じじぃの「人の生きざま_611_アンジェリーナ・ジョリー(乳がん手術・女優)」

とくダネ遺伝子検査特集『子供の能力遺伝子検査』 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=_GqKW9tnfhs

アンジェリーナ・ジョリーいまだ癌におびえる日々「50歳になり安心したい」。 2015年10月17日 エキサイトニュース
このほど人気女優・監督アンジェリーナ・ジョリー(40)が『VOGUE』誌表紙を美しく飾り、手術後の様子などを語った。
2013年の両乳房切除に続き、今年は卵巣・卵管の切除手術も終えたアンジェリーナ・ジョリー。母よりガン遺伝子を受け継いだアンジェリーナは「ガンになる前に」と予防手段としてこれら手術を受け、そのため今は更年期特有の症状もあるというが、6人の子の世話、仕事にと精を出している。
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20151017/Techinsight_20151017_146120.html
『面白くて眠れなくなる遺伝子』 竹内薫著、丸山篤史/著 PHP研究所 2016年発行
遺伝子検査で分かること (一部抜粋しています)
2015年3月、女優のアンジェリーナ・ジョリー(アンジー)は、二度目の手術に踏み切ったことを公表しました。しかし、彼女は、病気ではありません。病気になる前に、手術をしたのです。一度目の手術は、2013年に行っています。
彼女が手術をしたことには理由があります。彼女は、遺伝子検査を受けていて、自分のBRCA1(乳がん感受性遺伝子1)およびBRCA2という遺伝子が変異しているという検査結果を知っていました。その変異を持つアメリカ人女性は、統計学的に87パーセントの確率で将来的に乳癌を発症することが予想されていたのです。
さらに、同じ変異を持つと50パーセントの確率で卵巣がんになることも分かっていました。そこでアンジーは、一度目の手術で、左右の乳房から乳腺を除去していました。乳腺は、赤ちゃんの飲む母乳を分泌する器官です。
一般に、そうした分泌器官は、タンパク質合成(つまり遺伝子発現)が盛んで、他の器官に比べてガン化する可能性の高い組織です。そして、定期健診で卵巣がんの兆候(炎症)を示す検査結果が出たことをきっかけに、彼女は医師と相談を重ね、卵巣と卵管を摘出する二度目の手術を行いました。
摘出した卵巣には腫瘍が見つかったものの、良性であり初期の発見でもあったため、健康には別状はないということです。ただし、卵巣から分泌されていたホルモンが無くなってしまいましたから、今度は、女性ホルモン補充療法を続けなければなりません。いわゆる更年期障害の治療と同じです。
こうした判断について、アンジー自身は、彼女の母親や祖母、そして叔母と、近親者を三人も卵巣がんで亡くしていることが影響していると語っています。おそらく、彼女の持つBRCA1およびBRCA2遺伝子の変異は、家族性(遺伝する病気の原因)だったのでしょう。ただ、彼女自身が述べているように、遺伝子の変異があれば即手術をしなければいけない、ということではありません。あくまで、彼女にとっての選択肢の一つだったのです。
      ・
話を戻します。アンジーが受けたような遺伝子検査は、特別なものでは無くなってきていて、最近ではOTC遺伝子検査とも呼ばれます。OTCとは、Over the counter(カウンター越し)の略で、一般に、処方箋なしに変える医薬品のことを言います。いわゆる薬局や薬店で買える市販薬のことです。
要するに、OTC遺伝子検査は、医者からの指示で行う検査ではなく、民間のサービスということです。こうした敷居の低さは、検査に必要な(消費者側の)手間が、とても少ないことのあります。最もメジャーな方法は、専用の容器に唾(つば)を一定量入れて返送するだけです。容器には、試薬が入っていて、唾に含まれている口腔内粘膜細胞の欠片を溶かし、DNA保存します(これが試料です)。企業は、返送された試料から、必要な検査を行います。