じじぃの「不思議な植物・クレオソートブッシュ・1万年も生きる?美しい生物学講義」

An 11,700 year old creosote bush

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XIHP3ICHgn0

クレオソートブッシュ(キングクローン)

キング・クロー

ウィキペディアWikipedia) より
キング・クローン(King Clone)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州のモハーヴェ砂漠にあるクレオソートブッシュ(チャパラル、Larrea tridentata)の環状のクローン性コロニー(個体群)であり、世界最古の植物の個体群であると考えられている。
個体群の年齢は11,700歳と推定され、クローン性生物を1つの生物とみなすと、世界最古の生物の個体となる。このLarrea tridentataの単一クローンの個体群の輪は、最大の直径が20mに達し、平均直径は14mである。

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『若い読者に贈る美しい生物学講義』

更科功/著 ダイヤモンド社 2019年発行

生きているときから樹木の大部分は死んでいる より

植物は動物に比べて、非常に長く生きるものがある。どうして、そんなことが可能なのだろうか。
樹木の幹の中には、おもに水を運ぶ導管や仮導管と、おもに光合成で作られた有機物を運ぶ篩管(しかん)がある。これらは、細胞がたくさんつながって、管のようになったものである。
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幹が太くなるにつれて、辺材(周囲の樹木の生きている部分)はどんどん外側に移動していき、心材(樹木の死んだ部分)はますます太くなっていく。だから、樹木は切り倒されても、あまり変化しない。なぜなら、樹木は生きているときから、大部分は死んでいるからだ。
樹木は長生きといっても、生きている部分は幹の外側にどんどん移動していく。同じ部分が生き続けているわけではないのだ。そのため、何千年も生きているブリスルコーンパインでも、細胞の寿命はせいぜい30年程度らしい。そう考えると、植物が長生きなのかどうか、わからなくなってくる。
アメリカのモハーベ砂漠に生育するクレオソートブッシュという植物には1万1700年も生きているものがいるという。それが本当なら、ブリスルコーンパインの2倍以上だ。1つの種子から発芽したクレオソートブッシュは、周囲に枝を広げたり、根を下ろしたりしながら、同心円状に生長していく。
そうして周りに広がっていくにつれ、中心の古い幹は枯れてなくなってしまう。実際の植物体自体は千年も経たずに枯れてしまうようだが、周囲に新しく伸ばした枝や根は生きている。そのため、長く生きているクレオソートブッシュは、中心の植物体がなくなってしまうので、ドーナツ型の茂みになっている(画像参照)。これも、発芽してから連続した1個体の植物と考えてよいだろうか。
まあ、樹木だって、幹の中心部の心材は死んでいるし、腐ってなくなっている場合もある。生きているのは周囲の辺材だけだ。そう考えれば、クレオソートブッシュだって、連続した1個体として認めてあげないと不公平な気もする。でも、クレオソートブッシュを1個体として認めると、挿し木で増やした植物はどう考えたらよいだろう。
ある木の枝を折って、その枝を土に挿す。もし、その枝が根づけば、また新しい木に生長する。こうして挿し木で増えた植物だって、元の植物の一部だったのだから、元の植物と同じ個体と考えてもよさそうだ。でも、そうすると、植物の寿命は永遠ということになってしまう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
砂漠に点在する雑草。
雑草が20mの範囲で、円形状または楕円形状に生えていたとしたらどうだろうか。

「そうして周りに広がっていくにつれ、中心の古い幹は枯れてなくなってしまう。実際の植物体自体は千年も経たずに枯れてしまうようだが、周囲に新しく伸ばした枝や根は生きている。そのため、長く生きているクレオソートブッシュは、中心の植物体がなくなってしまうので、ドーナツ型の茂みになっている(画像参照)。これも、発芽してから連続した1個体の植物と考えてよいだろうか」

直径20mの巨木があった。
約1万年の間に、中の幹部分が朽ちて、跡形も無くなった。
巨木の皮の部分の一部が、円形状に残っている。
というイメージだろうか。
見る人が見ればわかる。
私もそういう人間になりたかったなあ。