じじぃの「人の生きざま_685_ウォルター・ギルバート(物理学・生化学者)」

マクサム・ギルバート法 (kou.benesse.co.jp HPより)

DNAの塩基配列の決定方法(マクサム・ギルバート法)がよくわかりません。 Benesse
【解説】
図を描き,リード文を読みといてみよう。DNAの特定の1本鎖の片方の端に「印」がついているのだから,小さい(短い)断片ほど印の近くで,大きい(長い)断片ほど印から離れた位置で切断されているはずである(印がない断片はバンドとして見えない)。
http://kou.benesse.co.jp/nigate/science/a13r03bb01.html
ウォルター・ギルバート コトバンク より
ウォルター・ギルバート(Walter Gilbert, 1932年3月21日 - )はアメリカの分子生物学者であり、分子生物学の草分けの1人である。
ボストンに生まれる。ハーバード大学で化学と物理を学び、1953年に卒業し同大学の大学院に進学、ついでイギリスのケンブリッジ大学で1957年博士号を取得した。同年ハーバード大学に戻り、物理学準教授を務めていたが、1960年J・D・ワトソンの影響を受け、専攻を生物学に変更した。1964年から1968年まで生物物理学教授、1969年から1972年まで分子生物学教授を務め、1972年からアメリカ癌(がん)協会の分子生物学教授についた。
1960年代中ごろから生物学の本格的研究に着手した。大腸菌を用いてリプレッサー(遺伝子の作用を抑制する)タンパク質の分離、精製に成功、その性質について研究した。1977年には、F・サンガーの開発した「プラス・マイナス法」とは異なるDNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列決定法を開発した。これはDNAの特定部分を切断する酵素を用いるもので、サンガーの方法より簡単に早く配列を決定でき、共同研究者の名とともにマクサム‐ギルバート法とよばれている。この業績により、1980年にノーベル化学賞をサンガーとともに受賞、DNA組換えの研究によるP・バーグも同時に受賞した。

                          • -

『精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』 立花隆利根川進/著 文春文庫 1993年発行
革命的だったマクサム‐ギルバート法 (一部抜粋しています)
――そのきっかけになるのが、利根川さんたちのイントロンの発見になるわけだ。今にして思うと、イントロンの発見が、遺伝子研究の歴史的転換期になったわけですよね。
「結局このあたりで方法論的な飛躍があって、研究が一挙にすすむようになったことでもあるんです。1つは前に述べたクローニングですね。これによって、真核細胞のユニークな遺伝子(1コピーしかない遺伝子をユニークな遺伝子ともいう)を直接に分析の対象とすることができるようになった。もう1つは、この年、DNAの塩基配列を直接に解読される方法が開発されたことです。サンガー法とマクサム‐ギルバート法と、2つの方法が鬨を同じくして開発され、塩基配列が一つ一つ読めるようになったんです。これまた研究に革命的変化をもたらしたといってよいと思いますね。Rループを作って電子顕微鏡でのぞく方法でも遺伝子の、一とか塩基配列の長さとかは計測可能ですが、その具体的な塩基配列がどうなっているのかなんてことは全然わからなかった。それが全部わかるようになった。これ以降、どんなDNAでも、クローニングして分析してやれば、どこにどんな遺伝子があり、どんな介在配列があるのかということがはっきりわかるようになって、研究がどんどん進むわけです。この功績が認められて、サンガーとギルバートは80年にノーベル化学賞を授けられています」
――それまでDNAの塩基配列を読み取る方法はなかったんですか。
「あることはありました。だけど、とても限られた方法で時間も手間もかかるし、読み取れる配列の長さに限りがありました。それがサンガー法やマクサム‐ギルバート法で革命的に改良された」