じじぃの「人の死にざま_1175_O・マイヤーホフ」

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オットー・マイヤーホフ ウィキペディアWikipedia)より
オットー・フリッツ・マイヤーホフ(Otto Fritz Meyerhof、1884年4月12日 - 1951年10月6日)はドイツ生まれの生化学者、医師。
【生涯】
マイヤーホフはユダヤ人の裕福な両親の息子として、ハノーファーに生まれた。
1912年、彼はキール大学に移籍し、1918年に教授となった。1922年、彼は筋肉における乳酸生成と代謝の研究でアーチボルド・ヒルとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。1929年から1938年まで、彼はマックス・プランク医学研究所に勤めた。1938年にはナチスから逃れるためにパリに渡り、1940年にアメリカ合衆国に移住してフィラデルフィアペンシルベニア大学客員教授となった。
マイヤーホフは67歳の時、心臓発作によりフィラデルフィアで亡くなった。

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『栄養学を拓いた巨人たち 「病原菌なき難病」征服のドラマ』 杉晴夫/著 ブルーバックス 2013年発行
「乳酸学説」の成立と崩壊 (一部抜粋しています)
動物の身体の大部分は筋肉であり、力と仕事は筋肉のはたらきで生みだされることはいうまでもない。したがって筋肉は、古くから生化学の主要な実験対象であった。筋肉が仕事エネルギーを発生するまでには、いったいどんな物質が関与しているのだろうか。多くの研究者がこの問いに挑みつづけてきた。
リービッピは筋肉中のタンパク質が分解して、筋収縮のエネルギー源になると考えた。だが、この考え方はウィスリッェーヌスらのアルプス登山実験で否定された。その後は、エネルギー源の本命と思われる物質は、次第に糖質に絞りこまれてゆく。
クロード・ベルナールは、消化管から取り込まれたブドウ糖が肝臓でグリコーゲンとなり、グリコーゲンは肝臓で分解されてブドウ糖になり、血液中に放出されることを発見した。さらにベルナールは、筋肉中にある「乳酸」の起源がグリコーゲンであることを示した。
ここで時代は10世紀から20世紀に入る。ケンブリッジ大学生理学者ワルターフレッチャーは20世紀の初頭、当時の生理学者の間で噂になっていた話の真否を確かめようと思い立った。それは、カエルの体から分離した筋肉が収縮を繰り返して疲労すると、筋肉に乳酸がたまってくるらしい、というものだった。
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マイヤーホフは1884年、ドイツのハノーバーで商人の子として生まれた。ハイデルベルグ大学で医学博士の学位をとり、精神科の医師となったが、生化学者ワールブルグの勧めで生化学者に転身した。キール大学に勤務していた1919年から1922年の間、彼は立て続けに次の発見をなしとげた。
(1)カエルの筋肉に生成される乳酸の供給源は肝臓のグリコーゲン(ブドウ糖)である。
(2)乳酸の生成量は、筋肉がした仕事の量に比例する。
(3)酸素中では、生成された乳酸の大部分はもとのグリコーゲンに戻る。
つまり、肝臓のグリコーゲンから筋収縮という仕事によって筋肉中に供給された乳酸は、血流で肝臓に戻り、グリコーゲンに合成される。そしてブドウ糖に分解され、血流で筋肉に戻されるということになる。
ポプキンスはマイヤーホフの論文を読んで感銘をうけ、教室員にマイヤーホフの実験を追試させた。そして、自分が以前にフレッチャーとおこなった研究が発展をとげた(実はとげていないのだが)ことに感激した。彼はさっそくマイヤーホフとヒルノーベル生理学・医学賞選考委員会に熱烈に推薦し、両人は翌1922年、ノーベル賞を受賞した。
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1929年、マイヤーホフはハイデルベルグに新設されたカイザー・ウィルヘルム生理学研究所所長に任命された。
ハイデルベルグに移転してまもない頃、マイヤーホフは一通の手紙を受け取った。差出人はコペンハーゲンの若い生理学者アイナー・ルンズゴールであった。その内容は、マイヤーホフにとって驚くべきものであった。
「カエルの筋肉にモノヨード酢酸を加えると、乳酸の生成がなくても筋肉は収縮を続ける」
手紙にはそう記されていた。もしこれが事実なら、乳酸学説ではまったく説明することができない。マイヤーホフにとって、ノーベル賞を受賞した根拠さえ揺るがされる重大な内容だった。
だが、このときのマイヤーホフの対応は実にフェアであり、適切であった。彼はハイデルベルグにルンズゴールを招き、目の前で実験をおこなわせ、彼の実験結果が正しいことを確認したのである。
実は解糖系とは、ブドウ糖(C6H12O6)を全部で11段階の化学反応によって、ピルビン酸(CH3COCOOH)に分解する過程である。ピルビン酸はATPを産生するクエン酸回路に入り、ここで完全燃焼して炭酸ガス(CO2)と水(H2O)になる。ただし、ピルビン酸がクエン酸回路に入るためには、酸素を必要とする。
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ルンズゴールが用いたモノヨード酢酸には、ピルビン酸が乳酸に変化する反応を阻害するはたらきがある。筋肉に乳酸の蓄積が見られなくなったのはそのためである。
彼がマイヤーホフに示した実験によって、乳酸学説は完全に崩壊した。そもそも不完全な実験系で得られた錯誤の産物なのだから、それは当然の運命であった。
以後、筋肉のエネルギー源に関する研究のドラマは、ATPの発見や、ミトコンドリア内で起こるクエン酸回路の発見などをめぐって展開してゆく。

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