じじぃの「科学・芸術_46_ハリー・ポッターの魔法世界・ヘビ」

harry potter vs snake.wmv 動画 YouTube
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Harry Potter Snake

ハリー・ポッターと秘密の部屋』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説 MIHOシネマ
世界的に大ヒットした「ハリー・ポッターと賢者の石」の続編。ホグワーツ魔法魔術学校の2年生になったハリーが、再び開かれた秘密の部屋の謎に迫る。監督は前作に引き続きクリス・コロンバス
空飛ぶ車、移動術、屋敷しもべの妖精、蛇語にマンドラゴラ…など、前作に増して魔法世界の要素が充実していてとてもワクワクしました。
http://mihocinema.com/himitsunoheya-1307
ハリー・ポッターの魔法世界ガイド』 アラン・ゾラ クロンゼック、エリザベス クロンゼック/著、 和爾桃子/訳 早川書房 2001年発行
ヘビ Snake (一部抜粋しています)
ハリーがヘビ語(バーセルタング)を話すとクラスメートに知れたとき、おおかたの者は恐れおののき、さらに悪い疑いを抱きました――本当は闇の魔法使いなんじやないか、と。結局のところ、魔法社会では、ヘビは邪悪と同義語なのです。悪のしもべデス・イーターをみわける闇のしるしは、しゃれこうべの口からヘビの舌が突き出ています。あきらかに闇の魔術の温床スリザリン寮にかかげられた紋章はヘビ。そして、第4巻で再登場するヴォルデモート卿に力を与えたのはペットのヘビ、ナーギニーの毒でした。それでもヘビにまつわる逸話はまだやっと半分くらい。それから、ハリーがしごくたやすくボア・コンストリクターとおしゃべりしたり、もしくは攻撃しようとしたヘビにお行儀よくしろと命じた理由なんかもあります。世界中、いくつもの文化でヘビはもっともあがめられ、悪だけでなく、知恵や、悟りや、癒(いや)しの象徴とされてきました。
人間がヘビに魅了されたのは有史以前にさかのぼるできごとです。最古の絵や彫刻が、岩や洞窟に残っています。ヘビをまつる宗教は、他のどの動物よりたくさんあります。さらに北欧、中央アメリカのアステカ、西アフリカの部族国家では神聖視され、中東、地中海、中国、インドも同様です。インドでナーギニーとはある種のヘビで、いくつもヘビの頭をつけた美女、もしくはヘビのとぐろで巻かれた美女として描かれます。ヘビの毒を含むありとあらゆる危険から身を守ると信じられたこの神聖な生き物とヴォルデモートのヘビは同じ名前なのです。
でも、ヘビは信仰されている土地でさえ、やはり恐れられていました。邪悪でいつわりに満ちたヘビは多くのエジプト神話に登場します。古代エジプトの『死者の書』では、アポピスというヘビの化け物がひんぱんに登場し、怒りっぽく裏切り者の手先と称されます。別名「闇の妖怪」というアポピスは太陽神ラーと絶え間なく戦っており、日ごとの夜明けと日没はラーが敵のヘビを首尾よく打ち負かしたことを示します。北欧神話ではヘビのニードホッグまたの名を恐怖のかじり屋、生命の木ユグドラシルの根元に住みついてつねにその根をかじっており、世界の闇の力をあらわします。西洋最悪のヘビといえば、代表格は何といってもアダムとイブをエデンの園から追っぱらう元凶となった、旧約聖書創世記のヘビでしょう。他にも聖書でヘビは危険と恐怖の象徴としてひんぱんに顔を出し、ユダヤキリスト教文化では悪の象徴とされました。イスラム教徒も人間の堕落の象徴としてヘビを避けています。
でも、悪とこれだけ強く結びつくにもかかわらず、神話、民話、宗教などでは、気高い資質をヘビになぞらえることもしばしばあります。ヘビを恐れるエジプト人コブラを知恵の宝庫と呼びました。
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わたしたちはたいてい、ヘビとかかわりないも同然で、基本的事柄さえあまり知られてないのはそのせいかもしれません。たとえばハリーがヘビに話しかけるという世にもまれな仕事をしたとき、ヘビは外に耳がついてないので、人間やその他はほとんどの動物のように音を聞き取れませんが、音が生みだす振動には非常に敏感です。圧倒的多数のヘビが無害です。2700種にのぼる世界のヘビのうち400種類のみが毒をもち、なかで人間にゆゆしい害を与えるのは50種以下です。でも、多くの人びとがおおむねおとなしいこの爬虫類を非常に恐れ、ヘビの話をしただけでも気を失わんばかりです。
迅速で静かなヘビの動きと、まったく変わらない表情は、謎めいてはかりしれないという評判をいやがおうにも強めています。しなやかですべすべ(でも本当はぬるぬるしていません)。前ぶれなく静かに出没します。多くがシューという音をたて、ふくれあがり、悪臭を放ちます。そしてもちろん、ある種のヘビは猛毒で相手を殺したり、絞め殺したりできるので、ヘビを避ける格好の口実とされています。
多くの人びとに恐れられるので、宝の洞窟、生命の泉、そしてホグワーツ校の秘密の部屋といった重要な場所をヘビが守ることも珍しくありません。このことで、無害にせよ猛毒にせよ、世界の何千という普通の人びとがペットにヘビを飼う説明がつくかもしれません。ヘビの皮が家にあると爬虫類が忍びこむというイギリスの伝統が本当かわかりません。でも、生きたヘビが食堂にいたら、望ましくない客におひきとり願うにはきっと最高でしょう。