じじぃの「科学・地球_104_学者の暴走・学問の再建に向けて・サイバー攻撃」

As U.S., allies condemn Chinese cyber attacks, report exposes governments' use of Pegasus spyware

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=eDujJ1lpZdQ

加藤官房長官 中国サイバー攻撃に「断固非難」 “日本企業も攻撃対象確認”

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/213193

米国・PBS 政府がサイバー攻撃を行う危険性

ハッカー集団と共謀したとして中国を非難
バイデン政権とヨーロッパの同盟国やオーストラリアと日本は、ハッカー集団と共謀したとして中国を非難した。
マイクロソフトMicrosoft)のサーバーや世界中の企業にサイバー攻撃を行ったというもの。
中国は容疑を否定している。
●明らかになったハッキング事件。
携帯電話をスパイの道具に変え、政府が使えるようにするテクノロジー
イスラエルNSOグループが開発したソフトウェア「ペガサス(Pegasos)」はテロリストなどの重大な犯罪者を攻撃するよう設計。
捜査により世界中の政府がジャーナリストや野党の政治家、起業家、活動家など反対勢力に対して使っていることが明らかになった。
メキシコからモロッコルワンダアラブ首長国連邦、インドにまで広がっている。
アムネスティ・インターナショナルのアグネス・カラマード事務総長は「このテクノロジーは武器だ。民主主義や人権、司法制度、公正な裁判を侵害し、平和と安全への脅威になり得るものだ」と話した。
NSOグループは声明を出し、ワシントンポストの報道を「根拠が薄い」と主張。

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学者の暴走 (扶桑社新書

掛谷英紀
学者は本当に信用できるのか?
イデオロギー」「金銭(利権)」「同調圧力」によってウソをつく学者たち。そして新型コロナウイルスでは学者の罪が疑われている。倫理感なく突き進む学者の実態に警鐘を鳴らし、学術界の悪の正体を暴く!
第1章 新型コロナウイルスと悪魔の科学
第2章 科学とは何か
第3章 日本の科学の弱点
第4章 世界の学問の危機

第5章 学問の再建に向けて

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『学者の暴走』

掛谷英紀/著 扶桑社新書 2021年発行

第5章 学問の再建に向けて より

1 危険な科学をどう制御するか

手続きを増やしてもリスクは減らない

中国が先進国の技術を盗んで軍拡を繰り返し、世界にとって軍事的脅威になっていることは、世界の常識である。その詳細は、いずれも世界でベストセラーになっているクライブ・ハミルトンらの著書『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画』や『見えない手 中国共産党は世界をどう作り変えるか』に詳しく書かれている。日本の事例についても、平井宏治著『経済安全保障リスク』に紹介されている。ところが、日本においては、一般の研究者だけでなく、安全保障輸出管理について講演する人ですら、その実態について全く無知なのである。
2020年1月には、中国政府に科学研究成果を移転するための人材採用プログラムにおける自らの役割について虚偽の説明を行ったとして、ハーバード大学の化学部長チャールズ・リーバー教授が逮捕された。同教授は、中国政府が国外の優秀な研究者を募集する「千人計画」に関与していたことも分かっている。
「千人計画」について、米国議会上院の小委員会が2019年11月に公表した報告書では、米国政府の研究資金と民間部門の技術が中国の軍事力と経済力を強化するために使われていると警鐘を鳴らしている。この「千人計画」には、日本国内にも協力者が多数いることが知られている。
2021年4月には、サイバー攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名で契約した容疑で、警視庁が日本に滞在していた中国共産党員を書類送検した。中国人民解放軍の指示を受け、宇宙航空研究開発機構JAXA)や防衛関連の企業など約200の日本の組織に大規模なサイバー攻撃を仕掛けるのに関わったみられる。
このような事実を知っていれば、今の日本にとって安全保障輸出管理がいかに重要か分かるはずだ。その重要性を理解していなければ、いくら書類の記入を義務付けても、軍事転用可能な技術は監視の網を潜って中国に渡るであろう。この分野では、悪意の人間が山ほど暗躍している。研究者地震が意識を高めなければ、実効性のある防御はできない。
過去には、東芝機械が対ソ輸出で行ったココム(対共産圏輸出統制委員会)協定違反(1987年)や、ヤマハ発動機の中国への無人ヘリコプター不正輸出事件(2006年)など、日本人は自らの甘さゆえに自国の安全保障を危うくした事例が数多くある。にもかかわらず、それに対する反省がないばかりが、事件そのものが風化して忘れ去られている。

本当の危機を除去するために

1章で述べた通り、新型コロナウイルス武漢の研究所からの流出を起源としている可能性が高いというのが筆者の見解である。もちろん。現時点ではそれを100%断定できるだけの証拠はない。証拠が揃わないのは、中国政府の隠蔽体質が原因である。
そもそも、たとえ新型コロナウイルスの起源が天然であったとしても、中国が国内での流行初期にヒトーヒト感染の存在を隠蔽していなければ、そして中国人の外国への渡航をすぐに制限していれば、この病気は世界的なパンデミックにはならなかった。
なぜ、中国はそのような常識的な対応をとらなかったのか。中国共産党が、自国が世界経済から切り離されて孤立することを恐れたからだと考えるのが自然だろう。中国の国内だけで病気が拡大すれば、諸外国は中国抜きのサプライチェーン確立に動く。そうすれば、中国共産党の支配は大きく揺らぐことになる。病気が世界中に拡散すれば、他国も疾病対策に追われ、中国だけが不利を被ることはなくなる。
たとえ、中国共産党にウイルスをばら撒く明確な意図がなかったとしても、ヒトーヒト感染の事実を知っていた以上、ウイルスが世界にばら撒かれても仕方ないという未必の故意があったことは疑いようがない。
中国の情報隠蔽の体質は今に始まった話でなない。2011年に浙江省温州で起きた中国高速鉄道衝突脱線事故では、事故を起こした車輌を乗客ごと埋めるというあり得ない処理がなされた。