じじぃの「放射性元素・世界で1番高価な金属・カリホルニウム!美しい元素図鑑」

ANS Contest - Application of Neutron Activation Analysis in the assessment of atmospheric Pollution

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=E6KdFg8xU5s

中性子放射化分析の概念図

金ではない。世界で最も高価な金属(ランキング)

2019年2月15日 ailovei
世界で1番高価な金属・カリホルニウム
世界一価値のある金属といえば、金やプラチナを思い浮かべるかもしれないが、実はそれより何千倍も高価な金属が存在する。その価値の高さは、たとえばその金属の希少さや性質、製造の難度などの要素がからんでくる。
https://ailovei.com/?p=91676

『世界で一番美しい元素図鑑』

セオドア・グレイ、ニック・マン/著、武井摩利、若林文高/訳 創元社 2010年発行

californium Cf 98 カリホルニウム より

周期表のこのあたりの話をしていると、グレン・シーボーグという名前がしょっちゅう出てきます。彼はカリホルニウムの発見者であるだけでなく、プルトニウム(94)、アメリシウム(95)、キュリウム(96)、バークリウム(97)、アインスタイニウム(99)、フェルミウム(100)、メンデレビウム(101)、ノーベリウム(102)、シーボーギウム(106)の発見者リストにも名を連ねています。
最後に挙げたシーボーギウムは、特筆に値する元素名です。発見に関係した人物の名が元素につけられたと解釈できなくもないうえに、命名されたときにその人物がまだ生きていたからです。これを正式名称として認めてよいかどうかが国際的な議論の的になりました。結局はシーボーギウムを承認することで1997年に合意に成立するのですが、その裏には、カリフォルニア大学バークレー校のシーボーグの同僚たちと、最大のライバルであるロシアのドゥブナ合同原子原子核研究所との取引がありました。
実はこの両者は、105番元素をどちらが先に発見したか(命名権がどちらにあるか)で争っていました。バークレーは105番の名前をロシア側に譲るかわりに、シーボーギウムを認めさせたのです。
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そうそう、カリホルニウムはまがりなりにも用途がある最後の元素で、その用途の話をすると予告してありましたね。カリホルニウムはきわめて強力な中性子発生源なのです。そのため、ものすごく危険にも、ものすごく便利にもなります。
あらゆる放射線のうち、最も危険なのは中性子放射です。電荷をもたない中性子は、マイナスに帯電した電子にもプラスの陽子にも反発されません。ということは、わりあい簡単に固体を透過するということです。その際にたまたま固体の原子核に衝突すると、核にもぐりこんで不安定化させます。中性子ビームには、ごく普通の物質を放射性同位体に変えてしまうという危ない特性があるのです。
中性子に被曝するとあなた自身も半減期15時間の放射性人間になります。あなたの体内で、主にナトリウム(11)が放射性同位体のナトリウム24(24Na)に変わるからです。
中性子照射が役立つ場面もあります。元素が放射性同位体に変化して崩壊する際には、元素ごとにそれぞれ特徴的なタイプとエネルギーレベルの放射線を出します。ですから、たとえばある岩に中性子を照射して、特定のエネルギーのガンマ線の放射が観測されたら、その岩には金(79)が含まれているかわかります。

この方法は中性子放射化分析と呼ばれ、金だけでなく油田の底で原油を探査したり、コンテナの積荷やスーツケースを開けることなく爆発物の有無を調べたりできます。中性子なら、硬い鋼鉄製の船体も透視できるのです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2016年、元素周期表に日本人の手で新たな元素が加わりました。
ニホニウム(nihonium)。原子番号113の元素。元素記号は Nh。
超ウラン元素では比較的長寿命とされています。
「水兵リーベ、僕の船……最後にニホニウムかな」