じじぃの「科学・地球_102_学者の暴走・世界の学問の危機・左翼環境活動家」

Australia's China Problem

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=5SDUm1bx7Zc

中国とオーストラリアの対立

拡張主義・中国の「武力」を4ヵ国連携で封じ込めよ

2020年9月18日 ニューズウィーク日本版
【執筆者】ブラマ・チェラニ(インド・政策研究センター戦略問題研究家)
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は今年の新年祝辞で、2020年は「里程標の意味を持つ1年」になると語った。この予言は的中したものの、あいにく習が描いていた形ではなかった。
この祝辞で習は「われわれの友は天下にあまねくいる」と胸を張ったが、そんなことはない。中国は国際的評価を損ね、友好国とも疎遠になり、影響力を及ぼす手段は1つしかなくなった。武力に訴えることだ。
後世の歴史家は2020年を分水嶺と見なすだろう。新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの国が中国頼みのサプライチェーンの危険性を思い知り、中国の共産主義体制への態度も変化した。特にインド太平洋地域で拡張主義的な姿勢を示していることで中国は孤立し、周辺国は対抗する準備を始めている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/09/post-94474.php

学者の暴走 (扶桑社新書

掛谷英紀
学者は本当に信用できるのか?
イデオロギー」「金銭(利権)」「同調圧力」によってウソをつく学者たち。そして新型コロナウイルスでは学者の罪が疑われている。倫理感なく突き進む学者の実態に警鐘を鳴らし、学術界の悪の正体を暴く!
第1章 新型コロナウイルスと悪魔の科学
第2章 科学とは何か
第3章 日本の科学の弱点

第4章 世界の学問の危機

第5章 学問の再建に向けて

                • -

『学者の暴走』

掛谷英紀/著 扶桑社新書 2021年発行

第4章 世界の学問の危機

3 環境科学のイデオロギー

西洋文明優位の破壊が目的か

前節ではジェンダー(一般的にジェンダーは生物学的な性差に付加された社会的・文化的性差を指す言葉)学という学問の異常さを論じたが、欧米のフェミニズム(男女同権主義に基づく女性の権利拡張の思想と運動を意味する言葉)のおかしさは、彼女たちがイスラムを一切批判しないところにも見て取ることができる。現在、欧米を中心にイスラム圏からの移民が増加している。それに伴い、移民による性犯罪が、特に北欧を中心に深刻な社会問題になっている。イスラム文化には男尊女卑の傾向が強く、女性に対する性犯罪が起きやすいことはよく知られた事実である。
本来のフェミニズムの立場からすれば、こうした性犯罪は厳しい糾弾の対象になるはずだが、フェミ二ストからイスラムに対する批判はほとんど聞こえてこない。これでは、彼らの真の目的は女性を守ることではなく、西洋社会を破壊することだと考えるしかない。日本の左翼が日本の文化や社会を破壊しようとするのと同じである。
    ・
左翼環境活動家が、温暖化ガス排出削減を真の意図としないことは、彼らが世界最大の二酸化炭素排出国である中国をほとんど批判しない点に見てとることができる。ベン・シャピーロは、温暖化が人類存亡の喫緊の危機だと煽る左翼に対して、本当にそこまでの危機ならば、米国だけ排出量を減らしても問題は解決しないので、二酸化炭素排出量が多い中国とインドの石炭火力発電所を爆撃する必要があるのではないかと皮肉っている。
実際、自由主義・民主主義国は批判し、全体主義独裁国家はスルーするといのが左翼活動家の基本パターンとなっている。国連のスピーチで話題になったグレタ・トゥンベリも、中国批判に消極的である(バイデン政権誕生後態度を変えているが、これは新型コロナウイルスに関するメディアの豹変に類似する)。彼女を支える環境団体に、中国政府の代理人である疑いがあるとの報道もあった。

自然エネルギー全体主義

左翼環境活動家は、自然エネルギーの中でも太陽光と風力を好む。この2つはいずれも水力や地熱に比べてエネルギー密度が低い上に、気象に左右される不安定な電源で、水力や地熱に比べて電力源として取り扱いにくい。にもかかわらず、なぜ彼らはあえて問題の多い太陽光と風力を好むのか。
自由主義社会では、自由な経済活動の需要に対して供給が行われる。だから、出力を自由に制御できる電力源を必要になる。自然エネルギーでも水力発電ならばそれが可能だが、太陽光や風力ではそれを自由にできない。そこで彼らは需要側を制御する気なのである。実際、自然エネルギーの世界では「重要の能動化」という概念が導入されている。
実はこの翻訳自体が悪意のある語訳である。原文は”Demand-side integration”(需要側の統合)で、需要をシステムの支配下におくことを意味する。言い換えると、需要を供給に対して受動化することである。それを能動化と訳するのは、北朝鮮の独裁を「主体思想」と言うのは似ている(独裁国家において国民が本当の意味で主体的に考えることなど当然許されない)。つまり、不安定な電源は自由主義経済を放棄して計画経済に移行するのに好都合なのだ。ここにも左翼特有の全体主義への憧憬を見て取れることができる。
最近、中国はオーストラリアとの対立を深めているが、オーストラリアからの石炭輸入を止めたことが原因で、中国国内では停電が起きた。政治的な目的を達するためなら、国民生活を犠牲にしていいと考えるのが左翼全体主義であることを思い起こす良い機会にあったであろう。
世界の左翼環境活動家と同様の姿勢は、世界の左翼平和活動家にも見ることができる。たとえば、反核運動自由主義国だけ狙い撃ちで、共産国は批判しない。2017年ノーベル平和賞を受賞した後、ICANののメンバーがBBCの番組「ハード・トーク」に出演したが、なぜ北朝鮮の核を批判しないのかとの質問にまともに答えることができなかった。ICANは日本が核兵器禁止条約を批准しないのを厳しく批判するが、核兵器を持たない日本に核攻撃の照準を合わせている中国や北朝鮮は批判しない。
環境運動にしても平和運動にしても、左翼活動家の究極の目的は、自由主義国の軍事力や産業基盤を弱めて、共産主義革命を実現することであると考えると、一見矛盾する彼らの行動の全てに説明がつくのである。