じじぃの「科学・地球_44_SDGsの世界ハンドブック・気候変動・温暖化」

誰が気候変動の責任者ですか? 誰が修正する必要がありますか?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ipVxxxqwBQw

Where in the world do people emit the most CO2?

October 04, 2019 Our World in Data
We can calculate the contribution of the average citizen of each country by dividing its total emissions by its population. This gives us CO2 emissions per capita. In the visualization we see the differences in per capita emissions across the world.
The world’s largest per capita CO2 emitters are the major oil producing countries; this is particularly true for those with relatively low population size. Most are in the Middle East: In 2017 Qatar had the highest emissions at 49 tonnes (t) per person, followed by Trinidad and Tobago (30t); Kuwait (25t); United Arab Emirates (25t); Brunei (24t); Bahrain (23t) and Saudi Arabia (19t).
https://ourworldindata.org/per-capita-co2

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

19 持続可能な開発からほど遠い不平等な世界 より

地球上に住む人々のあいだにはつねに大きな不平等(格差)が存在してきたが、その一部はなおも増幅しつづけている。25年前には最貧困層(10%)の約7倍であったOECD諸国における最富裕層(10%)の可処分所得の平均は、今日では約9.5倍となっている。衛生環境や食生活の分野において改善こそみられるものの、社会的不平等は顕著である。極度の貧困状態で暮らす人々の数はここ30年で10億あまりに減少した(世界銀行調べ)。2005年から2015年にかけての10年間で、栄養失調状態にある人々の数は10億から8000万になった。とはいっても、環境問題(生物多様性の劣化、気候変動ないし温暖化、海洋汚染)は山積しており、これらは不適切で容認しがたい管理の仕方に起因する。人類全体としては持続可能な開発のスタンダードから今もほど遠い状況にあり、最貧困層は社会的・経済的な機能障害のあおりを真っ向から受けている。それゆえ、貧困の削減と根絶は持続可能な開発目標の核心をなすものといえる。

36 温室効果ガスと気候変動 より

2018年になされた気候変動に関する政府間パネルIPCC)[地球温暖化について科学的、技術的、社会経済学的見地から包括的評価をおこなうために設置された政府間機構]の報告によれば、世界の気候は工業化以前の時代の時代に比べて約1℃上昇しているという。地球温暖化をうながすとされる温室効果ガスを放出しているのはとりわけ工業国(アメリカ合衆国など)と新興国(中国など)である。ただ、この温暖化に直面しながらすべての国が同じ条件下に置かれているわけではない。もっとも影響をこうむりやまないのは最貧国であり、温暖化はこれらの国々をさらに脆弱化する可能性をおびているのである。

2015年にパリで開催された気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において、加盟国が現時点から2100年までの地球の気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満、できることなら1.5℃に抑えることが決められた。それは長期的には地球が吸収できる以上のCO2を排出しないことを目的とする。

気候変動に関する政府間パネルIPCC

1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境プロジェクト(UNEP)により設立されたこの政府間パネルは、気候変動にかんする国際的協議をおこなう。

温暖化の現状

今日でもなお世界の国々は不平等なかたちで大量のCO2を排出しつづけている。全排出量に占めるその割合は中国が30%、アメリカ合衆国15%、EU10%、中東7%、アフリカ3%となっている。1990年から2014年にかけて、全世界のCO2排出量は58%上昇した。もっとも高い上昇率を記録したのは中国で、排出量は4倍以上にのぼった。アメリカでは7%の上昇がみられた。それに対し、EUのCO2排出量は1990年の28%から21%に減っている。
人口比でみると、CO2の排出ではアメリカが最大である。にもかかわらず、アメリカ大統領はパリ協定[COP21]の破棄を通告した。人口1人1年にあたりのCO2排出量は、中国が7.5トン、ブルキナ・ファソ0.2トンであるのに対し、カタールは45.4トンとなっている[2017年のアメリカは14.6トン]。周知のように、温室ガス(GHG)は、さまざまな産業活動や交通・運輸、暖房、発電に用いられる化石燃料(石炭、石油)によって生み出されている。