消化管ホルモン
Ernest Starling from Wikipedia
Ernest Henry Starling (17 April 1866 - 2 May 1927) was an English physiologist.
He worked mainly at University College London, although he also worked for many years in Germany and France. His main collaborator in London was his brother-in-law, Sir William Maddock Bayliss.
セクレチン ウィキペディア(Wikipedia)より
セクレチン (secretin) は小腸粘膜で合成され、膵臓からの重炭酸塩の外分泌を亢進させる消化管ホルモンである。塩酸を含むため酸性を帯びた粥状液が胃から送られてくることによって十二指腸の pH が低下すると分泌される。27個のアミノ酸からなるペプチドホルモンであり、そのうち14個はグルカゴンと同じ配列を持つ。
1902年、血液によって運搬されて生理学的効果を及ぼす基質として初めて同定された。この種の基質は「ホルモン」と名づけられ、セクレチンは最初に発見された1つとなった。ホルモンの語はウィリアム・ベイリス (William Bayliss) とアーネスト・スターリング (Ernest H. Starling) によって作り出され、この種の伝達物質を分類するのに用いられた。
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『からだの中の外界 腸のふしぎ』 上野川修一/著 ブルーバックス 2013年発行
「消化管ホルモン」の発見 (一部抜粋しています)
イギリスの研究者、W・Mベイリス(1860〜1924年)とE・H・スターリング(1866〜1927年)は、腸に出入りする神経を切断し、その腸に塩酸をふりかけた後、この部分から成分を抽出して静脈に注射した。その結果、膵臓から液汁が放出されることを発見したのである。彼らは、この現象が起こるのは、腸から抽出した成分に膵液を放出させる物質が含まれているためであると考えた。
この実験こそ、最初の消化管ホルモンの発見につながり、ホルモンという名を誕生させるものだった。2人が見つけたのが「セクレチン」で、重炭酸塩の放出を導くなどの作用をもっている。セクレチンの発見をきっかけとして、次々と消化管ホルモンが見つけられた。1928年にアメリカのA・C・アイヴィーによって発見された、膵液中に酵素を分泌させり「コレシストキニン」などがある。
ベイリスとスターリングのセクレチンの発見は、消化管だけにとどまらず、体内におけるさまざまな生理作用の調節が行われる仕組みを明らかにするうえで、偉大な業績であった。
なぜなら、1902年に「セクレチン」を発見した彼らは、わずか3年後の1905年に、同種の作用をもつ物質の総称としての「ホルモン」という名称を公表しているからだ。セクレチンという個別の物質の発見者であると同時に、その性質を一般化してホルモンの名付け親になるという2つの偉業を成し遂げた意味は大きい。その後の歴史において、ホルモンの仲間である超微量物質が、脳をはじめとするする各部位から次々に発見され、からだの調節になくてはならない存在として注目されるようになったことが、何よりの証左だ。