じじぃの「中国、大国への挑戦」考

ドルの地位揺らぐ、人民元など台頭で…世銀総裁 2009年9月29日 YOMIURI ONLINE
【ワシントン=岡田章裕】世界銀行ロバート・ゼーリック総裁は28日、ワシントンで講演し、「米国が、世界の支配的な準備通貨であるドルの地位を当たり前だと思うのは誤りだ」と述べ、基軸通貨であるドルの地位が揺らいでいるとの認識を示した。
ユーロや中国・人民元の存在感の高まりを理由に挙げた。
ゼーリック総裁は「もちろん、これからも主要な通貨では、あり続けるだろう」としながら、財政赤字の縮小などに取り組まなければ、ドルの信認がさらに低下する可能性を指摘した。
人民元については、「次第に国際化するだろう。10年〜20年後には、金融市場で相当な力を持つ」との見通しを示した。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090929-OYT1T00011.htm
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天安門1949年10月1日、中華人民共和国の誕生 (一部抜粋しています)
対中政策に戸惑った米ソ
第2次世界大戦の終結と抗日戦争の勝利によって、中国大陸は外国軍による支配から解放された。しかし、それは平和の到来を意味するものではなく、国民党と共産党による内戦再開は必至の情勢だった。当時、アメリカは西欧の復興とソ連の封じ込めに体外政策の主眼を置いており、中国に内戦が起きても介入する余裕がなかった。マーシャル特使を派遣して調停を試みるなど内戦の回避に尽力したが、そのかいもなく国共両軍は1946年7月より本格的な内戦が再開される。
国際情勢は複雑だった。ともに共産主義を掲げながら、毛沢東(1893〜1976年)との確執からスターリンが国民党を支持するという一幕もあり、一方のアメリカも一貫性のある対中政策を打ち出せずにいた。国共両勢力の評価をめぐり、政府内でも意見が二部されていたからである。蒋介石(1887〜1975年)の国民党については全面的に支援すべきという声があるかたわら、かって連合軍中国方面司令官をつとめたスティルウェル将軍が、「腐敗と内部抗争にまみれ、規律も国民の支持を失っている」
陸軍省への報告に述べているように、全面的改革なしには中国の将来を担う能力はないという声も多く聞かれた。一方の共産党に対する評価も両極端で、ボリシュビキとは別物で農民革命を軸とする民族運動とする見方と、ソ連支配下にあり最終的には反米になるという見方に別れていた。
当初、内戦は国民党に有利に展開していた。国民党430万に対して共産党軍は120万、装備の点でも圧倒的優位にあった国民党軍は1947年3月には共産党軍の根拠地・延安を占領する。ところがまもなく戦況は逆転する。人民解放軍と改称した共産党軍が5月、東北での攻勢にでたのを皮切りに反撃に転じ、48年には遼瀋・淮海・平津の3大戦役で勝利を収め、49年、蒋介石が台湾に敗退するにおよび、共産党の勝利が決した。
中国情勢の激変はアメリカとソ連を慌てさせた。ソ連は気まずい思いを抱きながらも関係修復につとめ、アメリカは共産党の勝利を既定の事実として受け止め、周辺諸国への波及を阻止する方向へ向かう。アメリカが「反中共・蒋支援」の対決姿勢で固まるのは、朝鮮戦争(1950〜1953年)の勃発後のことであった。
1949年10月1日、天安門桜上で毛沢東により高らかに建国宣言が読み上げられた。中華人民共和国の成立である。

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クローズアップ現代「シリーズ中国建国60年(2)“大国”への挑戦」 NHK 2009.10.01
【キャスター】国谷裕子 【コメンテーター】中国社会科学院世界経済政治研究所副所長 王逸舟
建国60年を迎える中国。爆発的な経済成長を遂げた中国に今、アメリカが急接近している。国際社会で影響力を増す中国の戦略について、国谷キャスターが現地から伝える。

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どうでもいい、じじぃの日記。
10/1、NHK クローズアップ現代「シリーズ中国建国60年(2)“大国”への挑戦」を観た。
天安門広場中華人民共和国の建国を祝う「国慶節」が10月1日、行われた。
NHKの記者が北京市民に聞いた。「将来どんな国になってほしいですか」
「世界のリーダーです!」
アメリカを超えます。絶対出来ます!」
映像に天安門広場の軍事パレードで、大陸間弾道ミサイル、戦車が映し出され、一糸乱れずに行進する兵士が映し出された。行進を見守る胡錦濤国家主席、その隣には元国家主席江沢民が満足そうに微笑んでいる映像があった。
国谷さんが胡錦濤国家主席のブレーンの1人である王氏にインタビューした。
国谷 中国はエコノミックモンスターというイメージがあるが。
 確かに中国にはエコノミックモンスターというイメージがあるが、30年後には中国の経済が大きくなっているだけでなく、国際社会で文化的な面で大きな貢献ができる国になっていると思う。
国谷 中国のなりふり構わない資源外交に警戒感がある。
 アメリカコンセンサスというのがあっても、北京コンセンサスというのはない。今の中国は控えめであって、北京コンセンサスを振りかざすことはない。
先月14日に広州で中国とアメリカのパーテーが開かれた。その時のアメリカ企業の人の言葉。「成長を続ける中国は非常に重要な国だ」
中国の企業が開発した最先端の医療機器をアピールしている映像が流れた。
国谷 7月の米中戦略経済対話でオバマ大統領は、米中関係が21世紀をつくると言った。オバマ大統領の姿勢をどのように考えているか。
 中国はまだまだ発展途上の国で、今の中国の指導者の中でG2という人はいないと思う。
国谷 G20でグローバル インバランス(不均衡)の是正がいわれたが。
 中国の内需が不足し輸出に頼っているという、オバマがいっている不均衡は真実ではあるが、すべてではない。もうひとつは先進国と途上国の不均衡だ。先進国と途上国の間の不均衡を変えていかなければならない。
映像の中で金融危機後の中国の対応ぶりを示す説明があった。
金融危機は一方で、中国にチャンスを与えた。膨大な外貨準備高を武器にM&Aを行って、中国は外国企業の買収を進め、リスクを分散しようとしている。
金融分野でも独自性を進めている。今の基軸通貨ドルの体制を変えようとしている。アジア諸国で中国人民元が使えるようにしようとしている。
アメリカの有名大学、スタンフォード、MITなどから、人材を確保し、また即戦力となるウォール街から人材を引き抜き、上海を世界の巨大な金融センターにしようとしている。中国政府はこうした人材獲得に力を入れるようになってきた。
国谷 鳩山政権の東アジア共同体構想をどう思うか。
 鳩山総理が国連で胡錦濤主席に東アジア共同体構想を提案したとき胡錦濤主席は何も言わなかったが、中国は東アジア共同体構想を進めようとしている。中国、日本、韓国が協力していくことはきわめて重要なことです。
国谷 これからの中国の金融政策は。
 上海を中国の金融センターにしたい。そしてドルのリスクを減らす。共通通貨を地域的な協力、地域的な通貨の一歩にしたい。今、人民元はドルと比較すると小学生だ。昔は打倒アメリカを考えていたが、今後はじわじわと影響力を強めていきたい。1つの山に2頭のトラはいらないという考え方ではなく、日本と協力して、新しいアジアを作ることが必要です。
じじぃの印象。
王氏のインタビューの最後の言葉に「昔は打倒アメリカを考えていたが、今後はじわじわと影響力を強めていきたい」があった。何か不気味な言葉である。
中国政府は中国共産党一党独裁政治を変えるつもりはなさそうだ。
「先進国の情報を速やかに収集せよ。そしてすきあらば、果敢に攻めよ。30年後、わが中国は世界の中心になるのだ」
と、中国人がいったのかどうか、定かではない。