じじぃの「人の死にざま_1363_オスヴァルト・シュペングラー」

オスヴァルト・シュペングラー - あのひと検索 SPYSEE
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シュペングラー著 「西洋の没落」

オスヴァルト・シュペングラー ウィキペディアWikipedia)より
オスヴァルト・アルノルト・ゴットフリート・シュペングラー(独: Oswald Arnold Gottfried Spengler、1880年5月29日 - 1936年5月8日)はドイツの文化哲学者、歴史学者
アメリカ合衆国、ロシア(ソ連)といった非ヨーロッパ勢力の台頭を受けて書かれた主著『西洋の没落』(Der Untergang des Abendlandes) は、直線的な考え方である当時のヨーロッパ中心史観・文明観を痛烈に批判したもので、その影響は哲学・歴史学・文化学、芸術など多方面に及んだ。

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『日本人が知らない世界と日本の見方――本当の国際政治学とは』 中西輝政/著 PHP文庫 2014年発行
幻滅の20世紀 (一部抜粋しています)
いま問題になっている議論はすべてといってよいほど、19世紀末から20世紀初頭、1890年頃から1920年頃までの30年のあいだに浮上しているといってよいでしょう。
人間の世代は、俗に「1世代30年」といいます。この30年ぐらいで、いろいろな新しい思想や人間の考え方、たとえば資本主義がいいのか悪いのか、市場経済はどのような問題を持っているのか、金融の働きは市場経済にどのような意味を持つのか、戦争と平和の問題と軍備の問題はどう関わるのか。階級が違うと人種が違うよりも大きな収入差や格差があるのはなぜか、あるいは男と女の関係、ジェンダーとは何か、といった疑問まで、実は100年前のこの時代にすべて生まれているといえるでしょう。
社会科学のような人間の本質を考える学問、フロイトユングの心理学、そして自然科学ではアインシュタインの相対背理論も、ハイゼンベルク量子力学も、全部この時代のものです。端的にいってこれ以後新しい学問は何も生まれれいません。核兵器の原理も、このときにできました。宇宙生誕の原理もわかった。数学もおおむね究(きわ)め尽くし、非ユークリッド幾何学ができて空間の歪みの問題や、人間の認識できる科学の限界という考えが出てきます。
マルクスレーニンの重要な著作も、ほとんどこの時代のものですし、マックス・ウェーバー近代経済学アルフレッド・マーシャル新古典派経済学も、この時代で終わっています。文明の衰退論や衝突論を論じて大ベストセラーになったシュペングラーの『西洋の没落』が著されたのも1918年で、ヒトラースターリンはこの本を読んでいます。
つまりコミュニズムファシズムもこの時代に用意されたもので、いまのウォール街サブプライムローンにまつわるような問題も、マルクス主義の立場からですが、ヒルファーディングの『金融資本論』に余すところなく書かれています。
この時代以後に初めて登場した、新しいものがあるとしたら「幻滅」つまりニヒリズムでしょう。19世紀末から20世紀初頭の時代は、まだ人間に夢を持っていました。人間は素晴らしいもので、西洋文明の未来は輝かしいものと思っていた。ところが20世紀を通じて、そうした希望は失われた。第一次世界大戦の経験ですでに大きく失われつつありましたが、その後、人類はファシズムホロコーストを経験します。当時の人は、まだこれらを知りません。近代文明が極致にまで発展すると、種としての人間そのものを自ら絶滅させようとする衝動が人間の内面から現れてくる。シュペングラーはそういう暗い面に気づくです。