じじぃの「ハイチのゾンビづくり・テトロドトキシンとチョウセンアサガオ!ゾンビでわかる神経科学」

Voodoo Mysteries | Full Documentary - Planet Doc Full Documentaries 動画 YouTube
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ゾンビ

『ゾンビでわかる神経科学』 ティモシー・ヴァースタイネン、ブラッドリー・ヴォイテック/著 鬼澤忍/訳 太田出版 2016年発行
ハイチのゾンビとナトリウム・チャンネル (一部抜粋しています)
ゾンビをつくる儀式の機能は、問題のある人物を選び出して別の場所に移すことだ。そのために、彼らに自分はもはや魂を支配していないのだと信じ込ませる。こうした形の奴隷制度は、肉体と同じくらい心理を拘束するものだ。ゾンビは鎖につながれて連れ去られるだけではない。自分はすべての自由意思を失ってしまったと本気で信じている。命を落として埋葬された人が、その数週間後、まるで死の淵からよみがえったかのようにハイチの通りを歩いているのを目撃されたという事例がいくつか報告されている。こうした報告はめったにないものの、それらの話は十分に筋が通っているため大学に属する生物学者BBCのジャーナリストといった神秘主義とは無縁な人びとも興味をもちはじめたほどだ。
こうした話は脳とどう関係するのだろうか? そう、民族植物学者のウェイド・デイヴィスの人類学的研究では、ハイチのゾンビづくりのプロセスは神経科学の原理に大きく依存すると仮定されている。とりわけ、人をゾンビにするというヴードゥー教の習慣において、実に興味深いふたつの神経薬理学的物質が利用されているという。テトロドトキシンとチョウセンアサガオだ。テトロドトキシンは多くの動物、とりわけフグの体内で生産される神経毒だ。この毒は、脳内神経のコミュニケーションをつかさどるシステムを損なう働きをする。こうした特性のせいもあり、日本の珍味であるフグを味わうことは、大いに好奇心をそそるとともに実に危険な経験となる。適切に調理していないフグを食べると、死んでしまうのだ。
具体的にいうと、ヴードゥー教の司祭は人を麻痺させるこの特質を利用して犠牲者に毒を盛り、危うく命を落とすような麻痺を持続させ、仮死状態に陥らせる。体からテトロドトキシンが抜け、再び目覚めるまでこの状態がつづく。
ヴードゥー教のゾンビづくりのプロセスを理解するのは、まず神経の働き方についてもう少し知る必要がある。神経は小さな「スパイク」を相互に送りあうことでコミュニケーションをとっている。このスパイク、すなわち活動電位は、とても明快な電気化学的コミュニティのプロセスを反映している。通常、脳内の神経は負に分極している。負に帯電した分子、つまり陽子より多くの電子をもつ分子が、細胞の外側より内側に多く存在するということだ。そして、帯電した分子は実に不均衡を嫌う。
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では、こうした状況でテトロドトキシンはどんな働きをするのだろうか? 正に帯電したナトリウムイオンが通るチャネルを塞いでしまうのだ。テトロドトキシンは基本的に細胞の電気的「防御」を強化するのだが、そのためにみずからを文字どおり門に詰め込み、正に帯電している侵入者が細胞内に入れないようにする。こうして、細胞が活動電位を発生させるチャンスを減らす。
テトロドトキシンがとりわけ有効なのは、肉体の周辺にある筋肉の神経に作用する場合だ。
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亜致死量のテトロドトキシンを投与されると、人体はすぐさまその化学物質を分解しはじめる。最終的に筋肉のコントロールを回復し、正常な状態を取り戻すためだ。だが、ボコール(ヴードゥー教の司祭)は標的とする被害者をよみがえらせるとき、またしても少しばかり神経薬理学を利用する。回復しつつある犠牲者にチョウセンアサガオという植物を服用させるのだ(実際、ハイチでこの植物を指す一般的な名前は、何とも皮肉なことにゾンビのキュウリである)。それによってボコールはふたつの目的を達成する。第1に、チョウセンアサガオは犠牲者の体内に存在するほかのフグ類の分解を加速する。

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どうでもいい、じじぃの日記。
中央アメリカ・西インド諸島のハイチには、「ゾンビ伝説」がある。
ヴードゥー教の司祭が調合した粉末に、「すりつぶした人骨・アマガエル・ヒキガエル・ゴカイ・フグ」が使われたという。
フグ毒(テトロドトキシン)が強力に作用して、なかには仮死状態で埋葬された。
仮死状態を持続させるために、チョウセンアサガオのようなナス科の植物が使われたという。
ゾンビ伝説は、今も生き続けているのである。 ウゥゥーゥ、ウアァァ〜。