じじぃの「人の死にざま_34_杜甫」

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『人間臨終図巻 上巻』 山田風太郎著 徳間書店
杜甫 (712-770) 58歳で死亡。
 夏草やつわものどもが夢のあと
有名な芭蕉のこの句は、杜甫の詩『春望』を踏んだものである。いわく、
「国破れて山河あり
 城春にして草木深し  ・・・・」
唐の玄宗皇帝時代に生きた杜甫は、その生涯において、仕官しているより放浪している時期のほうが長かった。それも仕官の機会がなかったり、仕官してもくびになったり、あるいは内乱のため地方に難を避けたりという受身の放浪であった。
晩年の2年間ほど、杜甫は、四川省のある峡谷の町に住んでいたが、大歴3年(768)舟を楊子江に出して、湖北から故郷長安に帰ろうとしたが、当時長安は乱世の混乱の渦中にあり、やむなくさらに2年ばかり、湖北、湖南の水の上で漂泊生活をつづけ、大歴5年冬、湖南の湖江を漂う舟の中で死んだ。
同年4月、在唐53年の日本人阿倍仲麻呂が死んだ。
杜甫の沈痛悲壮の詩は、しかし当時一般には知られず、彼の詩が李太白にもまさり、中国第一の詩人であることが認識されたのは、死後40年を経た唐中期になってからであった。

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杜甫の代表的な詩です。
『春望』 (漢詩
 國破山河在
 城春草木深
 感時花濺涙
 恨別鳥驚心
 烽火連三月
 家書抵萬金
 白頭掻更短
 渾欲不勝簪
『春望』 (日本語読)
 国破れて山河あり  (くにやぶれてさんがあり)
 城春にして草木深し  (しろはるにしてそうもくふかし)
 時に感じて花にも涙をそそぎ  (ときにかんじてはなにもなみだをそそぎ)
 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす  (わかれをうらんではとりにもこころをおどろかす)
 烽火三月に連なり  (ほうかさんげつにつらなり)
 家書万金にあたる  (かしょばんきんにあたる)
 白頭掻けば更に短く  (はくとうかけばさらにみじかく)
 渾て簪に勝えざらんと欲す  (すべてしんにたえざらんとほっす)
『曲江』 (漢詩
 朝囘日日典春衣
 毎日江頭盡醉歸
 酒債尋常行處有
 人生七十古來稀
 穿花蛺蝶深深見
 點水蜻蜓款款飛
 傳語風光共流轉
 暫時相賞莫相違
『曲江』 (日本語訳)
 朝廷から戻ってくると、毎日のように春着を質に入れ
 いつも、曲江のほとりで泥酔して帰るのである
 酒代の借金は普通のことで、行く先々にある
 この人生、70まで長生きすることは滅多にないのだから、今のうちにせいぜい楽しんでおきたいのだ
 花の間を縫って飛びながら蜜を吸うアゲハチョウは、奥のほうに見え
 水面に軽く尾を叩いているトンボは、ゆるやかに飛んでいる
 私は自然に対して言づてしたい、そなたも私とともに流れて行くのだから
 ほんの暫くの間でもいいから、お互いに愛(め)で合って、そむくことのないようにしようではないか

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