じじぃの「未解決ファイル_14_サンゴ」

海の生き物 100不思議 東京大学海洋研究所 東京書籍 2003年発行
76 動物? 植物? 岩石? −−サンゴ礁をつくるサンゴたち 【執筆者】 知名勝紀
皆さんはサンゴという言葉を聞いて何を思い描きますか? 海に棲む植物? 動物? いや海に沈む宝石だよ、などの意見がでそうですね。サンゴはれっきとした動物で、生物学的にはイソギンチャクやクラゲなどと同じく刺胞(しほう)動物に分類されます。サンゴの一部は、熱帯から亜熱帯の暖かくて綺麗な海でサンゴ礁を形成しています。造礁サンゴと呼ばれるこれらのサンゴの形態は、海に咲く花のようなイソギンチャクによく似ています。異なる点といえば、サンゴが固い骨格で体を覆って自分自身をを守っていることと、それらが多数集まって群体として生息していることです。ですから身体の小さいイソギンチャクが鎧(よろい)を着て集団生活をおこなっていると考えるとわかりやすいでしょうか。さらに無数のサンゴ群体が集合して、サンゴを主役とした生物の社会、サンゴ礁をつくります。
造礁サンゴのほとんどは光合成をおこなう褐虫藻(かっちゅうそう)を体内に共生させています。造礁サンゴは自らの触手で捕まえた動物プランクトンと、褐虫藻光合成によりできた栄養物を食料にしています。しかし、造礁サンゴは摂取した食料の半分くらいで満足し、残りを粘液と共に体外に出してしまいます。そのおこぼれに目をつけて魚やカニなどが寄ってくるため、サンゴ礁には多くの生物が見られ、豊かな生態系を形成しています。
ところでサンゴが着ている鎧、骨格の正体はというと、大部分がカルシウムを主成分とする鉱物ですが、その他にタンパク質など微量の有機成分が含まれています。これまでの研究から、それら有機物質が骨格の形成をコントロールすると考えられています。サンゴ群体には、枝状、テーブル状、塊状などさまざまな形がありますが、その形状も個々のサンゴがつくる有機物質が決めているのかもしれません。
さて最後に、サンゴの生態のなかでもとても不思議な現象を紹介します。多くのサンゴは、1年に1回から数回という限られた産卵を、夏の満月前後の決まった時期に、しかも日没後にだけおこないます。同種のサンゴだけでなく、別種のサンゴも同調して産卵をおこなうために、海の中一面にサンゴの卵が舞う神秘的な世界が広がります。弱肉強食の自然界では、サンゴの卵は他の動物の格好のエサとなってしまいます。それ故、親サンゴたちは、夏の満月の夜、我が子がより多く生き残るようにと願いを込め、捕食者の隙をついて人(魚?)知れずいっせいに産卵をおこなっているのかもしれません。

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神秘的な珊瑚の産卵を動画で見てみる 雑学 Part2
http://wadai.iryou-zatugak.lomo.jp/?eid=1356871
どうでもいい、じじぃの日記。
8月5日、BSフジ プライムニュース「虫とサンゴと環境と」を観た。
http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20090806/1249534184
番組の中で、映像でサンゴを水槽で養殖し、サンゴが親指ぐらいになったら海に植え付ける女優の田中律子さんの活動している様子が流れた。
一年に一回、満月の大潮のときサンゴの卵が海中に放出される。
神秘的なサンゴの産卵。
ネットで「満月の夜 神秘的 産卵」をキーにして検索してみた。
いろんな魚が満月の夜に一斉に産卵している。
●年1度、満月の夜に一斉に行う産卵行動です。サンゴは、精子と卵が入ったバンドルと言われる(カプセル見たいな物)を、水面に向けて一斉に放出します。水面にたどり着いたバンドルが割れて弾けて、精子と卵が飛び出ていきます。その後、別のバンドルの精子と卵が出会って受精を行います。夜の海に放出される無数のバンドルは、幻想的でダイバーなら一度は見たいと思う神秘的な瞬間です。テレビでしか見れない?そんな事はないです。奄美大島では、神秘的な瞬間をご自身の目で!体で感じる事が出来るのです!
http://www.native-sea.com/diving/sango.html
オカガニは普段内陸で生活するが、6月から10月にかけての満月の夜に、海に下りて産卵する。
●神秘的なカブトカニ。それにしても産卵のためにたくさん集まるのですね。
●大里海岸はアカウミガメの産卵地でもあります。産卵の始まる初夏の満月の夜には観光客も訪れます。
●もうすぐ満月。この月の下を、今でもウナギたちは旅をしているのでしょうか。
●10月15日の十三夜の月は雨で見られなかった。そして満月にあたる17日の月も残念ながら見ることができなかった。ところで満月の夜は草ふぐや海がめの産卵、三浦半島網代の森の赤手蟹の産卵など自然界にも不思議な現象が見られる。
●残雪もよっぽどの谷間の以外では見ることも無いのだけれど、梅の蕾はまだまだ堅いままだ。でも、トウホクサンショウウオの産卵は既に始まっていて、卵の分裂の状態を見るうえでは3月22日土曜日、そう、無数の星が瞬く満月の夜に、神秘的で荘厳な産卵がこの誰も関心を持たない山中で行われていたのだろう。
どっかのじじぃも満月の夜、どっかの藪の中を徘徊するのでした。「ウオ〜オン」