じじぃの「人の生きざま_235_エリザベス・ブラックバーン」

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Telomere Replication 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=AJNoTmWsE0s

クローズアップ現代+ 「生命の不思議“テロメア” 健康寿命はのばせる!」 2017年5月16日 NHK
【キャスター】武田真一 【ゲスト】石川冬木(京都大学大学院教授)、石川善樹(予防医学研究者・医学博士)
老化を防ぎ、若さを保ちたい。そんな願いをかなえると注目されている研究がある。
ノーベル賞生物学者ブラックバーン博士らによる「テロメア」研究だ。染色体の端にあり細胞分裂のたびに短くなるため、年とともに縮むと考えられていたテロメア。ところがテロメアを伸ばして細胞から若返る方法があり、がんを防げる可能性もあるというのだ。それは日常で実践できる生活習慣。最新の研究から健康寿命を延ばす秘策と命の神秘に迫る。
ノーベル賞受賞者ブラックバーン博士が書いた本『細胞から若返る! テロメア・エフェクト』が今年、発売された。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3974/index.html
テロメア ウィキペディアWikipedia)より
テロメア (Telomere) は真核生物の染色体の末端部にある構造。染色体末端を保護する役目をもつ。Telomere はギリシア語で「末端」と「部分」から作られた語である。末端小粒とも訳される。
テロメア配列とテロメラーゼの同定】
テロメア塩基配列は、1978年にエリザベス・H・ブラックバーンとJoe Gallにより、単細胞真核生物のテトラヒメナを用いた研究で最初に明らかにされた。ブラックバーン、キャロル・W・グライダー、ジャック・W・ショスタクは、テロメアとテロメラーゼ機能の研究から、2006年にアルバート・ラスカー医学研究賞、2009年にノーベル生理学・医学賞を共同受賞している。
テトラヒメナは大核と小核をもち、大核では染色体の増幅が起きているため、一つの細胞あたり4万を超えるテロメアが存在している。そのため、テトラヒメナはテロメア解析のモデル生物として適していた。テトラヒメナから抽出したDNAを電気泳動すると、テロメアは他の染色体領域とは異なる挙動を示すことを手がかりに単離され、配列決定が行われた。この生物のテロメア配列は TTGGGG(T: チミン、G: グアニン)が反復したものだった。この配列をもつ人工染色体は、異なるテロメア配列をもつ出芽酵母でも機能することがわかった。
その後テロメアを合成する酵素テロメラーゼ が、ブラックバーンの研究室においてテトラヒメナを用いた研究で発見されたことにより、染色体の古典的な「末端複製問題」が解決された(1985年)。
エリザベス・H・ブラックバーン ウィキペディアWikipedia)より
エリザベス・H・ブラックバーン(Elizabeth Helen Blackburn, 1948年11月26日 - )は、生物学者。テトラヒメナからテロメア配列を同定し、テロメアを伸長する酵素・テロメラーゼを発見した業績で知られる。2009年、ノーベル生理学・医学賞受賞。

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『現代化学の大発明・大発見50』 大宮信光/著 サイエンス・アイ新書 2012年発行
テロメアの発見 ブラックバーン、グライダー、ショスタク (一部抜粋しています)
2009年のノーベル生理学医学賞は、細胞の老化やがん化にかかわる染色体の末端にある「テロメア」と、それをつくる酵素(テロメラーゼ)の機能を発見したカリフォルニア大学サンフランシスコ校のエリザベス・ブラックバーン教授、ジョンズ・ポプキンス大学のキャロル・グライダー教授、ハーバード大学のジャック・ショスタク教授の3氏に授与された。テロメアが染色体と細胞を老化から保護する仕組みを解明したことが高く評価されたのだ。自然科学分野で女性2人が同じ賞を受賞するのは、ノーベル賞の歴史上はじめてのことであった。
最年長のブラックバーンは、メルボルン大学を卒業すると英国のケンブリッジ大学に進学し、その後、ポスドクとして米国の名門イエール大学で2年間、繊毛中テトラヒメナにおけるミニ染色体のテロメアの研究をした。DNA二重らせんを発見した1人であるワトソンが、DNAの末端を維持するための複製におけるテロメアの重要性を強く訴えていたからだ。
DNAにはみずからを複製し、次世代へと自分を引き継いでいく役割がある。DNAが複製されるのは細胞が分裂するときで、まず、DNAの二重らせんがほどけていく。ほどけるにつれ、DNAポリメラーゼという、いわば特殊技能をもつ酵素の作業者が立ち働いて、それぞれの鎖に新たな塩基を結合させていき、もととまったく同じ2本のDNAをつくっていく。
この酵素がDNA二重らせんという建物の複製を始めるには足場が必要で、DNAビルに短い核酸の断片を足場として結合させなければならない。その短い核酸の断片の足場を「プライマー」という。プライマーはRNAやタンパク質から供給され、DNAの配列そのものとはまったく関係ない。DNAが複製され始めると足場は無用とばかり、ただちに控訴によって分解され解体されてしまう。その際、プライマーが結合していた部分の配列情報は複製されない。そのため、もとの鎖より新たな鎖はプライマーのぶんだけ短くなってしまうのだ。
DNAが短くなっていけば遺伝情報がどんどん失われていき、ついにはDNAという存在そのものがなくなってしまうだろう。ところがそんなことは、実際には起きていない。細胞は何度も分裂を繰り返し、DNAも現存している。それななぜなのか。この長らく解けない謎とされてきたこの「末端複製問題」に挑んだのが、ブラックバーンとショスタクであった。
ショスタクはマギル大学を19歳で卒業し、米国の名門コーネル大学で生化学の博士号を取得する。ハーバード・メディカルスクールで研究室を立ち上げ、いまも教授を務めている。ショスタクは酵母の染色体を世界で初めて人工的に構築した人物で、彼は1970年代、鎖状DNAを人工的に合成し、つくったミニ染色体を酵母菌に導入すると急速に染色体が劣化することに気がつく。一方、同時期にブラックバーンも、単細胞生物の繊毛中テトラヒメナのDNAを解析し、末端に「CCCCAA」の短い塩基配列が繰り返し出現することに気づく。
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老いた細胞がさらに分裂を繰り返すと、いずれテロメアは完全になくなり、必要な遺伝情報を剥きだしになってしまう。さらに分裂が続くと、正常なタンパク質が合成されず、異常なものが合成されかねない。それを防ぐため老いた細胞では、それ以上の分裂増殖を行うことがストップされ、できなくしている。
さらに1984年、ブラックバーンの研究室の大学院生だったグライダーがテロメラーゼを発見する。細胞分裂の際に短くなるテロメアを継ぎ足して長さをもとに戻す酵素もある。この発見を受けて3人はさらに実験を進め、この酵素が果たす役割を突きとめていく。この酵素がないとテロメアの長さが戻らず、細胞の寿命が短くなる。逆にこの酵素を働かせると、寿命が延びる。細胞や生体の老化を決める要素の1つが、テロメアの長さであることを明らかにした。
がん細胞ではテロメラーゼが盛んにつくられているので、がん治療の標的にもなっている。また血液の難病、再生不良性貧血などにもかかわれので、臨床医学への影響も大きい。iPS細胞でもテロメラーゼが活性化しているのが判明しており、再生医療の発展にも役立つ可能性もある。

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