じじぃの「人の死にざま_1681_ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(作家・思想家)」

森の生活①.wmv 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=R5WqBLdLnQ8
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの言葉 インクワイアリー
「太鼓の音に足の合わぬ者を咎めるな。その人は、別の太鼓に聞き入っているのかもしれない」
http://www.a-inquiry.com/ijin/692.html
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ウィキペディアWikipedia) より
ヘンリー・デイヴィッド・ソローHenry David Thoreau、1817年7月12日 - 1862年5月6日)は、アメリカ合衆国の作家・思想家・詩人・博物学者。
ウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2ヵ月間送る。代表作『ウォールデン-森の生活(Walden)』(1854年)は、その記録をまとめたものであり、その思想は後の時代の詩人や作家に大きな影響を与えた。
多くの著作に現在の生態学に通じる考え方が表明されており、アメリカにおける環境保護運動の先駆者としての評価も確立している。日本においてもアウトドア愛好家などに信奉者が多い。

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『平和をつくった世界の 20人』 ジュニア新書編集部 岩波ジュニア新書 2009年発行
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー 思慮深い生き方 (一部抜粋しています)
ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、1817年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州にあるコンコードという小さな町で生まれました。「地上でもっとも恵まれた場所で、まさに時代の節目に私は生まれた」とソローは言っています。それはちょうど超絶対主義運動が始まる前のことでした。超絶対主義とは、コンコードとその近郊で始まったある理想主義的な考え方で、個性の大切さ、勇気、自己信頼、そして精神的な自立といった理想を掲げています。
物静かな鉛筆職人の父と奴隷廃止運動をすすめた快活な母との間に生まれたソローは、幼いころはきまじめな子どもでした。彼はコンコード周辺の森を探索するのが好きでそのためにどれだけ時間を費やしたかわかりません。静寂に包まれた美しいウォールデン湖を初めて見たソローは、たちまちそこに住んでみたいという夢に駆られました。いつかその夢がはかない、そこでの生活の記録がアメリカ文学の古典になることなど、幼いソローには知る由もありませんでした。
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ソローの静かな毎日が、ある日さえぎられました。幼児で町にいたとき、彼は突然逮捕され、牢獄に入れられたのです。それは人頭税の支払いを拒否したからでした。そうすることで政府への支持を断ろうとしたのです。政府は奴隷の所有を認め、メキシコと戦争を始めていました。彼は、自分の支払った税金が、「人を撃つために人を雇ったりマスケット銃を買うことに」つながるのが耐えられなかったのです。囚人になったソローは、喜んで自分の処罰を受け入れました。そして友人のエマソンが、「ヘンリー、どうして君はここにいるんだ?」と尋ねたとき、ソローはこう答えました。「なぜあなたはここにいないのですか」牢獄で一夜を過ごしたのち、ソローは母と叔母が彼の同意なしに保釈金を払ってしまったことを知りました。彼は釈放され、何事もなかったように用事をすませてから小屋に戻りました。
2年2ヵ月と2日を過ごし、ウォールデン湖畔での実験は終ったと感じたソローは、自分の主要な発見を報告するため、そこを離れました。彼は記しています。
「この地上でわが身を養っていくことは、簡素に賢く生きさえすれば、苦難どころかむしろ気晴らしである。また、人が自信を持って夢に向かい、思い描いた人生を送ろうと努力すれば、今までの生活では思ってもみなかった成功に出会うだろう」
自分が発見したことを社会に知らせたいと考え、ソローはコンコードにもどり、講演やエッセイの執筆を始めました。ソローの著者『森の生活――ウォールデン』には、彼の森での生活で一部始終と、生活全般にたいする洞察が書かれています。この自然観察者にして哲学者であるソローの『森の生活』執筆の意図は、次のように書かれています。「私は失望の歌を書くつもりはなく、朝の雄鶏のように、止まり木の上で力強く声高々と亡き、隣人の目を覚ますことさえできればよいのだ」『森の生活』は、簡素で自覚を持った生活が自由の喜びに満ちたものであることを賞賛し、読者に「簡素に生きる」ことをすすめました。
個性と独立心の重要性を熱心に説いたソローですが、近隣の住民たちのことも気にかけ、重要な講演を行いました。ソローの最も影響力エッセイの一つ『一市民の反抗』は、抑圧的な政府を批判し、個人の自由を賞賛しています。ソローによると、一市民の反抗とは、不幸な法律に臆(おく)することなく反対を表明し、自分がどうなろうとその結果を喜んで受け入れることで、不正を訴える行為です。このエッセイは、のちに、マハトマ・ガンディやキング牧師のような、非暴力運動の指導者たちに大きな影響を与えました。