じじぃの「科学・芸術_129_スコットランド・運命の石」

The Stone of Destiny 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=EuKLIUrV2XA
ブレイブハート (Braveheart) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mVZ9oyjQ4EA
スコットランド独立?

イングランドエドワード1世とスコットランドの運命の石(イギリス)
スコットランド王国の古都パースのスクーン・パレス(宮殿)には、運命の石(スクーン・ストーン)があった。
統一スコットランド王国初代の王ケネス・マカルピンが運び込んだもの。しかも、代々のスコットランド王はその運命の石(スクーン・ストーン)の上で戴冠するという伝統あるものだった。
そして数百年が経ち、西暦1950年のこと、何者かがウェストミンスター寺院から運命の石 スクーン・ストーンを盗み出したらしい。しかし、その4ヵ月後には発見され、運命の石 スクーン・ストーンはウェストミンスター寺院に戻されたんだそうな。
http://www.europe-z2.com/chusei/ad1296gb_n.html
スコットランドを知るための65章』 木村正俊/著 赤石書店 2015年発行
独立のために戦った英雄たち (一部抜粋しています)
スコットランドの歴史は、隣国イングランドとの対立と抗争の歴史であったともいえる。現在は「連合王国」(UK)の一部をなし、イングランドと一体になっているが、スコットランドではイングランドに対する反感はいまだに根強く、さまざまな面で対立があらわになる。古い時代かられっきとした王国であったスコットランドは、13世紀末にイングランド王国に支配され、それ以後独立のための戦争を繰り返した。14世紀初めに独立を勝ち取ったものの、1707年にはイングランドとの「議会合同」が成り、スコットランドには多かれ少なかれかつての栄光と誇りを失ったと意識する傾向がある。イングランドとの対立の歴史のなかで、強い民族精神をもって独立と栄光を求めて戦った勇士は数多い。そのなかでもとりわけ戦功をあげ、国民から愛国の英雄とたたえられるのは、ウィリアム・ウォレスとロバート・ザ・ブルースの2人である。
ウィリアム・ウォレスは、1270年、ベイズリーの西方約5キロにある小村、エルダーズリーに生まれた。騎士であった父親マルコムの次男で、父親と同じ騎士の道を選んだ。ウィリアムは非常に背が高く、怪力の持ち主であった。戦闘精神が旺盛で大昔にローマ人と戦った赤毛頭のスコットランド人戦士をふうふつさせたと伝えられる。1296年、無能で弱腰なスコットランド王ジョン・ベイリアルがイングランドエドワード1世に敗れて降伏、王は捕えられロンドン塔に収監された。スクーン城の「運命の石」も持ち去られてしまう。スコットランド空位状態となり、事実上イングランドの統治下に置かれる。スコットランドに不満が募り、新しい指導者を求める空気が高まった。この時期にウォレスは反抗者として頭角を現した。
ウォレスがイングランド兵を殺したことで起こった私的な戦いを民衆が指示、その戦いはイングランドへの抵抗運動に発展する。彼は、主としてハイランド人と北東部出身者を集めて大軍を指揮、イングランド軍と戦ってたちまちフォース川以北のすべての要塞を撃破した。彼は、かつてカレドニア人が採用した奇襲攻撃の戦法を用いて次々に勝利したため、イングランド軍は戦意を失った。イングランドとの戦いは、1297年9月11日、スターリング・ブリッジでの戦いで頂点に達する。ウォレス軍は、サー・アンドルー・マリーの援軍とともに、イングランド軍を徹底的に打破し、スコットランドを初の勝利に導いた。これらの功績によってウォレスは騎士に叙任され、スコットランドの執政官に任命された。だが、翌年のフォルカークの戦いでは逆にイングランドに敗れ、執政官職を辞した。1305年から抵抗運動を再開、1305年にグラスゴーで捕らえられ、ロンドンで反逆罪で絞首刑のうえ四つ裂きにされた。
ウォレスの生涯については断片的にしか知られていないが、彼の愛国的な伝記は人々に好まれ、多くの詩人や文学者たちによってたたえられ、神話化された。1869年にはスターリング北方の渓谷沿いにウォレス・モニュメントが完成した。メル・ギブソンがウォレス役を演じた映画『ブレイブハート』(1995)は、大変な人気を呼んだ矢、実像とあまりにもかけ離れているので、歴史家たちから非難を浴びた。
ウォレスの死後スコットランドイングランドの封建的支配に服従させられ、城郭は大半はイングランド人の手に渡ったが、次第にスコットランド人貴族のあいだにイングランド支配を脱し、王権を取り戻そうとする動きが高まった。1306年になって、新しい指導者として現れたのがロバート・ザ・ブルース(ロバート1世)である。彼はロバート1世として王位に就き、長い間イングランドと激烈な戦いを展開し、最終的にスコットランドイングランドから解放した。
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ロバート・ザ・ブルースは、スコットランド独立戦争の英雄として高い信望を集めている。戦地であったバノックバーンにはロバート1世の騎馬像が立っており、近くにはロバート1世が指揮したとみられる場所に記念館が建てられている。