じじぃの「動画投稿アプリ・ティックトック（TikTok）の開発はどこの国？池上彰のニュース検定」

池上彰のニュース検定

2020年8月4日　テレビ朝日【グッド！モーニング】
きょうのキーワード　「ティックトック制裁論」。

問題　「ティックトックを開発したのはどの国の企業？」

・中国
・米国
・韓国
正解　中国

【池上彰さん解説】

　「中国発の動画投稿アプリ『ティックトック（TikTok）』が若者に人気となっています。ティックトック・・・10代の若者の大きな支持を背景にリップシンク（音楽や音声に合わせて口を動かしたり踊ったりしたりすること）で15秒の短い動画を投稿するSNS（交流サイト）アプリ。　決められたフォーマットや音楽、テーマがあらかじめアプリ内に準備されており、アプリ内で編集作業を完結できる。撮影から公開までの所要時間はわずか数分で行える。他の動画アプリを使ったり大掛かりな機材を使ったりすることもないため、余計な作り込みの手間やお金もかからない。2016年にサービス開始。2017年にグローバル版開始で人気爆発。米国の利用者数は6500万人以上、5人に1人が利用していますが、現在トランプ政権では使用禁止を検討しています。利用者の個人情報が中国政府に筒抜けの可能性があるためです。ポンペオ国務長官は先月、中国製アプリの使用禁止検討を明らかにしました。『もし中国共産党にあなたのプライベートな情報を取られてもいいのならダウンロードすればいい』と発言。中国企業は共産党政府に協力する義務があり、米国人の情報が引き渡される恐れがあるといいます。ティックトックを運営するバイトダンスは当局への情報流出を否定。ティックトック側はウォルトディズニーの幹部を引き抜いて、ティックトックのトップに起用するなどして対抗しています」

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『中国でいま何が起きているのか』

邱海涛／著　徳間書店　2019年発行

混沌とする中国社会と若者たちより

日本を席巻する中国産「TikTok」

改革開放初期の1980年代、中国は、台湾、香港から軽工業製造技術を導入し、靴や洋服などの生活用品の生産に力を入れた。2000年ごろからは、おもにアメリカからネット通信技術を導入し、巨大なネット情報社会の構築を図ろうとしていた。
いま、中国の携帯通信技術は相当進んでいる。そのおかげで貧富の差を隠すことができるようになった。もちろん、「ある程度繕（つくろ）える」という話だが、非常に意外な出来事といえるだろう。情報収集や買い物が便利になるだけではなく、娯楽を共有し、誰に対しても喜怒哀楽が瞬時に伝わるようになったからだ。
このことは外国にも当てはまる。短編動画共有アプリ「TikTok」の例を見てみよう。
日本初の漫画やアニメ文化に中国の若者たちが陶酔し、中国の絵本、動画市場を席巻しているのはまぎれもない事実だが、その一方で、最近では中国発の短編動画共有アプリ「TikTok」に日本緒若者たちが夢中になっている。
おもな利用者は、中高年、若い母親や独身女性だそうだが、ある調査によれば、女子高生がよく使っているソーシャルメディアの順位は、「LINE」「TWitter」「Instagram」および「TikTok」だそうである。
「TikTok」は2017年8月に日本でリリースされたが、芸能人が参加したり、それをおもしろがる若い女性の口コミが手伝ったりして、爆発的な人気を集めている。