じじぃの「人の生きざま_248_F・エングレール」

Francois Englert 画像
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/ea/Francois_Englert.jpg/155px-Francois_Englert.jpg
フランソワ・エングレール博士とピーター・ヒッグス博士 画像
http://i.usatoday.net/tech/_photos/2012/07/04/New-particle-consistent-with-God-particle-981Q5H1G-x-large.jpg
Higgs boson

ヒッグス粒子ノーベル賞=提唱の英教授ら、物理学賞 2013/10/08 時事ドットコム
スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2013年のノーベル物理学賞を、万物に質量を与える「ヒッグス粒子」の存在を提唱した英エディンバラ大のピーター・ヒッグス名誉教授(84)とベルギーのブリュッセル自由大のフランソワ・エングレール名誉教授(80)に授与すると発表した。ヒッグス粒子を発見したスイスの欧州合同原子核研究所(CERN)の実験には、多数の日本人研究者が貢献した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013100800904
ヒッグス粒子は宇宙の謎を解く 「神」の見えざる手、ILCで解明へ 2012.8.5 MSN産経
ヒッグス粒子の発見は宇宙の謎の重要な扉を開いたが、それは現代の素粒子物理学の枠組みである「標準モデル」での話。今後、別の新たな素粒子の発見の可能性もあるとされており、宇宙の深遠を感じずにはいられない。
神の素粒子ヒッグス粒子」を予言した英国の物理学者ピーター・ヒッグス博士。談笑するベルギー物理学者、フランソワ・エングレール博士(左)と、CERNのロルフ・ホイヤー会長(中央)=7月4日、スイス・CERN
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120805/wlf12080516300014-n3.htm
Francois Englert Wikipediaより
Francois Englert (French: [born 6 November 1932) is a Belgian theoretical physicist. He is currently affiliated with the Institute for Quantum Studies at Chapman University in California. He was awarded the 2010 J. J. Sakurai Prize for Theoretical Particle Physics (with Gerry Guralnik, C. R. Hagen, Tom Kibble, Peter Higgs, and Robert Brout), the Wolf Prize in Physics in 2004 (with Brout and Higgs) and the High Energy and Particle Prize of the European Physical Society (with Brout and Higgs) in 1997 for the mechanism which unifies short and long range interactions by generating massive gauge vector bosons. He has made contributions in statistical physics, quantum field theory, cosmology, string theory and supergravity.

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ヒッグス粒子とはなにか? 素粒子物理とヒッグス粒子の世界を追う』 ハインツ・ホライス、矢沢潔/著 サイエンス・アイ新書 2013年発行
ついにヒッグス粒子に近づいた人々 (一部抜粋しています)
イギリスの理論家ピーター・ヒッグスは到着したばかりの科学雑誌を見て南部の記事に目を止めた。ヒッグスはそのときの記憶を、2004年に科学雑誌フィジクス・ワールドから受けたインタビュー――そのタイトルは「ボソンの背後にいる男」というものだった――のなかで次のように語っている。
「(そこでは)自発的対称性の破れというアイデアが、初めて粒子が質量を獲得する方法として記述されていたのです」 「いまこの文脈では私の名前が広がっていますが、そもそもフェルミ粒子がどうやって質量をもつかを示したのはナンブなのです」
1929年生まれのヒッグスは、質量のない粒子というアイディアに出合う前の年にエディンバラ大学教授となった。当時、質量のない粒子に刺激を受けたのは彼だけではなかった。この問題には3グループ6人の理論物理学者がほぼど同時に、そしてそれぞれが独立に取り組んでいた。
彼らのうち最初に論文を発表したのはブリュッセル自由大学の2人のベルギー人理論家、1932年生まれのフランソワ・エングレールと1928年生まれのロベール・ブルーである。彼らの論文は1964年8月に発表され、その2ヵ月後にヒッグスの論文が続いた。
そして同年11月には第3の論文が3人のチーム――1936年生まれのアメリカのジェラルド・グラルニクおよび1937年生まれのC・R・ヘイゲン、それに1932年生まれのイギリスのトム・キッブルによって発表された。
ロベール・ブルーは2011年に死亡したが、ほかの5人は2012年末のいまでも存命で、2012年7月4日のセルンにおけるヒッグス粒子”おそらく発見”の報告会場に招待された。そして何人かがセルンの報道部のインタビューを受けた。
このときエングレールは、1964年の彼らの論文について次のようにコメントしている。
「われわれは量子力学を使ってあの理論を定型化したのです。これをやったのはわれわれが最初でした。それからヒッグス教授が古典力学によって同じことをやった。これらの研究はそれぞれがきわめて相補的でした。というのも、両方を比較することでこの理論の組み込み可能性がどんなものかを真に理解できるからです」
さらなる説明を求められたエングレールは、「それはとてもむずかしくここで説明はできません」と答えたものの、彼らの理論は「以前はまったく不可能だった実験の結果を予言することができたのです」とつけ加えている。
またアメリカからやってきたジェラルド・グラルニクは次のように語った。
「われわれは、ナンブが最初にもち込んだ対称性の破れというアイデアを追求したのです。……問題は、対称性の破れをどうやって電磁場のようなモデルにあてはめるかということでした。……もし対称性の破れによってそのモデルの解を探し求めると、答えは質量のない粒子になってしまう。そこでわれわれが示したのは、スカラー場と結合した電気力学のように見えるモデルでした。そのモデルはまったく別の解をもたらしたのです。
それらはもとのモデルの対称性の破れから生じたものではあるものの、そこには質量のないボソンは存在しなかった。驚いたことに、通常の理論では質量のない粒子とはフォトンだが、その粒子が質量を獲得した――それがいまヒッグス粒子として知られているものなのです」