じじぃの「人の生きざま_445_ロジャー・コーンバーグ」

RNAポリメラーゼとは? マルチメディア資料館
生命現象の中でタンパク質は重要な働きをしています。
タンパク質の設計図は遺伝子DNAに存在します。遺伝子DNAに書かれたタンパク質の情報はいったんmRNA(メッセンジャーRNA)に転写された後に、リボソームによってアミノ酸へと翻訳されタンパク質ができます。ここでDNAからmRNAへの転写を行うのがRNAポリメラーゼです。
http://www.nig.ac.jp/museum/OLD-MS/dataroom-x/transcription/01_introduction/index.html
がん遺伝子検査(がんmRNA発現解析検査)について 百合ヶ丘 内科 消化器科 めまい むくみ 肝臓 検査 ふるたクリニック
●がん遺伝子検査(がんmRNA発現解析検査)について
早期発見より早く、微細ながん細胞の発現リスクを測定することが可能で、がんを発症してから治療するのではなく、がんを発症させない予防療法に役立ちます。
特に、微細ながん細胞は、外因性により通常5年〜20年かけて増殖していきます。
このがん遺伝子検査は、がんドックや通常のがん検診でも発見できない極小のがんや、今後がんにかかる可能性や成長性を調べる検査です。
http://www.furuta-clinic.jp/idenshi_gan.html
ロジャー・コーンバーグ ウィキペディアWikipedia)より
ロジャー・デイヴィッド・コーンバーグ(Roger David Kornberg, 1947年4月24日 - )はアメリカの科学者。ミズーリ州セントルイス生まれ。スタンフォード大学教授。2006年、真核生物における転写の研究によってノーベル化学賞を受賞。彼の父で同じくスタンフォード大学教授だったアーサー・コーンバーグは1959年のノーベル生理学・医学賞を受賞している。
1967年ハーバード大学で学士号を取得後1972年スタンフォード大学にて博士号を取得。その後イギリスのMRC分子生物学研究所 (Medical Research Council, Laboratory of Molecular Biology) で博士研究員として研究を行う。1976年ハーバード大学医学部助教授、1978年よりスタンフォード大学教授に就任。全米科学アカデミー及びアメリカ芸術科学アカデミー会員。2006年コロンビア大学よりルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞。

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『現代科学の大発明・大発見50』 大宮信光/著 サイエンス・アイ新書 2012年発行
真核細胞の転写 コーンバーグ (一部抜粋しています)
「DNA makes DNA makes RNA makes Protein makes Money」。これは、もともとワトソンとともにDNAの二重らせん構造を提唱したフランシス・クリックによって使われ、ちょっともじられ、改訂されたもの。文法無視で翻訳してしまうと――DNAはDNAを”複製”し、”転写”されて、RNAが合成され、なかでもmRNAが使われてタンパク質に”翻訳”されて、遺伝子情報が実際に働いて、カネになる。地球上のあらゆる生物において、転写は遺伝子発現の第一段階だ。転写は、RNAポリメラーゼという特殊な酵素がDNA上で塩基-糖-リン酸のヌクレオチドを形成させ、つなぎながら移動し、DNAの情報をRNAに写し取っていく過程である。真核生物では、3種類のRNAポリメラーゼが分担して転写が行われるということだが、1969年に米国のロバート・レーダーらによって発表された。
3種類のRNA型ポリメラーゼはそれぞれPolI、PolⅡ、PolⅢと呼ばれている。最近では、植物だけに特異的に存在するポリメラーゼⅣ(PolⅣ、PolⅤ)が見いだされ、転写を止めるサイレンシングにかかわることが報告されている。これらのポリメラーゼのなかでタンパク質をコードとする遺伝子のすべての転写は、RNAポリメラーゼⅡ(PolⅡ)によって行われている。
生物のゲノムはDNAに刻まれている。ゲノムの中で、1つのタンパク質、あるいは1つのRNAを表現している部分が遺伝子だ。タンパク質を表現している遺伝子は、3つのヌクレオチドを1つのアミノ酸をコードし、表現している。タンパク質をコードする遺伝子はPolⅡによってmRNA、すなわちメッセンジャーRNAに転写される。メッセンジャーRNAはリボゾームという、いわばバイオ工場でアミノ酸の鎖、つまりポリペプチドに翻訳される。この翻訳プロセスは、tRNA、すなわちトランスファーRNAといういわばトラックが、個々のアミノ酸を特異的に結合しているmRNAを運んでこなくては、進行しようがない。
こうした遺伝子発現の第一段階である転写は、原核生物だとわりと単純だが、真核細胞には複雑なメカニズムがある。原核生物の場合、ただ1種類のRNAポリメラーゼが遺伝子たちのすべての転写をになっていて、単独で遺伝子プロモーターの働きをし、転写開始の塩基領域から転写できる。ところが、真核細胞のPolⅡは単独ではダメで、助けが必要だ。転写開始の塩基領域のプロモーターに正確に結合させて活性化する5種の基本転写因子の助けがいる。
PolⅡによる転写には、こうして複雑かつ厳密な制御機構が存在することが予想された。そして予想に応える成果を2000年に発表し、2006年にノーベル化学賞を受賞したのが米国のロジャー・デイヴィッド・コーンバーグである。