じじぃの「ストップモーション・アニメーションの世界へようこそ!犬ヶ島」

犬ヶ島』日本オリジナル予告編 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Kz6LjZTkXAU
頭山 Mt. Head 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9NMLiFcC91s

鉄腕アトム

映画で見つめる世界のいま 2018年6月1日 NHK BS1
【キャスター】塩崎隆敏、藤田真奈美 【解説】藤原帰一東京大学大学院教授)
東京大学大学院教授の藤原帰一さんとともに各国の注目映画を通して、背景にある政治や社会を読み解くコーナー。
今回は、いま注目のウェス・アンダーソン監督の新作「犬ヶ島」を紹介。近未来の日本を舞台に少年アタリが愛犬スポッツを捜す物語をストップモーション・アニメーションで描く。映画を通してハリウッドが描く日本像について考える。
http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/index.html?i=20180601
藤原帰一の映画愛:犬ヶ島 ハリウッド監督による日本映画へのオマージュ 2018年5月27日 毎日新聞
ストップモーション・アニメーション。
静止物を1コマ撮って、動かし、また1コマ撮影して生まれる映像はコンピューターグラフィックス(CG)と違って手で触れることのできそうな味があります。これは、ウェス・アンダーソン監督が、「ファンタスティック Mr.フォックス」に続いてストップモーションに挑んだ作品です。
日本映画の影響は明らかです。基本は黒澤明宮崎駿。エモーションが高まったところで「七人の侍」のテーマが高鳴り、犬ヶ島のゴミの山は「どですかでん」にそっくり。「千と千尋の神隠し」にオマージュするかのように、夏木マリが声優として登場します。
https://mainichi.jp/articles/20180527/ddv/010/070/016000c
『カラー版 アニメーションの世界へようこそ』 山村浩二/著 岩波ジュニア新書 2006年発行
『頭山』が生まれるまで より
14歳になったときに、たまたまアニメーション監督の鈴木伸一とアニメーション評論家のおかだえみこの、アニメーションの作り方のコラムを見ました。今は家庭用としてはデジタルビデオなどが一般的ですが、その当時、1970年代は、8ミリカメラという、フイルムで撮影する家庭用の映画が普及していました。
この8ミリカメラには、「コマ撮り」といって、1コマずつフイルムを撮影する機能が付いている機種もありました。アニメーションの作り方のコラムには、「描いた絵を1コマずつ8ミリで撮影するとアニメーションになる」という方法が書いてあり、「ああ、なるほど、こういうふうにアニメーションというのは作られていたのか」とやっとわかったのです。
「テレビのアニメーションってどうやって作るの?」と親に質問したことがあったのですが、「パラパラ漫画だよ」という答えしか返ってきませんでした。「でもパラパラ漫画をカメラで撮ったら、パラパラパラって落ちる紙が映っちゃうよな」と、子どもながらに腑に落ちない気分だったのですが、このコラムと撮影方法を知ってやっと疑問が解決したのです。
それがアニメーションの作り方の基本なんだ、ということがわかると、衝動的に自分でもアニメーションが作ってみたくなりました。そして14歳のときから高校にかけて、自分で試行錯誤し、フィルムにコマ撮りをすることを始めたのです。
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『頭山』は、先ほどの『バベルの本』が終ったあとに6年ぐらいかけて、こつこつと、いろいろな仕事の合間に作りました。原画は1万6000枚ほどの膨大な数にのぼります。この作品は、1枚ずつ紙に描いた絵をスキャナーで取り込み、それぞれの絵を合わせてパソコンで合成し、世界を作っています。
『頭山』の原画は、鉛筆とカラーマーカーとペンで描かれた絵なのですが、それぞれの絵に対して、別の用紙に影を描いたものを作ります。それをパソコン上で重ね合わせることで、アニメーションになると、木(こ)もれ日や、人物の立体感が、より強調されて描かれることになります。
1枚の絵に影の絵も描いてしまえばいいんじゃないか、と思われるかもしれませんね。ところがこれが不思議なことなのですが、映像というのはモニターや映写機を使うので、絵そのもののときよりも輝き度が増すのです。けれども、その光の幅というのは、紙の上だけでは表現しきれません。それでこのように素材を分けて映像上で合成することで、光や影をより強調して描くことができるのです。
『頭山』でぼくは、自分がいま生きているとはどういうことなのか、という素朴な哲学を描きたいと思いました。この世があって、世界と関わり、生きていることを認識する、これほど不思議で興味深いことを、アニメーションで描きたい、アニメーションだからこそ表現できるのでは――、と思っていました。
『頭山』は、世界中で上映され、高い評価を得ることができました。アメリカのアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされ、「アヌシー国際アニメーション・フェスティバル」ではグランプリを受賞しました。どちらも日本人初でした。ほかにも5つのグランプリなど、17の賞と70以上の映画祭の公式上映作品に選ばれました。
ぼくは、自分のもっている力を、時間の制約で制限されることのないよう、この作品をじっくり作りました。
アニメーションを作るには根気が必要ですが、ぼくはどちらかというと短気な性格でした。そのセッカチな性格に対して、時間のかかるアニメーション制作がブレーキの役割をはたしてくれ、気長な作業の間、じっくりと物ごとを考えたことが、作品の完成度にもつながっていったと思っています。

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どうでもいい、じじぃの日記。
私にとってアニメーション映画といえば、「鉄腕アトム」だろうか。
「この8ミリカメラには、『コマ撮り』といって、1コマずつフイルムを撮影する機能が付いている機種もありました。アニメーションの作り方のコラムには、『描いた絵を1コマずつ8ミリで撮影するとアニメーションになる』という方法が書いてあり、『ああ、なるほど、こういうふうにアニメーションというのは作られていたのか』とやっとわかったのです」
昔は、アニメを見て単純に面白いということだったが、今は、大変だあと思うようになりました。
東京2020オリンピック・パラリンピックまでに、また何か新しいアニメ・ヒーローが誕生しそうな気がします。