肺がんの外科治療 岡田守人 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Cc9WheW4WnA
鎖骨下動脈 (miyake-naika.or.jp HPより)
総合診療医 ドクターGペシャル 「がん」 2017年1月25日 NHK
【司会】浅草キッド 【専門家】岡田守人(広島大学病院 医師) 【ゲスト】ジュディ・オング、片岡鶴太郎
日本人の三大疾病にスポットを当てた「総合診療医ドクターGスペシャル」。第2弾は、死因第1位の「がん」。患者は肺に5センチ大の悪性腫瘍が見つかった山本さん(男性・50歳)。
20年続く喫茶店のマスターの山本さん。毎年受けている健康診断を近くの病院で受けたところ、5センチ大の悪性腫瘍が見つかった。
自覚症状は特になく肩が痛かったが、年齢も50なので五十肩だろうと思っていた。
左肺の最上部、非常に危険なところにあるという。1年前には何も指摘されなかったのに…。まだ小学校に入ったばかりの娘もいるのに死ぬわけにはいかない!
ステージはいくつ? 治療は抗がん剤? 放射線? 外科手術で切り取る? 研修医たちは山本さんを助けることができるのか。
http://www4.nhk.or.jp/doctorg/x/2017-01-25/21/34554/2279108/
1月25日、NHK 総合診療医 ドクターGペシャル 「がん」 より
岡田先生、「世界のガイドラインというのがあります」
標準的な治療法が示されたガイドライン。肺がんの血管への浸潤が疑われる山本さんのような場合には、
「切除可能な症例に対しては、術前 化学放射線治療を施した後、外科治療を行う」
と、勧められている。
つまり、外科手術を行って完治を目指すかどうかは医師が切除可能と判断した場合に限られる。
岡田先生、「このガイドラインのポイントは切除可能かどうかの判断です」
水道橋博士、「医師の腕と経験がかなり問われているということか」
岡田先生、「切除可能かどうか、どうすればいい?」
女性医師、「私の腕ではできない」
岡田先生、「だから、複数の医師にかかって意見を聞くというのは重要なのです。若い人は切磋琢磨して技術を上げてもらいたい」
救える患者を1人でも増やすために研究を重ね、技術を磨き続けてきた岡田先生。
岡田先生、「完全切除が大前提ですから、取り残しは絶対避けなければならない」
山本さんのがんは、放射線治療、抗がん剤治療を3ヵ月行った結果、手術可能なまで小さくなっていた。がんが小さくなったことで、今まで五十肩だろうと思っていた肩こりもなくなっていた。
しかし、がんは脳に向かう重要な血管 鎖骨下動脈への浸潤が疑われる。
手術プランを立てる上で見極めなければならない重要なポイントがあるという。
岡田先生、「1番重要なのは大動脈まで浸潤があるかどうかということ」
男性医師、「血管を取り去って、人工血管と入れ換える」
がんが血管に浸潤した部分を取り除き、人工血管に置き換えるためには鎖骨下動脈の血流を遮断しなければなりません。ここで血流をを止めると、鎖骨下動脈から分離して脳幹に向かう重要な血管 椎骨動脈の血流も止まります。
脳幹は呼吸など生命維持に欠かせない機能を司る部位です。
しかし、ここには右側の椎骨動脈からも血液が送り込まれています。そのため、手術のとき左椎骨動脈が短時間とだえたとしても通常は影響はありません。
問題は浸潤が左椎骨動脈にまで広がっている場合です。
岡田先生、「(がんと隣り合わせになっている)大動脈の血流を遮断するとなると、大がかりなことが必要です」
岡田先生、「何か確認しておかなくていけないことは?」
何か大事なことを見落としているのか?
山本夫妻には手術が可能になったことを伝えた。
予定通り、手術を行いましょう。血管への浸潤は手術をしてみないと分かりません。
4日後手術。予定時間は8時間。出血量は200cc。
鎖骨下動脈を撤去する前に何を考えておかなければならないのか?
3人の医師、「脳梗塞のリスク」
脳梗塞・・・脳への血流が滞ることによって、酸素が不足し脳細胞が壊死する病気
女性医師、「(首の周り)椎骨動脈の径によって左右差がある」
岡田先生、「左側が太くて、右側はほとんど10分の1以下」
玉袋筋太郎、「これは病気なんですか」
岡田先生、「生まれつきの先天的な奇形です。それに対する対処は?」
左椎骨動脈に向かう血液が遮断すると、脳幹への血液が滞ってしまう。山本さんは手術中に脳梗塞を引き起こし、そのまま意識が戻らなくなる危険がある。
しかし、遮断しなければ、がんを完全に切除することができない。
岡田先生、「鎖骨下動脈を切除するには、血行遮断が必要」
女性医師、「何らかの形で血行を確保する必要がある」
岡田先生、「どんなふうな。諦めてしまう?」
女性医師、「いいや、諦めてはいけないと思う」
岡田先生、「((バイパス用の)シャントチューブを大動脈に、もう1つを別の動脈に刺して血流を確保して手術をし、人工血管が通ればこれは抜くことができる」
短時間であれば、左椎骨動脈を止めても問題はない。
ドクターGはごくまれな危険なリスクまで想定し、それを確認する検査を行った上で、周到なプランを立てていた。
手術後の山本さん。
喫茶店に来る常連客と、3年後に開催される東京オリンピックのことを話していた。
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どうでもいい、じじぃの日記。
「このガイドラインのポイントは切除可能かどうかの判断です」
最近読んだがん患者の闘病記『いのちに限りが見えたとき』に、こんなことが書かれていた。
「日本の外科医は器用で、メスで切ったところがきれいだ。アメリカの外科医の場合はほとんどが雑で、メスで切ったところが汚い。手術してもがんが散らばってしまうことがある」