じじぃの「科学・芸術_613_予測・小惑星の衝突」

Aerosmith-アルマゲドン【日本語字幕】 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=AVJ1Ctp3X6A
6500万年前 小惑星が地球に衝突

解説・あらすじ - アルマゲドン (1998) Yahoo!映画
地球への衝突コースを取る小惑星が発見された。もしも、テキサス州の大きさにも匹敵するその小惑星が地球に激突すれば、人類の破滅は免れない。これを回避する方法はただひとつ、小惑星内部に核爆弾を設置し、内側から破壊するしかない。
そしてその任務に選ばれたのは石油採掘のスペシャリストたちだった。刻々と迫る滅亡へのカウントダウンの中、人類の運命を委ねられた14人の男たちは小惑星へと飛び立った!
https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%B2%E3%83%89%E3%83%B3/84618/story/
『科学は大災害を予測できるか』 フロリン・ディアク/著、村井章子/訳 文藝春秋 2010年発行
小惑星の衝突 より
1977年、カリフォルニア大学バークレー校の地質学者ウォルター・アルバレス(1940〜)は、イタリアから取り寄せた粘土の標本を調査していて、興味深い発見をした。フィレンツェにほど近いグビオの粘土層に、他の地層の30倍ものイリジウムが含まれていたのだ。イリジウムは地球の地殻ではめったに見られない物質だが、宇宙を遊弋(ゆうよく)する小惑星には多く含まれる。そしてこの粘土層は、恐竜時代とマンモス時代のちょうど境界(地質学ではKT境界と呼ぶ)に位置していた。
この発見を父(ノーベル賞受賞物理学者のルイス・アルバレス)と話しているうちに、ウォルターは奇想天外なアイデアを思いつく。6500万年前に小惑星が地球に衝突し、その結果イリジウムが大量にまき散らされたと考えたらどうだろう。この仮説なら、その頃地球上で生息していた種の3分の2が絶滅したことの説明がつく。その中には恐竜もいた。そして恐竜が絶滅してマンモスの時代が訪れたのだ……。
とは言え、種の絶滅は必ずしも瞬時に起きるわけではない。山火事の煙が大気中に広がるといったことが起き、気候や生態系のバランスが乱されれば、ゆぅくりした絶滅につながる可能性がある。光合成に必要な太陽光が届かなくなればほとんどの植物は死滅してしまい、食物が足りなくなれば、大半の動物は長くは生き延びられない。
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シカゴ大学の古生物学者デービッド・ラウブとジャック・セプコスキーは、1984年に驚くべき発表をした。海洋の動物化石の網羅的な調査を行った結果、過去2億5000万年の間におこた大量絶滅はほぼ2600万年の周期で起きているというのだ。その理由を説明するために、さまざまな説が登場した。カリフォルニア大学バークレー校のマルク・デービス、リチャ0ド・ミュラープリンストン高等研究所のビート・ハットが提唱した彗星衝突説は、その1つである。
この説によれば、太陽には未発見の伴星があり、この星が周期的に「オールトの雲」を攪乱して大量の彗星を発生させ、そのうちの1つが地球と衝突するのだという。オールトの雲とは、太陽系を球殻状に取り巻くとされる半径1光年の仮想天体群である。この伴星はネメシス(ギリシャ神話の復讐の女神である)と名付けられ、2600万年周期で太陽を回ると説明された。ネメシスがオールトの雲に接近すると、数百万個の彗星を太陽系にまき散らす。そして、そのうちの少なくとも1つが地球の軌道に侵入するというわけだ。
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小惑星との衝突を避ける方法をまっさきに考え出したのは、SF作家である。彼らのたくましい想像力は、科学知識や技術水準をはるかに超えて自由に飛翔する。SF小説に示された解決策がいつも現実離れしているわけではなく、その奇抜な発想に科学者が触発されることもある。ただしこれまでのところ、衝突回避策としてSFのアイデアが真剣に議論の対象になったことはない。
たぶん誰もがすぐに思い浮かべるのは、核兵器を使うことだろう。第二次世界大戦後に始まった軍拡競争の結果、現在では世界のあちこちの国が核断頭を保有している。それが今度は人類を救う役に立つかもしれない。1、2年前に衝突が予想できれば、核断頭を発射して無遠慮な侵入者を吹き飛ばす、という計画である。
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いまの時点でまずまず実現の可能性がありそうだと思われる衝突回避方法は、以上である。だが今日はSFまがいと思えるようなアイデアも、明日は実行可能になっているかもしれない。大事なのは、あきらめないことだ。気まぐれな天体の動きから地球を守ることは、十分可能である。
アリゾナ大学の天文学教授トム・ゲーレルスは次のように語っている。ゲーレルスはスペースウォッチ(太陽系内小天体探査プロジェクト)発足の中心人物であり、自身が3000以上の小惑星や彗星の発見者でもある。「彗星や小惑星は、ヒンズー教シヴァ神に似ている。シヴァ神は破壊を司るが、破壊は創造につながる。小惑星は恐竜を始めとする多くの生物種を消滅したかもしれないが、また新たな生命を誕生させもした。いま、初めて自らの絶滅を予測できるようになった人類は、破壊と創造のサイクルを止める力をもったのかもしれない」