じじぃの「科学・芸術_412_日本の企業・キャノン」

Thirty Meter Telescope 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xQBzODd2EKw
キヤノン 御手洗冨士夫名誉会長


Top 100 グローバル・イノベーター 2016 |世界で最も革新的な企業 ロイター
アイシン精機株式会社 (Aisin Seiki Co., Ltd.)
株式会社ブリヂストンBridgestone Corporation)
キヤノン株式会社 (Canon Inc.)
https://jp.reuters.com/news/business/top100innovators
キヤノンの17年12月期、純利益63%増に上方修正 増配も発表  2017/10/24 日本経済新聞
売上高は20%増の4兆800億円の見通し。従来予想から300億円引き上げる。今期の業績見通しを上方修正するのは3度目。
利益を押し上げる要因の一つは、有機EL関連の製造装置の好調だ。子会社のキヤノントッキが手掛ける蒸着装置は受注に生産が追いついていないという。露光装置も販売台数が前期の2倍以上に増える見込みだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22645420U7A021C1TI1000/
キヤノン、超大型望遠鏡「TMT」向け分割鏡の加工を開始 2014/11/13 マイナビニュース
キヤノンは11月13日、日本を含めた5ヵ国の協力のもと、米国ハワイ島マウナケア山山頂付近で建設が進められている主鏡の直径が30mにおよぶ次世代巨大望遠鏡「TMT」の主鏡として搭載される分割鏡の日本担当分の加工を開始したことを明らかにした。
なおTMTの建設費は約1500億円で、その内の4分の1を日本が負担する予定で、キヤノンが行う分割鏡の加工のほか、分割鏡の元となるガラス材の生産や望遠鏡本体の設計、製造なども日本の担当になっているという。
https://news.mynavi.jp/article/20141113-a485/
キヤノンの掟―「稼ぐサラリーマン」の仕事術』 プレジデント編集部編 プレジデント社 2004年発行
「大事なこと」はアメリカで学んだ より
御手洗富士夫は生え抜きだが、23年間、アメリカに住み日本で部課長を経験したことがない社長である。
御手洗は、1995年に社長に就任して以来、不採算事業になっていたパソコン事業や、独自路線を取っていたがゆえに事業化できなかった液晶の研究開発から撤退し、さらに、事業部間の壁を取り除くなどして大企業病に陥っていたキャノンを見事に蘇らせた。なぜ、同じ生え抜きながら改革に手を焼いている「並の社長」とは異なり、強いガバナンスを発揮することができたのだろうか。
それは、長い間、遠く離れた地から日本型経営とアメリカ型経営の長所と短所を客観的に比較、分析し、日本に合う理想的な経営とは何かということを考える多くの機会を得ることができたからだろう。さらに、日本企業が構造改革するうえで、もっとも大きな障害となる「しがらみ」と無縁であったことも大きな要因であったのではないだろうか。
アメリカ的なトップダウン型経営者として知られる御手洗だが、自らの歴史は「現場」に刻んできたようだ。
御手洗は61年4月、キャノンカメラ(現キャノン)に入社した。3ヵ月間の研修を受け、最初に配属されたのがレンズの組み立てを行なっていた「組み立て二課」だった。
「私が工場にいた話なんて、うちの連中だって知らないですよ。工場が好きになり、現場主義になったのも、工場で非常に充実した体験をしたからです。帰国してから15年間、毎年欠かさず国内全工場を回っています」
新入社員の御手洗にとってベルトコンベヤーは冷たかった。なかなかその流れに追いついていけない。しかし、3ヵ月もすると鼻歌まじりで、週末のスキーやテニスのことを考えながら作業ができるほど余裕が出てきた。苦痛の日々が楽しい日々に変ったはずの御手洗だったが、なぜか、疑問を抱くようになってきた。
「ベルトコンベヤーというのは、自分がどんなに習熟しても、そのスピードよりも生産性は上がらない。本人の加工技術も、それ以上、向上しないんじゃないか」
その後も御手洗は、この疑問を持ち続けていた。そこで社長に就任すると、すぐに改善案を練り始め、98年に日本メーカーとしては極めて早く全社的にセル生産方式(小規模単位の生産方式)の導入に踏み切ったのだった。現場を経験したからこそ即断即決できた」(御手洗)のである。
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似非アメリカ型ともいえる日本企業の社外取締役制についてもばっさいと切る。
アメリカは流動性が高いですから、役員もどんどん代わっていく。それに、犯罪も多いものだから、お目付け役に客観的な目を持った社外取締役を送り込む制度ができたのです。SEC(米証券取引委員会)の上場基準にすぎず法律に定められているわけではありません。ところが、実際にはお目付け役になっていないのです。なぜなら、CEOは友達を呼んでくるからです。そうしないと自分も再選されません。また、何をしようが全部味方してくれますからね」
日本経団連副会長を務める財界人として、このような発言もさることながら、御手洗経営の本領は、キャノンで実践している実力主義を生かす終身雇用である。つまり、一人たりとも首を切らないが、年功序列は廃し、社内競争原理を最大限に発揮させようとしている。たとえば、40代にして年収は最大、2倍の差がつく。
御手洗を「経営者としてだけでなく、人間として心から尊敬している」と言う損害保険ジャパン社長の平野浩志は、”ミタライズム”の本質に言及した。
「御手洗さんの魅力の源泉を一言で表現するろ”和魂洋才”でしょう。23年に及ぶ在米経験を生かした合理的経営を実践する一方で、社員重視など(和)の精神を忘れてはおられない」