じじぃの「人の死にざま_1500_テイヤール・ド・シャルダン(カトリック司祭)」

Omaggio a Pierre Teilhard de Chardin 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=27AUWgR4OXo
テイヤール・ド・シャルダン の名言集だよー 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9aSzmCfFZ6g
テイヤール・ド・シャルダン

文藝春秋 2015年4月号』
立花隆 「脳についてわかったすごいこと」
ナビゲーター 岡田朋敏(NHKチーフプロデューサー)
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1240
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン ウィキペディアWikipedia)より
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(Pierre Teilhard de Chardin,1881年5月1日 - 1955年4月10日)は、フランス人のカトリック司祭(イエズス会士)で、古生物学者・地質学者、カトリック思想家である。
主著『現象としての人間』で、キリスト教的進化論を提唱し、20世紀の思想界に大きな影響を与える。彼は創世記の伝統的な創造論の立場を破棄した。当時、ローマはこれがアウグスティヌスの原罪の教理の否定になると考えた。北京原人の発見と研究でも知られる。
【批判と意味】
テイヤールは、古生物学と生物進化に関する学識と洞察によって、壮大な科学的進化の仮説を提示した。しかし、テイヤールの進化論は、実証科学の立場より批判を受けた。
実証科学においては、テイヤールの誤謬は明確である。しかし、哲学的ヴィジョンとしては、オメガすなわちキリスト、全知全能の神が、進化の目的であり、進化の極致にあって神が生まれるとの思想は、20世紀にあって独自な思想であった。

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文藝春秋 2015年4月号』●立花隆 「脳についてわかったすごいこと」より
岡田 ラバージ(アメリカの明晰夢研究所所長)によって意識と無意識のあいだの研究は進んだものの、実は意識が脳のどの部分の働きなのか、ハッキリと特定できたわけではありません。17世紀の哲学者デカルトは「我思う、ゆえに我あり」と言いました。でも、「我思う」という意識が脳のどこにあるか、まだわからないのです。
 脳科学者たちが競ってこの難問に挑みましたが、脳のどこを探しても意識を生み出す場所は特定できませんでした。その難問に取り組んで脚光を浴びているのが、番組でも紹介したジュリオ・トノーニ教授(ウィスコンシン大学)でした。彼は脳が、どうやって主観的な意識を生み出すかを研究し、注目を集めています。
立花 アレン脳科学研究所所長のクリストフ・コッホは、彼を意識研究の「救世主」と高く評価していますね。トノーニは私のインタビューでも、「主観的な意識の量は数学的に表現できる」と話し、刺激的な仮説を打ち出したことで注目を集めています。岡田さんはNスぺ「神の公式」のディレクターも務めているから、数学は得意でしょう。彼の理論を説明してもらえますか。
岡田 理論の詳細は大変難しいので、うまく説明できるかどうかはわかりませんが(笑)。大ざっぱに言えば彼の提唱する「総合情報理論」では、意識は脳の特定の分野に存在するのではなく、脳の情報と情報の「つながり」が作るネットワークによって生み出されているとしています。彼は意識の座を求めて、目覚めている時と眠っている時の脳に微弱な電流を流し、意識相関関係を調べました。
立花 コッホと同じように、神経細胞の働きを意識との相関関係を調べたのですね。
岡田 そうです。すると眠っているときになくて、起きているときにあったのが、情報と情報をつなぐ「つながり」でした。この「つながり」を線でつないでいくと、まるで「蜘蛛の巣」のようなものが浮かび上がってきた。そして眠っているときには、この蜘蛛の巣は消えてしまう。彼はこの蜘蛛の巣状に統合された情報こそ意識の正体だと考えました。
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立花 彼の話を聞いていて、フランスの進化生物学者テイヤール・ド・シャルダン(1881 - 1955)の考えと似ていると感じました。日本では忘れられていますが、アインシュタインと同じ年に死んだ時は、ユネスコが「2人の偉人が時を同じくして死んだ」とシンポジウムを開いたほどの大科学者です。
 彼は、カトリックイエズス会の神父でもありました。イエズス会は高度な教育、研究活動を重視していて、日本では上智大学などを作っていますね。シャルダンは、キリスト教の信仰を持ちながら、当時まだローマ法王庁が認めていなかった進化論の専門家となり、北京原人を現地で研究し、名著『現象としての人間』などを物した人です。私は著作集を全巻読んだし、それを元に東大で講義したこともあります。
 彼の研究で一番知られているのが『複雑化・意識化の法則』です。彼が注目したのは、生物進化における「複雑性」という尺度でした。彼は長さや重さといった尺度と同じように、私たちが忘れている重要な尺度として「複雑性」があり、あらゆる生物の長い進化の歴史を見ると、時代が下れば下るほど、神経組織、脳など色々なものがより複雑なものになっていると気が付いた。
 生物はより複雑なものになる過程において、その複雑性がある限度を越すと「意識」が生まれる。その複雑性の頂点にいるのが人間であり、その極点オメガポイントに何が出てくるかというと、それはイエス・キリストの再臨であると。
岡田 イエズス会のお坊さんらしい結論ですね(笑)。複雑になればなるほど、意識を持つようになるという考え方は、確かにトノーニ教授の理論に繋がります。
 トノーニ教授は、意識の大きさをレベルで表現しますが、彼の理論でいうと、例えば犬や猫は複雑で意識レベルが大きい。鳥や昆虫になるとそのレベルが小さくなっていく。彼の理論では、レベルは落ちるものの、単細胞生物にも意識がありうることになってしまいます。