じじぃの「人の死にざま_699_竹内・栖鳳」

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竹内栖鳳 春雪 画像
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竹内栖鳳 班猫 画像
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竹内栖鳳 紅梅小禽 画像
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日曜美術館 「竹内栖鳳 未知なる日本画への挑戦」 2013年9月8日 NHK Eテレ
【出演】郄階秀爾(美術史学者)、中島千波(日本画家)
「東の大観、西の栖鳳」。かつて横山大観と並び称され、いま、改めてその評価が高まっている画家がいる。竹内栖鳳(せいほう 1864〜1942)。流派の壁のみならず、絵画の国境をも越え、新たな日本画を生み出すことに生涯をささげた。
若い頃から、絵と向き合う姿勢はまさに型破り。16歳で京都画壇を代表する四条派に入門するが、狩野派など異なる流派の技を研究し作品を発表する。時は明治、他の流派の技法に手を出すなど考えられなかった時代。その作品は、世間から酷評されるが、栖鳳は信念を曲げず、自分の道を突き進んだ。
大きな転機が訪れたのは、36歳のときに経験したヨーロッパ視察。初めて目にする西洋画のや、見たこともない風景や動物。帰国した栖鳳は、それまでにない作品を世に送り出し注目を浴びる。西洋の陰影法を取り入れ、生きているかのように描いたライオンは、「体臭までも表わす」と称賛された。さらに古代ローマの水道橋を描いた屏風では、和と洋の手法を融合させ、日本画の新たな境地を開拓した。
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2013/0908/index.html
竹内栖鳳 ウィキペディアWikipedia)より
竹内栖鳳(たけうちせいほう、元治元年11月22日(1864年12月20日)-1942年(昭和17年)8月23日)は、戦前の日本画家。近代日本画の先駆者で、画歴は半世紀に及び、戦前の京都画壇を代表する大家である。帝室技芸員。第1回文化勲章受章者。
本名は恒吉。最初は棲鳳と号した。霞中庵の号もある。動物を描けば、その匂いまで描くといわれた達人であった。

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『名画再読 美術館』 芥川喜好/著 小学館 2001年発行
竹内栖鳳 「春雪」 (一部抜粋しています)
舟の軸先にぽつんととまる鴉が気になる。淡い雪がふうわり舞いおりて鴉の羽をわずかに濡らす。
寒さも水の冷たさも、さほどには感じない。ちぢこまって動かぬ鴉の姿は、寒さに凍えるというよりは彼の孤絶をあらわすかたちのようにみえる。
生きたふからみをもつ鴉に比べて、舟の描き方は平板だ。軸先の輪郭は概念的ですらある。つまる鴉の身を空間へ突き出すための装置と考えればいい。むろん作者は、虚空へ向かって突き出された鴉のうずくまる気分を描くために、この絵を描いたのである。
そこに作者自身の孤独が投影されているというのは、ありうることだろう。ただ、降る雪の形も鴉の形姿も、さらりとしていてこだわりがない。
作者は少し突き放して鴉を見ている。つまり突き放した目で自分の孤独を見ている。線は平明であり、色彩は柔らかい光を含んだような不思議な明度をもつ。すべて淡々としている。
これは、ひとりの人間が到達した最後の風景のようなものではないか。向こう側まであと一歩、というところで生のぬくみを確かめている鴉が、いや人間が、ここにいるようにみえる。
強靭なものも、みなぎるものもない。絵としての強固な造りもない。感覚の解放も若さも縁がない。つまり近代の絵の価値を支えてきたものは何もない。
代わりにここにあるのは、閉じてゆく感覚であり、さっと潮が引いてゆくような喪失感、寂寥感である。淡いもの、衰えるもの、消えようとするものが描かれている。
にもかかわらず、この鴉にはただならぬ存在感がある。這いのぼったその位置、内へ向く姿勢、羽に付着する雪の感触は、絵の浅い造作のなかに濃い現実感を漂わす。不意に生々しく、鴉の呼吸が伝わり始めるのだ。
うずくような生への愛情と、そこを鋭く襲う孤独の感覚。それがこの絵の主題だろう。筆に衰えはないが、そうした主題を描くことのなかに、作者竹内栖鳳の見ていた世界があぶり出されてくるともいえる。一言でいえば寂寥の世界である。

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