じじぃの「生まれつき痛みを感じない先天性無痛症とは!痛覚のふしぎ」

痛みを認識する脳

『痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム』 伊藤誠二/著 ブルーバックス 2017年発行
生まれつき痛みを感じない人は早死に より
先天性無痛症の症状が詳細に報告された、カナダのモントリオール大学の女子学生の例を紹介しましょう。彼女は高い知性の持ち主で、うまれてから痛みを感じたことがなかったことを除けば、正常でした。彼女は痛みを感じないために生じる脊髄の骨髄炎や損傷した膝の治療でたびたび入院しましたが、痛みを訴えることはありませんでした。さらには、頭痛、耳痛、歯痛、胃の痛みや生理痛も経験したことが全くありませんでした。海岸に出かけた日には、貝殻による切り傷が足にないか、注意深く調べなければなりませんでした。私たちであれば、貝殻を踏みつけた時の軽い痛みで反射的に足を上げますが、彼女は貝殻で深い傷をつくっても気づかなかったことがたびたびありました。3歳の時には、道で遊んでいる子供たちを見ようと蒸気が通っている暖房用ラジエーターにひざまずいてひどい火傷を負いました。
このように、彼女は機械的あるいは熱の侵害刺激による痛みを全く感じませんでした。さらに興味深いことに痒みを感じることもありませんでした。痛みを感じない彼女は損傷した関節を動かし続け傷を悪化させてしまい、広範な感染のため、不幸にも29歳の若さで亡くなりました。
風が吹いても痛い毒キノコ中毒の患者 より
ある日曜日、たまたまキノコ中毒の患者が発生したというNHKの昼のニュースを見て、3人の患者が入院している病院を訪問しました。患者さんの話によりますと、自宅の裏の藪に生えていたキノコを採取して、3日間炊き込みご飯と味噌汁にして食べたところ、2日ほどして手の指先が赤く腫れて、熱くてたまらなくなったのだそうです。男性の患者さんはペニスの先が痛くてトイレもままならない状況になったので車で病院に来たのですが、途中で指先が痛くなり、車のハンドルも握れなくなりました。さらに、診察を待っている間も指先が熱くて、トイレの洗面台の流水の中に手を入れて冷やしていたそうです。
病院を訪問した時には患者さんは入院してすでに17日経っていましたが、人がベッドの側を通る風の動きでも痛みが生じるほどでしたので、患者の患部が直接布団に触れないようにする枠(離被架)をベットの足側に取り付けて、その上に布団をかぶせていました。手のひらはまだ赤く腫れぼったい状態で、医師の診断では、腫れがひき痛みが取れるのにあと2〜3週間かかるとのことでした。この食中毒の患者では、本来風の動きを察知する皮膚表面の産毛からの情報が痛みに変わるとともに、自律神経が活性化され、血管が拡張し熱が放出されることで熱く感じています。しかも、この症状が1ヵ月の長きにわたり続くことに驚かされます。

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どうでもいい、じじぃの日記。
日本人で1番多い「痛み」は腰痛だそうです。4人に1人が経験しその半数以上が3ヵ月以上の腰痛に悩まされているそうです。
伊藤誠二著『痛覚のふしぎ』という本に「生まれつき痛みを感じない人」のことが書かれていました。
糖尿病患者には、感覚が麻痺し足の指や足の裏のしびれ、痛みの感覚麻痺に気がつかない人がいますが、似たようなものなのだそうです。
「風が吹いても痛い」といった病気のことも書かれていました。
これらは、一言で言ってしまえば、感覚異常で、年寄りの病気です。
どうにか、くそ暑かった夏を乗り切りました。
今度は、くそ寒い冬をどう乗り切るかです。