彼女の障碍(しょうがい)を知ったうえで、養子に取ることを決断する。その物語を再現して映像化したCMである。
4章で述べた通り、米国では妊娠中絶を推進する左派の力が勢いを増している。自分に邪魔になる命を奪うのは自分の権利であるという考えが、ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス:政治的/社会的に公正中立であるという考え方や概念のこと。直訳すると「政治的正しさ」。その意味合いの幅が広がって行き現在では、人種や民族、性別、性的指向、身体障がい者など偏見、軽蔑、差別の対象となりうるグループについて語るさいに、人々の不快感を最小限にすることを意図していると思われる表現を使用することを指す場合にも使われるようになった)的には正当化されている。その中で、障碍のある赤ん坊を引き取るというこの物語は、命を大事にすべきというメッセージとして、保守派に限らず多くの人々の感動を呼んだ。全米が注目する中、日本企業がこのCMを発信できたことは快挙と言えるだろう。
実は今、日本はポリコレから最も自由な先進国である。麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授とネット番組で共演したとき、彼は「日本は世界の希望である」と発言した。ポリコレが浸透し、世界で自由な発言ができなくなる中、日本にはまだ言論の自由が残っているというのである。
言論の自由は学問の礎であり、ポリコレは真理を探究する科学そのものの否定である。日本が欧米諸国と比べてポリコレの浸食を受けていないことで日本の科学が受ける恩恵は、3章で述べた日本文化の短所を遙かに凌ぐ。
では、なぜ日本の大学にはポリコレの浸食が少ないのか。実は大学運営において、日本は諸外国と違って成功している面がある。日本の成功をもたらしたのは、教養学部の廃止である。これにより、理系の教員や学生を文系学者のイデオロギー支配から守ることに成功した。
米国の大学は、4年間リベラル・アーツ(教養)教育が中心で、本格的な専門教育は大学院に入ってからである。このリベラル・アーツの部分を、ポリコレを振りかざす左翼教授たちに支配されてしまったのである。この結果、ポリコレに反する教員や生徒が、大学から追い出される事態が相次いでいる。ブレット・ワインスタインが、有色人種だけがキャンパスに来られる日を作ることは逆差別だと主張しただけで、大学教授の職を追われたのは前章で述べた通りである。
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現在、少子化の進行と文科省天下り先を確保するための大学の作りすぎて、日本の大学は学生の確保に苦労しており、結果として中国人留学生に依存する体質になってしまっている。これは安全保障の観点から好ましいことではない。新型コロナウイルスパンデミックで社会のリセットが起きている今、学生確保の柱を世界中の国からポリコレ難民を受け入れることにシフトすればよいだろう。
なお、今日本の各大学で開設されている英語の教育プログラムの最大の問題は、それぞれの大学が小規模なものをバラバラに行っていることである。ベン・シャピーロの言う通り、大学の大きな機能としてソーシャル・ファブリック(コネ作り)がある。それぞれの地域の大学が協力して、1、2年生の間の基礎科目は沢山の留学生が同じキャンパスで授業を受けるシステムを導入すれば、学生にとってはその間に多くの仲間を作るチャンスになる。そういう学生目線に立った教育を全く考えないところが、今の日本の文部科学省と各大学の闇である。
このような改革を実現するためには、左翼の影響が強い日本学術会議の体制を刷新することも望まれる。日本学術会議は外国の科学アカデミーに相当するものである。その英語名もScience Council of Japanであって、直訳すれば日本科学評議会である。海外主要国の科学アカデミーは、自然科学者だけからなる組織である。また、ほとんどの国で政府とは独立した民間組織である。日本学術会議も、この際世界の趨勢に合わせて自然科学者だけからなる民間の組織に衣替えすれば、大学における教養学部廃止と同じ効果があるだろう。
もちろん、私は人文学や社会科学の存在意義を否定しているわけでは決してない。人文学や社会科学は別のアカデミーを作ればよい。