じじぃの「科学・芸術_60_ドレイクの方程式」

Drake Equation 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=80Ryq6bH2aY
The Drake equation



フランク・ドレイク ウィキペディアWikipedia)より
フランク・ドレイク(Frank Drake, 1930年 - )はアメリカ合衆国天文学者・天体物理学者。世界で最初の SETIを実施し、また地球外文明の数を推定するドレイクの方程式の提唱者として知られている。イリノイ州シカゴ生まれ。
【ドレイクの方程式】
ドレイクの方程式とは、我々の住む銀河系の中で、コンタクト(接触)することが可能な地球外知的生命体の数を推定するもので、次の式で表される。
 NR*fpneflfifcL
彼は1984年から1988年までカリフォルニア大学サンタクルーズ校自然科学部の学部長を務め、現在は天文・天体物理学の名誉教授となっている。また現在は非営利団体SETI研究所に所属している。
上記のパラメータの値については様々な見解があるが、ドレイクらが1961年に用いた値は以下のようなものである。
N :我々の銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数
 R* :10 [個/年] (銀河系の生涯を通じて、年平均10個の恒星が誕生する)
 fp :0.5 (あらゆる恒星のうち半数が惑星を持つ)
 ne :2 (惑星を持つ恒星は、生命が誕生可能な惑星を2つ持つ)
 fl :1 (生命が誕生可能な惑星では、100%生命が誕生する)
 fi :0.01 (生命が誕生した惑星の1%で知的文明が獲得される)
 fc :0.01 (知的文明を有する惑星の1%が通信可能となる)
 L : 10,000 [年] (通信可能な文明は1万年間存続する)

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『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行
エイリアンの心 (一部抜粋しています)
ワートハイマーに、なぜ宇宙にエイリアンがいるとそんなに確信できるのかと尋ねたところ、彼は、数が自分に味方してくれているのだと答えた。1961年、天文学者フランク・ドレイクは、妥当そうな仮定をすることで、そうした知的文明の数を見積もった。天の川銀河にある恒星の数が1000億というところから始めるとして、そのなかで太陽に似た恒星の割合を見積もる。さらにそのなかで惑星を持つ割合、そのうち地球型惑星を持つ割合などと見積もっていけば、数はもっと減る。こうして妥当な仮定を繰り返していくと、天の川銀河には、高度な文明が1万個あるという推定にたどり着く(カール・セーガンは、別の一連の推定によって100万個という数をはじき出した)。
その後、われわれの銀河系にある高度な文明の数は、はるかに正確に見積もれるようになった。たとえば、恒星が持つ惑星の数も、地球型惑星の数も、ドレイクが当初予想したよりも多いことがわかっている。それでもなお問題が残っている。たとえば地球にそっくりの星が宇宙にいくつあるのかがわかっている。そのうちのいくつに知的生命がいるのかはわからない。地球でさえ、45億年ほどかかってようやく知的生命(われわれ)が沼地から現れた。およそ35億年にわたり、生物は地球に存在してきたが、われわれのような知的生命が登場したのは、今から10万年ほど前にすぎない。だから、地球にそっくりな地球型惑星でも、真に知的な生命が現われるのは非常に難しいのである。
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その答えとして多くの説が提案されてきた、そのひとつは、星々のあいだの距離が長すぎるというものだ。われわれの最も強力な化学燃料ロケットでも、地球から一番近い恒星に到達するのにおよそ7万年かかる。われわれより数千年から数百万年進んだ文明なら、この問題を解決できるかもしれないが、ここで別の可能性もある。もしかしたら核戦争で自滅してしまったのかもしれない。ジョン・F・ケネディはかつてこう言った。「残念ながら、ほかの惑星ではわれわれより科学が進んでいたから生命が滅びたという警句は、あまりにも的確なのです」
だが、最も合理的な理由は次のようなものかもしれない。田舎道を歩いていてアリ塚に出くわたとしよう。アリのところへ行って、「小さな宝石を持ってきたよ。ネックレスを持ってきたよ。核エネルギーをあげよう。君たちのためにアリの楽園を作ってあげよう。リーダーのところへ連れて行っておくれ」と言うだろうか?
きっと言わないだろう。
今度はアリ塚の隣に8車線の高速道路を建設しているとしよう。アリは、工事の作業員がどの周波数で話をしているかを知っているだろうか? そもそも8車線の高速道路が何であるかを知っているだろうか? それと同じように、星々から地球にやってこられるような知的文明なら、われわれより数千年から数百万年進んんでいるだろうし、われわれが彼らに提供できるものなどないのかもしれない。言い換えれば、エイリアンがわれわれに会うためにわざわざ果てしない距離を旅してくると考えるのは、われわれの傲慢なのである。
われわれはきっと、彼らのレーダースクリーンに映っていないのだろう。皮肉にも、銀河系には知的生命が充ち満ちている可能性があっても、われわれは原始的すぎて気づかれないのである。