じじぃの「人の死にざま_696_小磯・良」

小磯良平 - あのひと検索 SPYSEE
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小磯良平 二人の少女 画像
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小磯良平 T嬢の像 画像
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兵庫県立美術館-「芸術の館」-【小磯良平記念室】
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/koiso/index.html
小磯良平 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
小磯良平(こいそりょうへい、1903年7月25日-1988年12月16日)は昭和期に活躍した、日本を代表する男性洋画家である。
肖像画、特に群像を多く手がけたことで知られる。
【経歴】
1903年兵庫県神戸市生まれ。兵庫県立第二神戸中学校(現・県立兵庫高校)では竹中郁と同級で、生涯の親友だった。東京美術学校(現・東京芸術大学)西洋画科に進み、猪熊弦一郎・岡田謙三・荻須高徳らの同級生と画架を並べる。在学中に「兄妹」(1925年)が帝展入選、「T嬢の像」(1926年)が帝展特選を果たす。首席で卒業後の1928年、フランスに留学。ルーブル美術館のパオロ・ヴェロネーゼ「カナの婚礼」に衝撃を受け、群像表現を極めることを生涯のテーマとする。帰国後の1936年、「新制作派協会」(現・新制作協会)の結成に加わる。1938年から1年間藤田嗣治らとともに陸軍省嘱託の身分で従軍画家として中国に渡り、帰国後戦争画を製作した。1941年に群像画の傑作「娘子関を征く」と「斉唱」を相次いで発表する。良平自身は群像を書くため精力的に戦争画に取り組んだが、戦後はこのことについて一切語ることは無く画集にも収録しなかった。なお戦争画については戦意高揚のために戦争画を書いてしまったことに心が痛む、と晩年に語っている。
1933年、神戸にてキリスト教(組合教会系)の洗礼を受けており1970年、日本聖書協会の依頼により32点の聖書の挿絵を完成させた。

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『名画再読 美術館』 芥川喜好/著 小学館 2001年発行
小磯良平 「二人の少女」 (一部抜粋しています)
少女らは少し緊張しているようだが空気は柔らかく和んでいる。
濃緑色の壁紙の効果もあるだろう。そこに同系の薄緑、補色関係の赤、さらに黒が加わって、画面は典雅な静まりを示す。
2人は画家の娘だ。戦争が終わり、彼の周囲にも平和が訪れた。再び静かな日々を生きることができる。その喜びが作品にこもる。彼は生涯この絵を手放すことなく自分のアトリエに残して慈しんだ――
と、多くの解説は述べてきた。その通りなのだが、もっと絵固有の感覚といえるものがここにはある。画面で最も印象深いものを素直に考えればいい。
それは実は絵の構図そのものだ、同じふっくらとした頬。おそろいの上着の姉妹が、壁を背に画家の前でポーズをとる。
2人の頭上は詰まって、画面空間に押しこめられるように描かれている。上に窮屈な分、胸から下はのびのびと壮大に描かれる。気分は八の字、すそ広がりの絵なのである。
健康そうな肢体がゆったりと納まって、おのずと満ち足りたものが漂い出す。やや下から仰ぐようにその空気に浸る画家がいる。
自身の伸びやかな感情をあらわすために彼はそうした構図を採用した。絵のもつ濃密な香りも生命感も、その構えからくる。さりげない構図のなかに、描いた人の輝きが感じられるのである。
神戸空襲でアトリエを焼かれた小磯良平は、この時代、家族とともに転々と仮住まいの生活を続けていた。美術の教師を引き受け、新聞や雑誌の挿絵仕事もこなしていた。
彼にとってのいわば精神的治癒の時間である。アトリエはなくても妻や娘という格好のモデルがいた。日々の平穏をかみしめ、静かに満ちてくる喜びの感情を家族というモチーフに託したのだ。
そうした喜び、脈動するものの確かさを、1つのゆるぎない構図として実現してみせたところに絵の普遍性もある。2人の少女の放散するものは、画家個人の事情や時代背景をこえて人間に親しい。
鍛えた素描の力、色彩による遠近表現の性格さによって、生き生きとして堅固な油絵の世界が刻印された。「油絵の具で描く絵」の視覚性や感触を堪能できる世界が生まれているのである。
描く側からすれば、ここにあるのは「生きる喜びと描く喜び」といったものだろう。ゆったりと、自分のペースで、その喜びを己のものとすることに小磯良平は生涯をかけたようにみえる。

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