じじぃの「ベートーヴェンの耳の真相!音のおもしろ雑学事典」

Ludwig van Beethoven 動画 YouTube
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Thomas Alva Edison ( 1847 -- 1931 ) 動画 YouTube
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葛飾北斎 画像
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『知ってるようで知らない「音」のおもしろ雑学事典』 「音」雑学研究会/著 YAMAHA 2004年発行
「聞こえた?」「聞こえない?」 ベートーヴェンの耳の真相!? (一部抜粋しています)
耳の不自由な ベートーヴェンが、くわえた棒をピアノに押しつけ、棒から歯、そして骨に伝わる振動で音を聞いていたというエピソードがある。そのエピソードによって、人間の頭の骨から直接内耳に伝えられる聴覚の存在が知られるようになり、これが現在の骨伝導補聴器や骨伝導電話、骨伝導ヘッドフォンといった商品開発の火付け役になったといわれている。
ベートーヴェンは、20代後半に原因不明の耳の病気になったという。ところが、それ以後の音楽活動はまさに奇跡だ。聴覚をほとんどなくしても作曲活動はとだえることなく、それどころか勢いづいていった。また、晩年には急速に聴覚が衰え、全く聞こえないに等しい状態であったが、「第九交響曲」「荘厳ミサ曲」といった名作をうみ出し、西洋音楽最大の巨匠と崇められ、後世の音楽家に多大な影響を与え続けている。
聴覚障害を乗り越え、世に幾多の感動的作品を送り出した楽聖ベートーヴェン。はたして、無言の世界の人が、「第九交響曲」のような壮大な音楽を作りだすことができるのだろうか。壇上で指揮棒を振ることができるのだろうか。江時久氏によって1999年に著された『本当は聞こえていたベートーヴェンの耳』は、そのあたりのことに言及し話題となった。この中での江時氏のベートーヴェンへの歩み寄りは、雲の上の人として不動の地位を築いてきたこれまでのベートーヴェン伝説をくつがえすものとなった。
江時久氏は、ベートーヴェンの聴力が「あぶみ骨」固着による耳硬化症という伝音難聴であったと述べ、証拠を提示する。難聴には伝音難聴というものと感音難聴というものがある。人間はふだん、気導音として入ってくる音と、骨導音として入ってくる音という2通りのルートをたどる音を一緒に聞いているが、感音難聴の場合は、内耳から聴神経、聴中枢にかけてのどこかに障害があるので、気導音、骨導音ともに脳で知覚してもらえないため、聴力低下する。
これまでベートーヴェンは、内耳に聴覚障害があり、気導音も骨導音も聞こえが悪い感音難聴だと信じられてきた。また晩年になると、ほとんどの聴覚を失い、人の話し声が聞こえないと同時にピアノの音も全くといっていいほど聞こえなくなったと思われてきた。しかしこの著作では、常識では耳の全く聞こえない人間が作曲するのは無理という現実的観点から、ベートーヴェンは、気導音は聞くことができなかったが、骨導音は聞くことができたのではないかとの仮説が立てられた。
そして、ベートーヴェンの数々の記録をふまえ、音の聞こえに関し、いままでミステリーだとされてきた部分を解明している。ベートーヴェン話し言葉などの低くて弱い音は聞こえなかったが、強い音や高い音は聞こえていた、とする。伝音難聴の場合は、骨導聴力は正常とされているので、ピアノやオーケストラの音はその音源が近ければ近いほどその振動が床を伝わり、身体に届き、聞こえるのだそうだ。
ベートーヴェンはピアノに棒を押しつけて音を聞いていたといわれていたが、江時氏は、
「晩年のベートーヴェンがピアノを弾くときに、ドラムのバチのようなものをピアノと自分の額の間に架けて、ピアノの響きを聞いていたというような類の話は、みんな後世の人が創作した話だと思うのだ」と述べる。自分で弾いているピアノの音などはおそらく正確に聞こえていたはずだという。
ベートーヴェンは棒をくわえていたのか、くわえていなかったのか。さあどっちだろうか。骨導聴力に触れて考えてみよう。
もし、ベートーヴェンがくわえた棒に伝わる振動からピアノの音を聞いていたとしても、骨導にたよって音を聞いていたというところでは変わらないから、ベートーヴェンはやはり伝音難聴ということになる。それでは、本当に棒やドラムのバチのようなものをピアノに押しつけて振動をひろっていたのだろうか。ピアノやオーケストラは、その1メートル以内であれば約100dBとかなり大きい音が出ている。その音量を考えてほしい。高度難聴者は約70dBから90dBの音量が聞こえないという。つまり高度難聴者でもピアノやオーケストラの音はかろうじて聞くことができるというレベルだ。ベートーヴェンは伝音難聴で、骨導音は正常であったというから、察するに、棒をくわえて、一点から振動をひろわなくても、音源のそばにいれば、ピアノやオーケストラの音は自然に聞こえてきたであろう。
そう考えると、エジソンが頭に浮かぶ。エジソンの場合はどうだったのだろうか。
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耳が不自由でありながらも蓄音機を発明したエジソンには、こんなエピソードがある。彼は蓄音機発明までにさまざまな録音実験を繰り返し、生演奏と録音されたレコードの音の違いを聞き分けるのに熱を注いだ。ある日、エジソンの自宅に招かれたピアニストが演奏をはじめると、エジソンはピアノに近づき、ピアノの上に自分の歯を乗せた。そのとき、彼の歯は振動でガタガタと震えた。エジソンは、ピアノを噛みながら、音のバイブレーションを歯から頭蓋骨に送っていたのだという。また、エジソンはレコードを聞くにも蓄音機に噛みついて音を感じていた。エジソンの愛用していた蓄音機にはいまでも彼の噛んだ歯型が残されているそうである。エジソンも伝音難聴だったのだろうが、その骨導聴力は少し低下していたのかもしれない。
再びベートーヴェンだが、おもしろい記録が残っている。ベートーヴェンがウィーン郊外のグリンツィングに引越したときの部屋が狭かったというのだ。そして、なんと引越しは40回以上も重ねていたという。ピアノの音を身体で感じるためにちょうどよい大きさの部屋を探しまわったのだろう。ベートーヴェンが、骨導によりピアノの音を体間感していたのは確かといえそうだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ネットで「ベートーヴェン」をキーにして検索すると
クラシック音楽史上極めて偉大な作曲家の一人とされる。その作品は古典派音楽の集大成かつロマン派音楽の先駆けとされている」
が出てくる。
ベートーヴェンが活躍する時代のヨーロッパはハプスブルク家が支配する世界であった。
ハプスブルク家マリア・テレジア〜レオポルト1世の時代、ウィーンはモーツアルトベートーヴェンシューベルトが活躍した黄金の時代だった。
ベートーヴェンの父ヨハンは宮廷歌手であったが無類の酒好きで、ベートーヴェンが難聴になったのは父から耳を殴打されたのが原因という説がある。
ベートーヴェンが難聴だったというのは知っていたが、あの「第九交響曲」がほとんど耳が聞こえなくなっていた晩年の作品とは知らなかった。
ベートーヴェンは40回以上も引越しをしていたという。少しでもピアノの音を身体で感じるためにちょうどよい大きさの部屋を探しまわったのだという。
葛飾北斎も絵を描くため90回以上も引越しをした。この2人の天才に共通するものは何だろうか。
あのエジソンも難聴だった。耳の不自由なエジソンは、蓄音機に噛みついて音を感じていたのだという。
ベートーヴェンにしろ、エジソンにしろ、葛飾北斎にしろ、本当に偉人という感じがする。
ベートーヴェンも酒好きで、死因はアルコール嗜好による肝硬変と診断された。彼の葬式で、その棺をかついだ者の1人にシューベルトがいたらしい。