じじぃの「科学・芸術_275_詩集『草の葉』」

Leaves of Grass, Song of Myself 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=raWM1rxyuGM

A Broadway Pageant

A Broadway Pageant - by Whitman Japanese
ホイットマンの書いたサムライ使節の詩
江戸幕府から当時の米軍軍艦と咸臨丸に乗った、万延元年の訪米使節(The Japanese Embassy of 1860)が、派遣された。
咸臨丸はサンフランシスコ湾に投錨し、一行はパナマ鉄道を横断してアメリ東海岸にむかった。首都ワシントンのみでなく、一行はニューヨークの町をおとずれて、パレードに加わった。そのときの様子を見聞した、ウォルト・ホイットマンが、"The Errand-Bearers (使命を帯びた者たち)"との題で書いた詩が、1860年6月27日付の 「ニューヨーク・タイムズ」新聞に掲載されている。
http://www.home.ix.netcom.com/~kyamazak/lit/Whitman/bwayp-j.htm
草の葉 Leaves of Grass 明星大学図書館
●人間のありのままの姿を綴った、アメリカ「自由詩の父」
ウォルト・ホイットマン抜きに、『草の葉』抜きに、アメリカを本当に理解することはできない”といわれたほどアメリカ文学に大きな影響を与えた。
人間のありのままの姿を高らかに綴った本書は、出版当初は性的表現に注目の集まることが多かったが、その後の評価は高まるばかりだった。夏目漱石が紹介して日本でも人気に。ロビン・ウィリアムズ主演の青春映画の名作『いまを生きる』にはホイットマンの詩が多数登場する。
https://www.hino.meisei-u.ac.jp/hlibrary/collections/%E8%8D%89%E3%81%AE%E8%91%89%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3/
『世界文学大図鑑』 ジェイムズ・キャントンほか/著、沼野充義/監修 三省堂 2017年発行
百万の宇宙を前に、冷静で動じぬ魂であれ 『草の葉』(1855年) ウォルト・ホイットマン より
超絶主義運動が盛んだったのは19世紀半ばのアメリカである。知性と思弁の融合が――肉体的特徴と性衝動と自然の賛美と結びついて――詩人ウォルト・ホイットマン(1819年〜92年)やほかの超絶主義作家の作品に見られる特徴になった。
ホイットマンの詩集『草の葉』には「電気を帯びた肉体を歌う」などの作品が収録されている。この詩集で、作者は魂を崇めると同時に自身の願いを明らかにしている。その願いとは、肉体を恥じる思いからアメリカの人々を解放し、平等主義者の本性を育み、人と人の交流を促したいというものだった。「わたし自身の歌」は全人類に捧げる賛辞であり、そのなかで作者は自然の循環にもどった自分自身を想起している。眠りに誘いこむ詩のリズムに乗せて、ホイットマンは喜びに浸る。「わたしは森のそばの土手へ行き、ありのままに裸になろう。/わたしは大気がこの身にふれることを希(こいねが)う」。
ホイットマン歓喜を覚えたのは自然とその循環であり、そこに神がいるのは本人にとって自明のことであった。詩人エマソンとも共通する確信は、人間はまれつき善良であるということであり、これが超絶主義の大きな特徴となった。のちに『草の葉』に収録された「もの静かな辛抱強い蜘蛛」などの詩でも、「果てしたぬ大海のような空間」に神秘的に魅了される思いが示されている。