じじぃの「科学・芸術_44_無関心・無表情な子ども」

Still Face Experiment: Dr. Edward Tronick 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=apzXGEbZht0
Still Face Experiment: Dr. Edward Tronick

ハンセン病 (blog.canpan.info HPより)

ふれあいの意味 フレデリック大王の実験とネグレクト
ふれあいがなかったらどういうことになるか、それが「フレデリック大王の実験とネグレクト」です。
産業革命後のヨーロッパは捨て子が多くて、それを修道院に入れて修道士が育てました。フレデリック大王はあるとき修道士にマスクをさせて、赤ちゃんが目を見ても一切目を見てはいけない、笑いかけても笑ってはいけない、語りかけてもいけないと、ふれあいを一切しないで赤ちゃんを育てる実験をしたのです。そうしたら、実験が終わらない間に子どもはみんな死んでしまったのです。次は現在の社会で問題になっている虐待の一種のネグレクトです。赤ちゃんがだすサインを一切無視して育てると、子どもは身体も大きくならなければ発達も悪い発育不良になってしまいます。以上の事実からふれあいは子どもが育つ上で非常に大切だということです。
http://www.glico.co.jp/boshi/futaba/no71/con05_05.htm
『封印された科学実験』 科学の謎検証委員会/編 彩図社 2016年発行
人は無関に耐えられるのか ネグレクト実験 (一部抜粋しています)
幼いわが子に暴力を振るったり、暴言を吐いたりするだけが虐待ではない。外から判明しにくい虐待もまた存在する。その一つが「ネグレクト」だ。
育児放棄」という訳語からもわかるように、ネグレクトとは親が育児に関する行為を拒否する虐待である。主に育児ストレスや親の性格の問題で子どもに関心が持てなくなることが原因とされ、食事を満足に与えない、病気に罹っても治療を受けさせないという状況もネグレクトに含まれる。
このような虐待が子どもの餓死・病死につながると、周囲が違和感を抱いて事件が発覚することがある。しかし、食事を与えたり身の回りの世話はするものの、子どもの言動だけに無関心となる「情緒ネグレクト」の場合だと、周囲が気づくのは難しい。
そして仮に両親が子どもの世話をしていたとしても、無関心な態度をとったり愛情を示さなかったりすると、子どもは甚大な悪影響を受けることが、すでに確認されている。しかも、それを証明する実験が、中世ヨーロッパですでに行われているのだ。
最古のネグレクト実験は、12世紀の神聖ローマ帝国を統治したフリードリヒ2世の命令で行われた。
      ・
2007年、マサチューセッツ州立大学ボストン校のエドワード・トロニック博士が、親の無関心が子どもに与える影響を研究するべく、母親たちの協力を得て実験を開始した。
実験は、中世と同じく赤ん坊へ無表情で接してもらい、その反応を見る方法が採られた。すると、赤ん坊は無表情になった親に手足を振って興味を惹こうとし、それでも反応がないと、やがて不機嫌な顔つきになった。そして3分も経たないうちに全員が泣き出したのである。
この他にも、「悲し気な顔をしながら重たい声で話しかける実験」と「わざと視線を合わせず接する実験」を行ったが、結果は同じだった。どの実験でも、普段と違う親の様子に赤ん坊は笑顔をなくし、構ってもらおうと様々な行動をした後に泣き喚いた。
もちろん、死者が出るまで続けられることはなく、体に悪影響が出た赤ん坊は一人もいなかった。赤ん坊には可哀想だったかもしれないが、アメリカの実験によって、親とのコミュニケーション不足が、子どもへの多大なストレスを与えることが判明したのは、大きな収穫だっただろう。
赤ん坊は大人が考えるほど鈍感ではない。生後4ヵ月ほどになると、早くも人の表情から感情を読み取れるようになるが、言葉はまだ理解できないので、相手の情報は表情と声色からしか読み取れない。
そんな状態の赤ん坊に、最も信頼されているはずの母親が無表情で接したらどうなるのか? 相手が自分に何を思っているのか、何をしたいかがわからなくなる。
精神が未発達な赤ん坊が親からの無視に耐えられるはずもなく、すぐに癇癪を起したり、時にはあまりのストレスで病気になることも考えられるだろう。
こうしたネグレクトの影響は赤ん坊に限ったことではない。幼年期に親から愛情が注がれずに心身が不安定になるケースは少なくないし、親に注目されたいという一心で、意識的にしろ無意識にしろ問題行動を繰り返し、人格が捻じ曲がることもあるだろう。そうした事実の一部分が、数百年前の中世に判明していたとは驚きである。