じじぃの「未解決ファイル_129_植物の老化」

Roses & Ethylene Exposure 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=KCUceQulHdw&feature=related
Apple & Banana (effect of Ethylene gas) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=I1tdZh9Pl_8&feature=related
茨城県農業総合センター
3.エチレン受容体遺伝子の単離とエチレン感受性制御技術の研究
われわれの研究室では、遺伝子組換え技術を用い、エチレンの生合成や感受性を低下させることにより、日持ち性を改良する手法をとることにした。この方法によれば、優性形質として日持ち性のみを育種素材に導入することが期待できる。ここでは感受性の制御について紹介する。
http://www.afftis.or.jp/shingi/08.htm
エチレン フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
エチレン(ethylene、H2C=CH2)とは、二重結合で結ばれた炭素2個を持つ炭化水素。もっとも単純なアルケンである。
かすかに甘い臭気を有する無色の気体で、強力な酸化剤と反応しやすく、また引火しやすい。
【植物におけるエチレン】
植物ホルモンの1つでもある。一般的には生長を阻害し、花芽形成も抑制する。例えば、ジャガイモの場合、エチレンにより萌芽が抑制される性質がある。一方、パイナップルなど一部の植物では、エチレンにより花芽形成が促進される場合もある。
水が過剰に与えられたとき、エチレンにより根の細胞の一部にアポトーシスが誘発され、シュノーケルと同様の機能を持つエアチューブが形成される。
また、エチレンは果実の「色づき」「軟化」といった成熟にも関与している。これはエチレンがセルラーゼに関与し、細胞壁組織の破壊が誘導されるためと考えられている。また、バナナなどのクライマクテリック型の果実では一般に成熟直後に生成量のピークを示し、それ以後は逓減する。リンゴはエチレンガスを発生させるので、バナナの傍で保管すると、バナナの成熟が早く進む。
さらに、エチレンは病原菌(カビや細菌など)の感染や組織が傷害を受けた時に生成され、これらに対する防御応答を誘導することが知られている。例えば、エチレンにより抗菌作用を持つタンパク質が誘導され、病原菌の感染が広がるのを防ぐといった防御機構が考えられている。また、エチレンは気体であるため、病害を受けた植物に隣接する他の植物に対しても作用し、防御応答を誘導すると考えられている。

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『「植物」という不思議な生き方』 蓮実香佑/著 PHP研究所 2005年発行
玉手箱を開けたら エチレンの不思議 (一部抜粋しています)
「かわいいね」「きれいだね」と毎日言っていると女性は美しくなるものらしい。「女房と畳は新しいほうがいい」などとうそぶいているよりも、奥さんに「きれいだね」と繰り返し言ったほうがいいだろう。
植物にもそんなエピソードがある。鉢植えの草花に「かわいいね」と毎日、声をかけて頭をなでながら育てたら、草丈も小さくかわいらしい花になったというものだ。まさか、と思うかも知れないが、この話は本当である。うそだと思ったら、今日から毎日、「かわいいね」と声をかけて、頭をなでながら植物を育ててみるといい。
だからといって、植物に人間の言葉や愛情がわかるのか、というとそうではない。実はこの話、言葉かけよりも、なでられたということがポイントになるのだ。植物はさわられたり、ゆすられたりといった物理的な刺戟を受けるとエチレンという物質を放出する。エチレンは生長を抑制する作用があるので、なでられた植物はコンパクトな草姿になるというわけなのだ。
田んぼの周囲ではイネがやや小さくなっているのをよく見かける。これも風で茎葉が擦(す)れてエチレンが放出されるためである。あるいは温室の中では通路側にある植物が小さくなるという。これも人の行き来で茎葉が擦れるためである。
伸長を邪魔するものがあるのならば、無理に草丈を伸ばすよりも身を縮めたほうがいい。植物が生長を押さえる理由はそんなこともあるだろう。エチレンは細胞の伸長生長を抑制し、植物を小さく太くする作用がある。つまり「ちびデブ」にするのである。毎日なでられた植物は、その刺激で大きく育つことができなかったというわけなのだ。「かわいいね」と言われながら頭をなでられる毎日は、植物にとってどれだけストレスにたまる生活だったことだろう。
もちろん、あなたの奥さんに対いて「かわいいね」と頭をなでても変わり果てた「ちびデブ」になることは決してないから、安心して言葉かけを実践していい。
「竜宮城から浜に戻った浦島太郎が玉手箱を開けると・・・・」。ご存知、浦島太郎の最後のシーンである。玉手箱から出て来た白い煙で、浦島太郎はおじいさんになってしまう。若者だった浦島太郎を老人にしてしまった白い煙の正体は明らかではない。しかし、植物にとっては玉手箱の白い煙のようなガスが存在する。それこそが、先述のエチレンである。
エチレンは植物体内で生産される植物ホルモンの一つであるが、その重要な作用は「老化」である。このためエチレンは「老化ホルモン」とも呼ばれる。
エチレンは意外なことがきっかけになって発見された。19世紀、ヨーロッパではガス灯が使われていた。ところが、ガス灯の近くの街路樹が他の木よりも早く落葉してしまうという不思議な現象が起こったのだ。のちの研究によってその謎は解明され、ガス灯から発生するエチレンガスが、街路樹の老化を早めていることが判明した。現代でも、石油ストーブのそばに鼻を活けておくと、鼻が長持ちせずに萎(しお)れてしまうことがあるが、これも石油ストーブの燃焼ガスにエチレンが含まれるためである。
まさにエチレンは、みずみずしい植物を老化させる不思議なガスなのだ。
誰だって歳はとりたくない。いつまでも若々しくいたいと願うのがふつうだ。それなのに、なぜ植物は自ら老いてしまうような老化ホルモンを持っているのだろう。エチレンの老化作用がもっとも効果的に働くのは、果実の成熟である。メロンや、リンゴ、バナナなど多くの果実は自らエチレンを放出し、果実の成熟を進めるのである。
これらの果実は生長すると、あるとき呼吸が活発になり、エチレンを急激に産生するようになる。そして、果実の成熟が一気に進むのである。この現象は「クライマクテリック・ライズ」と呼ばれている。「クライマクテリック・ライズ」は人間では、人生の曲がり角とでも言うべきときに使われる言葉だ。
植物の果実は実り熟すことが使命である。しかし、実り熟すことは同時に老化することを意味している。「クライマクテリック・ライズ」。それは果実にとっても大きな転換期である。決心したようにエチレンを放出した果実は、こうして自らを老いさせ、死の旅を急ぐのである。
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人気の学園ドラマ「3年B組金八先生」の中で「腐ったミカンの方程式」なるものが登場する。「箱の中に腐ったミカンがあると、他のミカンもダメになる。だからできの悪い生徒は排除しなければならない」というものだ。
腐ったミカンがあると、他のミカンも腐ってしまうのは本当である。腐ったミカンから発生する大量のエチレンが、他のミカンの成熟を早め、結果的に腐らせてしまうのである。悪いのは腐ったミカンではない。エチレンだったのだ。
「箱の中に腐ったエチレンがあると、他のミカンもダメになる」
腐ったミカンの方程式は、腐ったミカンをエチレンに置き換えると正しい記述になる。最近では、植物から放出されるエチレンを取り除き、野菜や果実の鮮度を保つ保存方法も利用されている。
しかし、それではエチレンがあまりにもかわいそうだ。あえてエチレンの名誉のために言っておこう。なにも腐らせるだけがエチレンの作用ではない。芽の出ない球根や種子などに作用して、これから生長しようとする若い芽を出させる教育者のような役割も、エチレンの重要な役割の一つなのである。

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どうでもいい、じじぃの日記。
11月に入り、じじばばには寒い季節がやってきた。
朝の散歩も木枯らしの吹く中はつらい。春が待ち遠しい。
それでも、あそこを通るのは楽しみだった。道に農家の柿が道路にはみ出しているからだ。
渋柿だが、しばらく置いとくと甘い完熟の柿に変わる。
エチレンさん、ありがとう。
あそこを通るのは楽しみだったは、はみ出した柿が無くなってしまったからだった。