じじぃの「脳死と心臓死の話・ポーの小説・ヴァルドマル氏の病症の真相!すごい話」

the facts in the case of Mr. Valdemar 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=QZ3RmUUqIzQ
The Facts in the Case of M. Valdemar 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=sWCHdaiEA30
The Facts in the Case of Mr.Valdemar Google 検索
https://www.google.co.jp/search?q=The+Facts+in+the+Case+of+Mr.Valdemar&rlz=1C1CHPO_jaJP580JP580&espv=210&es_sm=93&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=T9crU8qyEoP7kAXIhYGwCg&ved=0CCcQsAQ&biw=1034&bih=561
児童書 『「小学生までに読んでおきたい文学」全6巻』松田哲夫 2013.11.10 MSN産経ニュース
10月末にまず出たのが第5巻『ともだちの話』と第6巻『すごい話』。星新一ショートショート「友だち」、グリム童話「ねずみと小鳥とソーセージ」(池内紀(おさむ)訳)をはじめ、中島らも、ヘッセ、タゴール芥川龍之介(「杜子春」)、ポーなどの短編を収録している。いずれも“児童書”という枠に閉じ込めてはもったいない、選(え)りすぐりのお話ばかり。巻末の編者解説も読書心をそそる。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131110/bks13111010020004-n1.htm
Simple man simple dream
エドガー・アラン・ポーのあまり知られていない短編に『ヴァルドマル氏の病症の真相』という作品がある。読み終えたあと、かたづかない気持ちになる不思議な味の恐怖小説である。「世界で一番恐い話」だという人もいる。そのお話をご紹介したい。
http://www.tatsuru.com/columns/simple/17.html
『小学生までに読んでおきたい文学 6 すごい話』 松田哲夫/著 あすなろ書房 2013年発行
ヴァルドマル氏の病症の真相 エドガー・アラン・ポー 冨士川義之(訳) (一部抜粋しています)
この3年間というもの、私の注意は催眠術の問題に繰り返し惹きつけられていた。そして、9ヵ月ほど前のことだが、これまで行われてきたかずかずの実験には、ある注目すべき、きわめて不可解な手落ちがあっとということに、突如として気づいたのであった――つまり、瀕死の人間に催眠術を施した例はいまだにないということに、である。何よりまず、そういう状態にある患者に果たして催眠術がかかるかどうか、第2に、仮にかかるとしても、それは、瀕死の状態によってききめが弱まるのか、それとも強まるものなのかどうか、第3に、催眠術をかけることによって、「死」の侵入を、どの程度まで、あるいはどれくらいの期間、押えることができるのかどうか――こういった事柄はいまだ確かめられていないのである。そのほかにも突きとめるべき点が色々あったが、以上の問題がわたしの好奇心を一番かきたてたのだった――とりわけ最後の問題は、その結果がおそろしく重大なだけに、なおのことである。
このような事柄を細かくためすための被術者を身近に探し求めていたとき、わたしは、友人のアーネスト・ヴァルドマル氏を思いついた。氏は『弁論術叢書』の名高い編纂者であり、(アイザッカー・マルクスという筆名を用いて)「ヴァレンシュタイン」と「ガルガンチェア」のポーランド語版を著した人である。
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結核とは別に、大動脈の動脈瘤の疑いもあった。しかしこの点に関しては、骨質化の症状があるため、正確な診断をつけることは不可能だった。2人の医師の意見では、ヴァルドマル氏は明日(日曜日)の真夜中ごろ死亡するだろうということだった。この話を聞いたのは、土曜日の夜、7時であった。
わたしと話し合うために病人の枕元を離れるときに、D**とF**の両医師は患者に最後の別れを告げていた。彼らはもう戻って来るつもりはなかったのだが、私の強い要望で、翌日の夜10時ごろ患者を見まいに訪れることに同意した。
2人が立ち去ってから、わたしは、迫りつつある彼の死の問題や、とりわけ、わたしが提案した実験の問題について、ヴァルドマル氏と遠慮なく話し合った。彼は、自分は喜んで被験者になるつもりだし、やりたくてうずうずしているくらいふだとさえ打ち明けて、いますぐにでも始めてくれとわたしをせきたてるのだった。
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われわれがついに、彼を覚醒させる実験、あるいは彼を覚醒させようと試みる実験を行うことを決心したのは、先週の金曜日のことである。そしてこの実験の(おそらく)不幸な結果が、色々なところで内々に数多くの論議の的――不当なものとわたしは思わざるを得ない、世間一般の感情を生み出したのである。
ァルドマル氏を催眠状態からさますために、わたしは例のごとく手を動かした。これはしばらくのあいだうまくいかなかった。覚醒の最初のしるしは、眼球の虹彩が若干下にさがったことであった。とくに注目すべきは、瞳がこのように下にさがるのに伴って(目蓋の下から)鼻をつくきわめて不快な悪臭を放つ、黄色っぽい膿汁がおびただしく流れ出たことである。
患者の腕を前と同じように催眠術で動かしてみたらどうかと誰かが言い出したので、やってみたが、うまくいかなかった。そのときF**医師がわたしに、何か質問してみてほしいとほのめかした。そこでわたしは、次のような質問を行った。
「ヴァルドマルさん、いまどういう気持ちでいるのか、何を願っているのか、説明していただけませんか?」
ふたたび両頬に、あの消耗熱紅潮がすぐに戻ってきた。(両顎と唇は相変らず硬直したままだったが)口のなかで舌が震え、というよりむしろ、激しく回転し、ついに、すでに述べたような、あの恐ろしい声が不意に洩れ出てきた。
「後生(ごしょう)だ!――早く!――早く!――眠らせてくれ――でなければ、目覚めさせてくれ!――早く!――わたしは死んでいるんだぞ!」
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どうでもいい、じじぃの日記。
図書館の中で新刊書コーナーを覗いてみたら、松田哲夫 著『小学生までに読んでおきたい文学 6 すごい話』という本があった。
小学生までに読んでおきたい文学か、少しは自分が読んだ本があるのかな、とパラマラめくってみた。
芥川龍之介の『杜子春』は確か、読んだな。後は知らない小説だ。
ポーの短編小説『ヴァルドマル氏の病症の真相』というのが載っている。もうすぐ死ぬ人間に催眠術をかけたらどうなるのだろう、という小説のようだ。
身体が死んでいるのに、脳が生きている、という話につながるのか。もしかしたら、死ぬ前の人間に再生医療をしたらどうなるか、という話にまでつながるのだろうか。
結末はこれでだいたい、想像がつくのかもしれない。