じじぃの「人の生きざま_679_栄・和人(日本レスリング協会強化本部長)」

NHKリオ】金メダルのお礼は栄チームリーダーを2度投げ! 川井梨紗子選手 レスリング女子63キロ級 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4yiZ7zEfc2s
栄和人と川井梨紗子

好きになれば責任とる/栄和人監督 2012年7月8日 nikkansports.com
栄和人(さかえ・かずひと)1960年(昭35)6月19日、鹿児島県奄美市生まれ。
相撲、柔道を経て鹿児島商工高(現樟南高)でレスリングを始め、日体大1年まで116戦全勝。83年に全日本フリー62キロ級で初優勝し、同年アジア選手権にも優勝したが、84年ロサンゼルス五輪は赤石光生に敗れ出場できず。同級で87年世界選手権銅、88年ソウル五輪は4回戦敗退。
90年に京樽に入社し、女子レスリング部監督に就任。07年に中京女子大付高教諭に赴任。08年から同大教授。04年から全日本女子ヘッドコーチ、08年から日本協会女子強化委員長。
http://london2012.nikkansports.com/column/coach/archives/f-cl-tp0-20120708-980111.html
週刊現代 2016年9.10号
スキンヘッドの名伯楽・栄和人(日本レスリング協会強化本部長) 「君に金メダルを 鋼の心はこうして作られた」 (一部抜粋しています)
「登坂、川井、土性の3人が金メダルをとれたのも、沙保里(吉田)が私や馨(伊調)に気を遣い、チームを引っ張ってくれたおかげ、沙保里は金メダル以上の銀だと思う」
6階級で金メダル4つに銀メダル1つ。リオデジャネイロ五輪で世界を圧倒した女子レスリング日本代表のマット脇にいた男は、そう大会を総括した。
栄和人 56歳。
初の金メダルを獲得した63kg級の川井梨紗子(21歳)に試合終了直後、マットで投げられたシーンは日本中を沸かせた。銀メダルに終わった吉田沙保里には試合後、静かに寄り添った。代表6人はすべて至学館大学の教え子。閉会式直前のリオで、栄は本誌のインタビューに答えた。
「坂道とか階段で、質・量ともにみなさんが想像もつかないような練習をしています。普段から相当なプレッシャーをかける練習をすることで心が強くなっていくんです」
厳しい追い込みが、今回の五輪で土壇場での強さにつながった。48kg級の登坂絵莉(22歳)は残り2秒でタックルが決まり、逆転。58kg級の伊調馨(33歳)も残り4秒でポイントを獲得。69kg級の土性沙羅(21歳)も残り40秒まで負けていた。
女子代表が練習拠点として使う新潟・十日町の「桜花レスリング道場」の近くの山に、約9kmのランニングコースがある。そこは年配の人なら途中で何度も休まなければ上れない急勾配の坂道が100m続く。リオ五輪直前の7月、代表勢はそこをダッシュし、2人1組で互いに背負って駆け上がった。坂道での鍛錬を終えた後、吉田は思わず「この走りは、これで一生、終わり」ともらしたという。
栄は、選手のご機嫌とりは一切しない。吉田が19歳の頃、全日本選手権で、当時ライバルだった山本聖子に残り数秒で逆転負け。勝った、と確信して油断したことを怒った栄は、戻ってきた吉田の頬を叩いた。
「選手との信頼関係などは一切気にしない」が口癖だが、一方で栄には深い愛情がある。だから目に涙をためて、選手を鼓舞する。
「ちょっと疲れてきました。身体を壊しているんですよ。胃が痛い。病気? いや、プレッシャーをですよ」