じじぃの「未解決ファイル_76_マングローブ」

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『奇妙でセクシーな海の生きものたち』 ユージン・カプラン/著、 土屋晶子/翻訳 インターシフト 2007年発行
エデンの園 (一部抜粋しています)
想像と破壊のサイクル
 ヒンズー教のシバ神のごとく数多くの腕を広げ
 レッドマングローブの木々は泥のなかに鎮座し
 水だけの何もないところから、乾いた地を造る
 その支柱根は四方に張りだしながら樹体を支え
 水の底には微細な沈殿物が静かに重なっていく
 想像と破壊をくり返す世界の不可思議な理(ことわり)は
 レッドマングローブの運命も見逃しはしない
 新たに地を造るという役割をになうがゆえに
 この貴重な植物は本分を果たし消え去りゆく
            −−ユージーン・H・カプラン
マンチニールの実は危険きわまりないが、カリブ海の水がかかる岸辺に生える木々は慈悲深い。クモの巣のように枝や根がまらみあっているレッドマングローブは、地球上の樹木のなかでもっとも重要な役割を果たすグループに入る。シャクナゲツツジの葉に似た葉が重なってこんもりと丸い姿形となる木が集まり、マングローブ林ができる。その一帯はどろどろの湿地帯となり、あいだを縫うように水路が走る。マングローブのライフスタイルはブラインシュリンプホウネンエビモドキ科)のサバイバル戦略とまったくよく似ている。植物と動物とでかけ離れているのに、この2つの生き方はどのような点で似通っているのだろうか。両者は競争力に乏しいため、ライバルや捕食者がすめないような、条件の非常に悪い環境でしか生きていけないのだ。ブラインシュリンプは、ほかの動物には塩辛すぎる海水のなかで暮らす。マングローブは、ほかの植物にはとうてい真似できないような、海水そのままの塩分濃度の場所に根づく。どちらの場合も、海水はいわゆる浸透圧格差を生むため、彼らは塩分をたいがいの排出するか、内部に塩が入ってこない仕組みになっている。
マングローブは陸生植物ではあるが、その根は海水につかっていなければならない。乾いた土地でも育つが、そうするとほかの植物の勢力に押されて、最終的にはマングローブのコロニーはなくなってしまう。先駆種の例にもれず、マングローブ林は短命である。熱帯特有の硬水からなる長命の安定した樹林が、マングローブの生えていた一帯に進出してくると、そのうち、マングローブの姿は跡形もなく消えていく。
レッドマングローブが生きのこるためには、文字通り、「先端の」地帯を必要とする。彼らは熱帯の島々の陸と海の境目部分で生育する。根の表面から塩分が入ってこないようにしながら、普通の植物なら生きていけない海水にひたっている。細胞内の塩分濃度はコントロールされているため、正常に育っていける。
しかし、危険はそれだけではない。熱帯にはハリケーンがつきものであり、海辺の森林は常に倒壊の可能性がある。そのリスクに対してもマングローブは対応策を進化させた。マングローブの根は大気中に出て呼吸する「気根」と言われるものになった。アーチ形になった細い「腕」の気根が幹からタコ足のようにたくさん伸びてから、泥のなかに入り込み、木を支えているのだ。この支柱根のタイプだけでなく、枝から無数の気根がぶらさがる。懸垂根タイプも見られる。槍のようにとがった気根はもつれあって、半ば水中に沈みながら、容易に入りこめない茂みをつくり、最悪の嵐でも来ないかぎり、根こそぎ引っこぬかれる心配はなくなっている。
こうしたがんじょうな根は、嵐から身を守るためだけでなく、ほかにもさまざまな機能がある。根は海面から海底まで広がり、塩間帯(干潮時は海底が露出するゾーン)や塩下帯(潮の干満に関係なく常に水でおおわれているゾーン)を占める。海底の泥に入り込み、はったり、くねくね動きまわる動物たちのほとんどは、酸素の乏しい細かい堆積物のなかでは窒息してしまう。しかし、その柔らかい堆積物のなかへと、マングローブは根を張っている。そのおかげで、動物たちは泥の中に埋まってしまうことなく、酸素の豊富な海水をあてにできる。さまざまな種類の動物や植物がマングローブの根元を安全なすみかとして利用している。カキ、カニ、海綿動物、海藻、ホヤ類、多毛類など多彩な顔ぶれの生きものが、マングローブの気根の付近に集まって生活する。綿毛状のかたまりがマングローブの根をおおいかくし、海水の流れを妨げていく。

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どうでもいい、じじぃの日記。
21世紀は石油に変わって「水ビジネス」の時代だという。
今まで、何も不思議に思わなかったマングローブ
海水を真水に変えて生きている。
自然はこんな植物を作り出した。
マングローブは地球がくれた愛なのだ。