じじぃの「アメリカドクトカゲの唾液から糖尿病の薬!毒々生物の奇妙な進化」

ためしてガッテン 血糖値を下げたい人へ 〜効果最速の秘策SP〜 動画 pandora.tv
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毒トカゲの唾液から糖尿病の薬

ためしてガッテン 「血糖値を下げたい人へ 効果最速の秘策SP」 2010年12月8日 NHK
12月8日のためしてガッテンでは糖尿病の新薬「インクレチン関連薬」の開発のきっかけとなった爬虫類について紹介していました。その爬虫類とは、アメリカのアリゾナ州の砂漠にすむアメリカドクトカゲ」です。名前の通り毒を持っていますが、インクレチン関連薬にはその毒は関係ありません。関係があるのは、アメリカドクトカゲの血糖値を一定に保つ身体の機能です。

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『毒々生物の奇妙な進化』 クリスティー・ウィルコックス/著、垂水雄二/訳 文藝春秋 2017年発行
トカゲの毒で糖尿病を治療する (一部抜粋しています)
実際には、現在絶滅の危機に瀕しているアメリカドクトカゲは臆病であり、動きのおそい生き物である。昼間は涼しくて湿り気のある地中の巣穴に潜ることを好むし、その毒液はまったく致死的ではない。19世紀の新聞に書かれていたのとは違って、アメリカドクトカゲによる死亡は1例も確認されていないのだ。
他の毒液動物との比較でいっても、人間に対してはほとんど無害で、その毒液の効能は、致死性のある動物のものと比べて、少なくとも100分の1ほどしかない。耐えがたい痛みを与えるだけの毒性があるが、それでも簡単に誰かを殺すようなものではない。
そして今では、当時よりもはるかに多くのことがわかっている。この毒液には、エングによって発見されたエキセンジンと呼ばれる致命化合物が含まれており、これは糖尿病の治療薬の治療法に革命をもたらしたのである。エングが一か八かで毒液を注文したとき、このトカゲとその評判について、彼はあまりよく知らなかった。エングは両生爬虫類学者ではなく、ニューヨーク州ブロンクスの退役軍人病院で働く内分泌学舎だったのだ。
エングは、未知のホルモンを特定する新しい手法を開発したばかりで、それを試したくてウズウズしていた。彼はちょうどこの頃、国立衛生研究所(NIH)の研究者たちが発表した論文を読んでいた。それは実験動物の膵臓を肥大させる毒トカゲのホルモンを発見した、というものだった。これは、インスリンなどの不可欠なホルモンを生産する器官を、その毒液化合物が過剰に刺激していることの証しかもしれなかった。そこで彼は、自分で開発した手法を用いて、毒液ホルモンを発見し、アミノ酸配列を解析しようとした。そこで、それまで誰も存在を知らなかったあたらしいペプチドホルモンを突き止めたのだ。
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トカゲの口から直接採取した天然の分子と区別するため、エキセナチドと名づけられたこの合成分子は、消化とインスリンの生産を促進するグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)というホルモンを摸倣したものである。このペプチドは、血糖値が高いときにのみインスリンの放出を促すので、定期的なインスリン注射と違って、事故による低血糖症、すなわちインスリン量が多くなりすぎることから生じる「インスリン昏睡」が起こらない。
重要なのは、ヒトのGLP-1は、体内で数分のうちにバラバラに分解されてしまう(仕事をする前に消えてしまうため、薬剤としては悲惨である)のに対して、エキセナチドは数時間にわたって効果が持続することだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
図書館から、『毒々生物の奇妙な進化』という本を借りてきた。
随分前、NHKためしてガッテン」で「血糖値を下げたい人へ 効果最速の秘策SP」を観たが、その時に取り上げられていた「アメリカドクトカゲ」のことが書かれていた。
本によると、毒トカゲといっても、ほとんど毒性がないのだそうだ。
アメリカドクトカゲというのがエサを食べても全く血糖値が上がらない。砂漠に棲んでいて、エサにありつく機会が少ない。急にエサを食べたら血糖値がすぐ上がりそうなものだ。
エサを食べたとき、内蔵からインクレチンというホルモンが分泌され、このインクレチンがインスリンの分泌を促すのだそうだ。
今 私は、インスリン注射でなく、この毒トカゲからつくられたという薬を飲んでいる。
生物多様性があるから、こんなこともあるんだ。