じじぃの「新コロナ後の日本経済再生・ファーウェイ排除・脱中国は可能か?プライムニュース」

5G・CHINA: Chinese 5G and tech companies are impacting on our daily lives

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China has been a pioneer next generation mobile network.

プライムニュース 「脱・中国は可能か 米圧力&香港で包囲網 日本の経済安保戦略は」

2020年7月3日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】斎藤健(元農林水産大臣 自由民主党衆議院議員)、細川昌彦(中部大学特任教授)、朱建榮(東洋学園大学教授)
トランプ政権による“ファーウェイ排除”の規制強化など、世界的なコロナ禍の中でも厳しさを増す「米中対立」。アメリカによる安全保障上の懸念を理由とする“中国外し”は、軍事面のみならず中国のハイテク産業など幅広い業種へと広がりを見せ、日本を始めとする西側諸国に連携を求める圧力も高まっている。
新型コロナウイルスの感染拡大で分断された、サプライチェーンの再構築を図る上で、日本は「経済安全保障」という新たな観点を、どのように国家戦略として組み込むべきか?経済再生と両立し得る【脱・中国】の方策を検証する。
●「香港国家安全法」の波紋 習近平の思惑×国際的圧力
今週水曜日、中国が香港国家安全維持法を施行し、現地の混乱ぶりなど国際社会の注目が集まっている。

香港国家安全維持法をめぐる動き

6月18日 中国・全人代常務委員会が法案審議を開始。ここから国際社会で懸念する動きが続く。
  25日 米国議会上院が対中制裁法案を全会一致で可決。法案には資産凍結や金融取引の規制などが盛り込まれ、下院での修正を経て改めて全会一致で成立。
  26日 米国政府が中国当局者へのビザの発給制限を発表。
  29日 米国政府が香港に向けた軍民共用の技術輸出に関する特例措置を停止。
  30日 日本、英国、フランス、ドイツなど27ヵ国と国連が「一国二制度を脅かす法案について再検討を求める」という共同声明を発した。中国・全人代常務委員会が全会一致で法案を可決。
7月1日 中国は国家安全維持法を施行し、新法適用で逮捕者が出ている。
朱建榮、「去年10月の時点で中国は法を制定しようと四中全会で検討した。恐らく3月の全人代で制定しようとした。コロナの影響で全人代が5月末にずれ込んだ。今年9月に立法会の選挙があるが、香港の去年後半からの混乱がさらに続くと中国はどうすればいいのか。今の香港の警察は力が弱い。去年後半から地下鉄、民用施設、空港の占拠をやった時に最後に中国自身が武装警察などを出さざるをえない。法がないまま出すとなるとロシアのクリミア占拠以上に世界各国から批判される。それだったらそれより前に批判は覚悟の上で法律を先に作って予防線を引いた。民主化を叫ぶのだったら許せるが独立の旗を掲げるのは許せないとなった」
細川昌彦、「民主化を叫ぶ彼らは中国人としてではなく香港人として行動をとっている。これからは香港の優秀な人材が海外に移ってしまうのではないか」
●トランプ圧力×習近平戦略 日本「脱中国」の現実味は

米国の”新たな制裁”

6月30日、米国・ポンペオ国務長官は「トランプ大統領の指示に基づき、香港に特別に与えてきた措置を一部の例外を除いて廃止していく」と発表。
7月1日、新疆ウイグル自治区において17の産業分野で強制労働を確認し、これらの製品(電子部品、繊維、アパレル、食品など)に関与しないよう求めた。
朱建榮、「米国以外にヨーロッパなどが同じことをやっているかというとやっていない。おそらく中国も覚悟の上でやったと思う」
細川昌彦、「6月29日に米国が香港への軍民共用の技術輸出に関する特例措置を中国本土並みにするというのは相当きつい話。よく香港経由の輸出入が大した量ではないという報道があるが本質を見ていない。量の問題ではなく、そこを通じてハイテクの製品、技術の調達拠点になっている機能を忘れてはいけない。技術の調達拠点が失われることは大きい」
●米中「攻防激化」の主戦場 半導体めぐる攻防に日本は
昨年からトランプ政権が制裁対象としていた中国の通信機器メーカー・ファーウェイについて、今年5月に新たな制裁拡大の動きがあった。

半導体めぐる動き

米国商務省は5月15日、第三国が米国製の設備で製造した半導体を輸出管理措置の対象に追加すると発表。
これを受けて、ファーウェイに主要な部品を提供していた台湾の半導体メーカー・TSMC(台湾積体電路製造)はファーウェイからの新規受注をストップすると発表。さらに、米国での新工場設立を発表。
細川昌彦、「半導体が米中の対立の主戦場になっている。通信を支えるものは半導体なのです。中国自身もそれを分かっているので、『中国製造2025』の中でも10大産業で一番クリティカルなのは半導体半導体自給率を2020年には40%、2025年には70%に高めていこうとしたのは一番クリティカルな部分を米国に依存していることに対する危機感を中国は持っているから。このコロナ騒ぎでも武漢にある半導体工場だけはストップさせなかった」
反町理、「台湾・TSMCは米国の製品を使っているから米国の規制対象になるのではないか」
細川昌彦、「ファーウェイに納品しているのは対象になるが、汎用品は対象にならない」
●米中対立で岐路に立つ 日本の「経済安全保障」
半導体をめぐる中国と米国の攻防について聞く。
細川昌彦、「米国がファーウェイに対して部材を売らないことにした法律があるが抜け穴があるという指摘がある。TSMCからファーウェイに行っている。その規制の仕方を喧々諤々議論した。米国の部品やソフトウェアを全体の25%以上使ったら米国の規制がかかるという法律だったが、25%までなら使っていいんだということが抜け穴になっているから10%に下げようかという議論もあった。それはダメだとトランプ大統領も拒否した。違うやり方として今回工夫して米国の設備を使ったもの、米国のソフトウェアを使ったものは米国の直接的な製品とみなして規制するという法律になった。法律を出した時に、これまで発注したものはいいということで、90日猶予されている。ファーウェイもこの動きを察知していたので、ものすごい駆け込み発注をしている。米国の法律は台湾・TSMCだけが対象になっているのではなく、韓国・サムスンも規制対象になっている」
朱建榮、「米国は韓国や台湾に相当厳しくしようとしている。しかし皆がその通りに米国の話を聞くかは別」
細川昌彦、「論理的にはTSMCなどに連なって間接的に影響を受ける部分と、直接的に他の部材、ファーウェイの供給で影響を受ける部分と2つあるということで日本のメーカーは必死にチェックして、経営問題になるのでこれに少しでも抵触すると米国に虎の尾を踏むことになりかねないと危機感を持って社内をチェックしていると思う」
斎藤健、「トヨタで事故があってリコールがあった時、相当米国のライバル会社に仕掛けられた。そういう事が往々にしてある。競合している米国の会社を使って日本を叩こうと思って細かくこうすれば引っ掛けられるというようなことをやっている可能性もある」
細川昌彦、「今の状況は製造設備1つとっても日本、米国、ヨーロッパのメーカーが棲み分けをしている。かつてのように日本を叩いておいて俺たちが取るというような構図には今の所なっていない。日米欧の連携が取れることの方が大事。ヨーロッパも大事なプレイヤー」

半導体産業のエコ・システム

エコ・システムとは、設計、製造、部料、設備を含め、全てを国産でまかなうサプライチェーンのことを指す。
半導体を作る半導体の製造設備は日本、米国、ヨーロッパに依存しているが、中国はこのエコ・システムを国産する方針に変えて莫大な投資をし始めている。
朱建榮、「ヨーロッパというのは5G、半導体を含めて日本、アジアと米国に遅れた。米中の争いは今日本にとってチャンス」
細川昌彦、「今のヨーロッパは相当対中警戒が強くなってきている。半導体の製造設備を見ればオランダも協力的にやっていると米国も評価していると思う。中国は今お金をかけて半導体の製造設備に3.2兆円の基金を作って投資していくと決めた。米国は半導体の製造について研究開発、設備投資を支援するため1兆円、2兆円規模の支援をする」
●「ファーウェイ製品排除」 米国主導対中戦略の足並み

米国政府が認定した“クリーンな通信会社”

日本:NTT 英国:O2 フランス:オレンジ 豪州:テルストラ 韓国:SKテレコム・KT インド:ジオ。
斎藤健、「中国に対して危機感を持っているということ、仲間を総動員して封じ込めようという強い姿勢の現れではないか」
細川昌彦、「米国らしい手法で、ファーウェイ製を使っていないと言う単純な割り切りでリストアップされた。これがどういう効果を発するかということは今明確ではない。信頼できるパートナーという概念を全面に出して色分けしていくということ」
朱建榮、「他の国を巻き込んで脅しもかけて中国を孤立させようとする。中国はなんとか他の国と組んで、特にヨーロッパ、日本、韓国を含めて、そこの争奪戦は続くと思う」
斎藤健、「この名前に挙がらなかったところはどうしたらいいのか考えるし、挙がったところは今後ファーウェイとは組みにくい」
細川昌彦、「5Gのファーウェイの戦いと半導体とはだいぶ構造が違うのは事実。半導体でいえばアドバンテージは日米欧連合にあり、それに対する焦りが中国にあるのは確か。日本は技術の強みがあるうちに中国との付き合い方、米国との付き合い方を初めてプレイヤーとして参加ができる」
サプライチェーン再構築へ 安倍政権の経済対策は
安倍首相の発言(3月5日・未来投資会議)「中国などから日本への製品供給が減少しサプライチェーンへの影響が懸念されている」「1国への依存度が高い製品の生産拠点について国内回帰やASEAN諸国などへの多元化を図る」。
緊急経済対策(20年度第1次補正予算)日本国内での生産拠点整備の補助金2200億円、ASEAN諸国での生産拠点複線化235億円。
斎藤健、「こういうリスクに備えて多元化していくことは当然の流れ。日本はぎりぎりまで在庫を持たない経営をしている。突然のリスクに備えてサプライチェーンだけでなく在庫問題も含めて企業も対応していかなくてはいけない時代になるだろう」
細川昌彦、「今回コロナで問題になったのは自動車部品、こういう日本にとって重要産業である自動車産業サプライチェーングローバル化して経済効率とリスク分散のトレードオフの関係の中にある2つの中で経済効率にウエイトを置きすぎていた。企業の見直しの中で今回の政府の補助金も背中を押す意味で大きな一歩。こういうものと、安全保障上のものについてどう確保するのかと。中国が経済的手段で外交安全保障を達成しようと繰り返しやっている、何らか安全保障上の手当をしておかないと危ない。輸入に頼る戦略物質をいかに日本が安定供給を図るのか。半導体のような戦略物質を有志国のなかでどうやってサプライチェーンを確保するのかと言う観点も大事。いま3つのカテゴリーを申し上げたがこれは全部物によって違う。分野別に戦略を立てて議論するのが今必要な経済安全保障」
●“コロナ後”世界経済の行方 米中「切り離し」攻防の波紋
朱建榮、「チャイナプラスワンと言う議論は10年、20年前から始まっている。医療物資や医薬品製造などは国内で優先にすることはよくある」
細川昌彦、「日本の韓国の措置についていえば、論拠を示した上で法治国家として法律に則ってやっていると共に国際的な輸出管理のルールに従ってやっている。それに対してレアアースは日本も提訴したが、明らかにWTO違反で日本は勝った。明らかに違反なことを堂々とやるというのは明らかに意味が違う。今の中国のやり方を見ていると全く関係のない物を持ち出している事が問題。中国マーケットの大きさは日本企業においても大事だが、分野を頭に置かなければいけない。分野をごちゃまぜにして議論せず安全保障上で機微に渡る分野は限られている。経営者自身も仕分け作業を安全保障の感覚を研ぎ澄ませて持たなくてはいけない」
斎藤健、「ルールをきちんと作っていくことが重要。ルールがないまま大きな国がやりたい放題やった結果として第二次世界大戦に行ってしまった。もう一度国際的にルールを守って秩序ある貿易秩序を作りましょうと。それを出来るのは日本だと思っていて安倍首相はそれをやろうとしている」
●米中対立で岐路に立つ日本の経済安全保障
細川昌彦、「米中がやりたい放題やっている中で、ミドルパワーの国、日本がヨーロッパ、オーストラリア、インド、カナダ、こういうところと価値観を共有するタッグを組んでルールメイキングで主導権を発揮することは大事な1つの領域。これをやりながら日本は日本としての安全保障の観点で、キラー部材を常に持ってレバレッジをきかせるなど、存在感を持って重要な戦略物質の中で互してやっていくプレーも合わせてやっていかなければいけない。備蓄を増やしたり国内回帰もやっていかなければいけない。この両方を持っていないとルールメイキングで主導権を発揮することができない」

【提言】 「日本がとるべき中国との距離感」

斎藤健 「筋と環」
 日本はきちんと主張する国であること。仲間作りをしながら中国と向き合う。
朱建榮 「永遠の隣人」
 これは安倍総理が去年のG20で言った言葉。
細川昌彦 「ミドルパワーの連携」
 日本がヨーロッパ、インド、カナダなどと連携していくことが大事。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9