じじぃの「人の生きざま_738_加藤・沢男(体操選手)」

1976モントリオール五輪 男子体操団体で5連覇
 (左から4人目が加藤沢男選手)

加藤沢男 コトバンク より
加藤沢男(かとう・さわお 1946年 - ) 昭和後期 - 平成時代の体操選手,指導者。
昭和21年10月11日生まれ。43年メキシコ五輪から3回連続五輪出場。個人総合で日本人初の2連勝など,金メダル8個の日本人最多を記録。51年モントリオールまでの五輪団体5連覇に貢献。筑波大教授として後進の指導にあたる。新潟県出身。東京教育大卒。

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レジェンド加藤沢男さんが築いた伝統 継承される哲学「6種目やってこその体操」 2016.8.11 産経ニュース
体操男子個人総合で五輪2連覇を果たした内村航平(27)に、喜びもひとしおなのが「体操ニッポン」の黄金期を支えたエース、加藤沢男さん(69)だ。五輪全競技を通じて日本人最多8個の金メダルを持ち、1968年メキシコ、72年ミュンヘン両五輪個人総合を制した加藤さん。その「哲学」は、内村によって改めて示された。
加藤さんと内村がともに口にするのが「体操は全6種目をやってこそ」という考えだ。加藤さんは「どの種目もメダルは同じメダルだろうと思うかもしれないが、個人総合は体操の出発点です」と訴える。内村の快挙に相好を崩す理由だ。
http://www.sankei.com/rio2016/news/160811/rio1608110127-n1.html
夕刊フジ 2017年3月17日号
旬 体操の五輪金メダリストで大学教授を定年で退職する加藤沢男さん より
3月末の定年退職を前に、7年間勤めた白鴎大(栃木県小山市)で最終講義を行った。五輪3大会で日本選手最多の金メダル8個を獲得した偉大な体操選手は、持論である「感覚の運動学」の一端を淡々と語った。
「人間の動きは力学や生理学で分析しきれるものではない。その感覚が分かるのは自分だけ」。独特の感性の持ち主が突き詰めたのは「失敗する練習」だった。ぎりぎりの局面で失敗の体験を重ねることで「プレッシャーに弱かった男」は大舞台が怖くなくなった。
初出場の1968年メキシコ五輪個人総合で金メダルを獲得し、ミュンヘン五輪で連覇を果たした。どの瞬間を切り取っても爪先が伸びた美しい演技と称賛されたが、体操では大きなハンディのO脚と猫背だった。
「それを克服するために人の3倍は練習した」。両膝を内側に絞り込んで延ばす工夫を重ね、常に背筋を伸ばす意識を持ち続けた結果が「世界一美しい演技」に結実。「体操ニッポン」の伝統はリオデジャネイロ五輪で個人総合2連覇の内村航平選手にしっかり受け継がれている。
国際体操連盟の技術委員として最先端の技を追求してきたが。表舞台とは無縁な存在。同じ大学の教授で2年間接したプロ野球日本ハム栗山英樹監督は昨季の優勝争いのさなか、メールで「ぎりぎりの局面では基本に戻ること」とアドバイスされ、勇気づけられたという。今後は「言葉にするのが難しい」人間の動きのコツを著作にまとめる。新潟県出身。70歳。