じじぃの「科学・地球_181_人類宇宙に住む・惑星探査衛星ケプラーとTESS」

TESS Mission's First Earth-size World in Star's Habitable-zone

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QU0qsIGS6MQ

探査衛星TESS、地球サイズの惑星を初発見

探査衛星TESS、地球サイズの惑星を初発見

2021年10月06日 アストロアーツ
探査衛星「TESS」が地球とほぼ同じサイズの系外惑星を発見した。TESSが発見した10個目の惑星で、地球サイズのものとしては初めてとなる。
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10592_hd21749

人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ

ミチオ・カク(著)
地球がいずれ壊滅的なダメージを受けることは避けがたく、人類は生き延びるために宇宙に移住する必要がある。
本書は世界的に高名な物理学者が、1)月や火星への移住、2)太陽系外への進出、3)人体の改造や強化、の3段階で宇宙の進出の方途を示す。NASAイーロン・マスクジェフ・ベゾスらの宇宙開発への挑戦を追いながら人類の未来を見通す、最高にエキサイティングな一冊!
第Ⅰ部 地球を離れる
 第1章 打ち上げを前にして
 第2章 宇宙旅行の新たな黄金時代
 第3章 宇宙で採掘する
 第4章 絶対に火星へ!
 第5章 火星──エデンの惑星
 第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先
第Ⅱ部 星々への旅
 第7章 宇宙のロボット
 第8章 スターシップを作る
 第9章 ケプラーと惑星の世界
第Ⅲ部 宇宙の生命
 第10章 不死
 第11章 トランスヒューマニズムとテクノロジー
 第12章 地球外生命探査
 第13章 先進文明
 第14章 宇宙を出る

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『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行

第Ⅱ部 星々への旅

第9章 ケプラーと惑星の世界 より

系外惑星を見つける方法

系外惑星を直接見るのは難しいので、天文学者は種々の間接的な方法でそれを見つけている。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の惑星科学・天体物理学者のサラ・シーガーは、天文学者が結果に自信をもっているのは、複数の手段で系外惑星を見つけているからだと強調した。なかでもよく使われるのは、トランジット法というものだ。

恒星の光の強度を調べていると、周期的に弱まるのに気づくことがある。この減光はわずかな現象だが、地球から見て、なんらかの惑星が主星の前を横切ることで、主星の光がいくらか吸収されていることを示している。そこから惑星の軌道がたどれるので、軌道のパラメータが算出できる。

ひとつの恒星を7つの地球サイズの惑星がめぐる

2017年、またもや空前の発見があった。天文学者が、惑星進化のどの理論にも反する恒星系を見つけたのだ。その恒星系では、地球サイズの惑星が7つ、トラピスト1と呼ばれる主星のまわりを回っていた。このうち3つの惑星はゴルディロックスゾーン内にあり、海が存在する可能性もある。「この惑星系がすごいのは、惑星がたくさんあるだけでなく、それがすべて地球に近いサイズだからです」と語るのは、この発見をなし遂げたベルギーの研究チームのリーダー、ミカエル・ジロンだ(「トラピスト[TRAPPIST]」という名前は、彼らが使った望遠鏡の略称だが、ベルギーの有名なビールのことでもある)。
トラピスト1は、地球からわずか38光年の距離にある赤色矮星で、質量は太陽の8パーセントしかない。ケンタウルス座プロキシマと同じく、ハビタブルゾーンをもっている。われわれの太陽系へもってきたら、7つの惑星の軌道がすべて、水星の軌道の内側に収まってしまう。どの惑星も3週間とかからずに主星の周りを公転し、最も内側の惑星は36時間でまる1周する。

型破りの惑星

恒星についても驚くべき発見があった。かつて、われわれの黄色い恒星は宇宙によくあるタイプと考えられていたが、今日の天文学者は、われわれの太陽に比べてわずかな光しか発しないため、たいてい肉眼では見えない、暗い赤色矮星が最もありふれた恒星だと考えている。天の川銀河の恒星の85パーセントが赤色矮星だという推定もある。小さな恒星ほど、水素の燃料をゆっくり燃やすので、長く輝ける。赤色矮星の寿命は数兆年にもなり、われわれの太陽の寿命である100億年よりはるかに長い。ケンタウルス座プロキシマbもトラピスト星系も主星が赤色矮星なのは、その数が多いからで、意外なことではないかもしれない。すると、そうした恒星をとりまく領域は、地球に似た惑星をもつと探すのにきわめて有望な場所とも考えられる。

銀河系の統計調査

探査機ケプラー天の川銀河にある惑星を十分多く調べたので、おおまかな統計調査ができる。そのデータが示すのは、一般に、空に見えるどの恒星にも、周回するなんらかの惑星があるということだ。恒星の約20パーセントは、われわれの太陽のように、地球型惑星──つまり、地球に近いサイズで、ハビタブルゾーンにある惑星──をもつ。天の川銀河にはおよそ1000億個の恒星があるから、地球型惑星はほぼ200億個あることになる。実を言うと、これは控えめな推計だ。実際の数は、はるかに多いと考えられる。
残念なことに、探査機ケプラーは、宇宙に対するわれわれの考えを変える情報を山ほど送ってきたあと、調査がおかしくなりだした。2013年にはジャイロスコープのひとつが故障し、惑星を自動追尾できなくなってしまった[2018年10月に燃料枯渇により運用を終了している]。
だが、さらなるミッションも予定されており、どれも系外惑星に対するわれわれの理解を高めてくれるだろう。2018年には、トランジット系惑星探査衛星(TESS)が打ち上げられた。ケプラーと違い、TESSは全天をスキャンする。2年間に20万個の恒星を調査し、ケプラーが調べたものより30~100倍明るい恒星に的を絞る予定だ。そのなかには、銀河系のわれわれの領域にある地球型惑星やスーパー・アースの候補もすべて含まれ、天文学者はその数をおよそ500個と見積もっている。さらに、ハッブル宇宙望遠鏡の後継となるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡もほどなく稼働を始め、こうした系外惑星の一部を実際に撮影できるはずだ。

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「planet TESS」画像検索
https://www.google.com/search?q=planet++TESS&tbm=isch&ved=2ahUKEwilxtishrTzAhXKFYgKHYR_CUIQ2-cCegQIABAA&oq=planet++TESS&gs_lcp=CgNpbWcQAzIGCAAQCBAeMgYIABAIEB46CggjEO8DEOoCECc6BwgjEO8DECc6CggAEIAEELEDEAQ6CAgAEIAEELEDOgUIABCABDoECAAQHjoECAAQEzoICAAQCBAeEBM6CAgAEAUQHhATUP8WWI9wYOd4aAJwAHgAgAFjiAHJB5IBAjExmAEAoAEBqgELZ3dzLXdpei1pbWewAQrAAQE&sclient=img&ei=cq1cYaXFFcqroASE_6WQBA&bih=588&biw=956&rlz=1C1CHPO_jaJP580JP580

じじぃの「地球温暖化の予測の先駆者・2021年・ノーベル物理学賞に真鍋淑郎氏!ひるおび」

【解説】60年代から"地球温暖化"を研究 ノーベル物理学賞・真鍋さんの研究のすごさとは?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=5L8ylvzfiog

ひるおび!

2021年10月6日 TBS
【レギュラー出演】恵俊彰江藤愛八代英輝朝日奈央、若林有子、小笠原亘小森谷徹伊藤隆太、日比麻音子、久保井朝美、伊藤聡子、森朗、宇内梨沙、駒田健吾、小沢光葵 【ゲスト】神沢博(名古屋大学名誉教授 中継)、原晋(青山学院大学陸上競技部監督)

ノーベル物理学賞】真鍋淑郎氏が受賞 “地球温暖化研究の先駆者”

●栄誉 ノーベル物理学賞に真鍋淑郎・地球温暖化の予測法開発
今年のノーベル物理学賞に米国・プリンストン大学上席研究員・真鍋淑郎、ドイツ人のクラウス・ハッセルマン教授(真鍋氏の理論を発展させた)、イタリア人のジョルジュ・パリージ教授(物理システムにおける不規則性と揺らぎの相互作用を研究)の3人が選ばれた。
真鍋淑郎氏は、二酸化炭素(CO2)の上昇が大気や海洋に及ぼす影響を世界に先駆けて研究し、地球温暖化予測の基盤を築いた。
研究のきっかけについて。
真鍋淑郎氏、「好奇心でです。それからスタートした。でももとはといえば、今毎日の生活に必要不可欠になっている天気予報のモデルです」
●快挙 地球温暖化の予測の先駆者・物理学賞に真鍋淑郎(90)
気候温暖化対策を巡る主な動き。
1988年、「気候変動に関する政府間パネルIPCC)」設立。
2005年、先進国に温室効果ガスの削減義務を課した国際枠組み「京都議定書」発効。
2007年、IPCC第4次評価報告書で「人間活動が温暖化をもたらした可能性が非常に高い」と指摘。
2016年、先進国のみならず世界各国に削減を求める国際枠組み「パリ協定」発効。
2021年、IPCC第6次評価報告書で地球温暖化について、「人間活動の影響は疑う余地がない」と断定。
真鍋淑郎氏ら3人がノーベル物理学賞受賞。
スウェーデン王立科学アカデミーは、真鍋淑郎氏の研究について、「二酸化炭素の増加量が地表の気温上昇にどのようにつながっているかを明らかにした」と評価。
真鍋淑郎氏らへの受賞理由について、スウェーデン王立科学アカデミー担当者は、「気候モデルは物理学にのっとった分析だ。地球温暖化の概念は確かな科学に基づく。それが(世界の政治家への)メッセージだ」と語った。
理論は、大気が熱の放出を防ぐことで地球全体の気温が上がる「温室効果」、この現象そのものは200年前から知られていた。
1967年真鍋淑郎氏が二酸化炭素濃度が2倍になったとき、地表付近の温度が2℃以上上がるとする論文を発表。
●解説 気候研究では異例の受賞・真鍋淑郎の予測“ココが凄い”
真鍋淑郎氏は、地球温暖化による未来の気候がどうなるかという予測シミュレーションの基礎を築いた。
【ステップ1】大気と気温のメカニズムを解明。
プリミティブ方程式の一例を紹介。
1967年、シミュレーション結果発表→二酸化炭素が2倍になると、地上気温が2.36℃上昇。
【ステップ2】大気だけでなく海洋の影響も加えた気候予測シミュレーションを作成。
1969年、大気海洋結合モデルを世界で初めて発表。
コンピューター上に仮想の地球を作成 → 地球をマス目に区切り地域を細分化 → マス目ごとの大気や海洋の流れを計算 → 各地域の気候の特性を加味した詳細な未来の気候がマス目ごとに出る。
●功績 “温暖化研究の父”真鍋淑郎・物理学賞受賞までの歩み
ノーベル物理学賞受賞までの道のり。
1931年、愛媛県生まれ。
1958年、東京大学大学院博士課程修了、米国海洋大気局に招かれ渡米。
二酸化炭素濃度の上昇が大気などに及ぼす影響を世界に先駆けて研究。
1967年、大気の運動と気温との関係を定めるモデルを開発し、「二酸化炭素が2倍に増えると地上気温が2.36度上昇する」との予測を明らかにする。
1997年の取材で。
真鍋淑郎氏、「その頃は反響はあまりない。誰も温暖化の心配をしていたわけでもないし、環境問題として温暖化というものがその頃存在していなかった」
1977年、世界最大最高速(当時)のコンピュータ-を利用しての真鍋淑郎氏の大循環モデルによる解説。

1990年、国連の「気候変動に関する政府間パネルIPCC)」の報告書が出版 → 真鍋淑郎氏の論文が大きく引用され注目を集める。

のちに、国連気候変動枠組み条約、京都議定書、パリ協定など世界の温暖化対策を大きく進める政策に繋がる。

1997年、日本に帰国し、科学技術庁(当時)の地球温暖化研究チームを率いる。
2001年、米国に戻る。
2021年、ノーベル物理学賞受賞、現在は米国国籍。
米東部ニュージャージ州の自宅で、日本からの取材に応じた。
取材スタッフ、「60年以上研究を続けてきた。困難があったときにどう克服したか」
真鍋淑郎氏、「困難を乗り越えるというのは、あんまりですね。結局、気候変動の問題を研究するのが楽しくて仕方がなかったので、まぁ、困難はあったかもしれんけど、非常に面白い人生だと思っています」
取材スタッフ、「家族と受賞について話をしたか」
真鍋淑郎氏、「もう、うちの奥様がサポートしてくれなければ、こういう研究は絶対にできなかったと思います。家のいろんなこと、子供の教育、本当に素晴らしい貢献をしてくれたので、感謝以外の何もない。非常に喜んでくれました。こんな賞をもらうとは思っていなかったと思います」
取材スタッフ、「日本の若者に対しては」
真鍋淑郎氏、「研究費を取るには、実用的なものを選ぶことになっているが、研究の醍醐味(だいごみ)は好奇心。なぜこういうことが起きるのか、という研究がいいのではないか」
https://www.tbs.co.jp/hiru-obi/

『地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来』

横山祐典/著 ブルーバックス 2018年発行

エピローグ より

2018年4月、ネイチャーに2つの論文が掲載された。著者は、ドイツのポツダム気候影響研究所を中心としたグループと、イギリス・アメリカ・カナダの国際研究チーム。両者は独立した研究グループだが、奇しくも、いずれも北大西洋の海洋熱塩循環が弱くなっているという趣旨のレポートだった。
第9章で説明したとおり、北太平洋グリーンランド沖にはアマゾン川のおよそ100倍の量の海水が深海に沈み込むポイントがあり、そこからおよそ1000年で世界を1周する「熱塩循環」が始まる。この大循環は、赤道など低緯度、中緯度帯で生じた余剰の熱を寒冷な高緯度帯に運び、グローバルでマイルドな気候を保つ役割を保つ役割を果たしてきた。
    ・
注目すべきは、両チームともその原因としてグリーンランド氷床の融解にともなう塩分低下をあげていることだ。融け出した氷からもたらされた淡水により、北大西洋の表層水塩分が低下することで、深層水の形成が弱まっているというのだ。
第10章で説明したハインリッヒイベントでは、地球の寒冷化によって巨大氷床が崩壊したことがさらなる寒冷化を誘発したが、今回観測された熱塩循環の弱化は、地球の温暖化によりグリーンランド氷床が融けたことが原因になっているという点で大きな違いがある。
ヤンガードライアスやハインリッヒイベントの場合は、熱塩循環の弱化は寒冷化の引き金となったが、現在進行している熱塩循環の弱化も同様に寒冷化につながるのだろうか・長期間、熱塩循環の弱化が続くかといかは論文を発表した研究グループでも見解が分かれているところだ。そのまま寒冷化に移行し、氷期に突入するのではという危惧もあるが、それを否定する考えもある。仮に熱塩循環の弱化が今後も続き、周辺の寒冷化が一時的に起こったとしても氷床融解にブレーキがかかることで、淡水流入の制限がかかり、深層に向かう海流の動きが活発になることで、一転して熱塩循環の強化が起こる可能性もある。
それにしても、熱塩循環の弱化がすでに起きているにもかかわらず、地球は寒冷化どころか温暖化が進行しているのは不可解にもみえる。前述の熱塩循環の弱化を発表した論文では、一見寒冷化とは逆の現象が起こっているのは、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの影響が思いのほか大きく、熱塩循環の弱化がもたらす寒冷化の効果を打ち消している可能性があると指摘している。仮にこの分析が正しいとすると、人為起源の温室効果ガスは、地球に内在する「気候平準化」のフィードバック機構を無効化するほど深刻なレベルにあることになる。
地球温暖化問題については、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が現状の温室効果ガスの排出が同じペースで続くと、地球の平均気温は今後10年あたり0.2℃ペースで上昇を続けて、2040年ごろには産業革命前と比べて1.5℃高くなると予測、地域によっては気温が5℃以上上昇し、豪雨や洪水、高潮などの水害が発生するリスクが高まり、海面上昇による生態系への被害が広がると警告している。一方で、地球温暖化は懸念されるほど深刻なものにはならず、むしろ地球は寒冷化に向かうと主張するグループも少数ながら存在する。
はたして、これから地球は温暖化に向かうのか、それとも一転寒冷化に進むのだろうか。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2019年12月4日、アフガニスタンで長年、現地住民の生活環境の改善に尽くした日本人医師の中村哲さん(73)が、現地で銃撃され死亡した。
その後、アフガニスタンの首都カブールで、中村哲さんを描いた壁画が白く塗りつぶされていたことが分かった。
2021年 今年のノーベル物理学賞に、気候学者の真鍋淑郎さん(90)が選ばれた。
いち早く温室効果ガスに注目し、地球温暖化の予測モデルを切り開いた研究が高く評価された。
アフガニスタンで亡くなった中村哲さんは、アフガニスタンの人々に勇気と希望を与えた。
ノーベル物理学賞の真鍋淑郎さんは、今世界規模で問題になっている温暖化予測の先駆者だ。
中村哲さんと真鍋淑郎さんでは規模が違うが、その貢献の大きさに変わりがない。
気候変動政府間パネル(IPCC)の本部に、中村哲さん、真鍋淑郎さん2人の銅像を建てようではないか。

じじぃの「科学・地球_180_人類宇宙に住む・レーザー帆・イオンエンジン」

はやぶさ2 主要機器

ファン!ファン!JAXA!
小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)の主な機器、ミッション機器の概要をご紹介します。
小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトメンバーが担当業務の解説と抱負を語るビデオメッセージを随時公開します。「ビデオメッセージを再生する」をクリックすると動画をご覧いただけます。
電気推進系(イオンエンジン
地球から小惑星、また小惑星から地球へ航行するときの軌道変更に使います。
イオンエンジンは、地球と小惑星との往復航行を、化学推進の10分の1という少ない推進剤の消費で可能にします。
https://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/instruments.html

人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ

ミチオ・カク(著)
地球がいずれ壊滅的なダメージを受けることは避けがたく、人類は生き延びるために宇宙に移住する必要がある。
本書は世界的に高名な物理学者が、1)月や火星への移住、2)太陽系外への進出、3)人体の改造や強化、の3段階で宇宙の進出の方途を示す。NASAイーロン・マスクジェフ・ベゾスらの宇宙開発への挑戦を追いながら人類の未来を見通す、最高にエキサイティングな一冊!
第Ⅰ部 地球を離れる
 第1章 打ち上げを前にして
 第2章 宇宙旅行の新たな黄金時代
 第3章 宇宙で採掘する
 第4章 絶対に火星へ!
 第5章 火星──エデンの惑星
 第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先
第Ⅱ部 星々への旅
 第7章 宇宙のロボット
 第8章 スターシップを作る
 第9章 ケプラーと惑星の世界
第Ⅲ部 宇宙の生命
 第10章 不死
 第11章 トランスヒューマニズムとテクノロジー
 第12章 地球外生命探査
 第13章 先進文明
 第14章 宇宙を出る

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『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行

第Ⅱ部 星々への旅

第8章 スターシップを作る より

2016年、私の研究者仲間であるスティーブン・ホーキングが、「ブレイクスルー・スターショット」というプロジェクトへの支援を表明して世界を驚かせた。それは、高性能のチップを帆につけた「ナノシップ」を開発し、地球上の巨大なレーザー砲列から強力なビームを照射して飛行のエネルギーを与えようとする企てだ。ひとつひとつのチップは親指ほどのサイズで、重さは20グラムもなく、無数のトランジスタを搭載している。この企てのとりわけ有望な点は、100年、200年待つ必要がなく、今ある技術で実現できるということだ。ホーキングによれば、ナノシップは100億ドルで1世代のうちに開発でき、1000億ワットのレーザー出力なら、光の5分の1の速度で、地球から最も近い恒星系のケンタウルス座アルファ星系に20年以内に到達できるという。これに対し、スペースシャトルのミッションは、地球の低軌道までだったのに、一度の打ち上げにほぼ10億ドルかかっていた。
ナノシップは、化学燃料ロケットには不可能なことをなし遂げられる。ツィオルコフスキーのロケット方程式は、従来のサターンロケットが最も近い恒星にもたどり漬けないことを示している。速く飛ぶほど、必要な燃料は飛躍的に増えるが、化学燃料ロケットには、非常に長い旅の燃料をそもそものせられない。かりに隣の恒星にたどり着けるとしても、およそ7万年はかかるだろう。

レーザー帆の問題

ケンタウルス座アルファへナノシップの船団を送るには、レーザー砲列が船のパラシュート型の帆に向けて、総量100ギガワット以上のビームを約2分間、集中的に放射する必要があるだろう。こうしたレーザービームによる光圧で、船は宇宙を突き進む。船がターゲットに到達できるように、ビームはおそろしく正確に当てなければならない。コースがわずかでも逸れたら、ミッションの成功が危うくなる。
これに立ちはだかっている主な障壁は、すでに実現手段がわかっている基礎科学ではなく、資金である。高名な科学者や起業家が何人か支援を申し出ていても十分ではないのだ。
原子力発電所は、1基につき数十億ドルのコストをかけて1ギガワット、つまり10億ワットしか発電できない。十分に強力で高精度のレーザー砲列を作るには、公的・私的な資金提供を求める必要があるが、そこが大きな関門となっている。

イオンエンジン

レーザー推進と太陽帆のほかにも、スターシップの動力となりうる手だてはいろいろある。それらを比較するうえで、「比推力」なる外面を持ち込むと役に立つ。比推力とは、推力を単位時間(秒)に消費する推進剤の重量で割った値のことだ(比推力の単位は秒で表される)。ロケットのエンジンが噴射する時間が長いほど、その比推力も大きくなり、そこからロケットが最終的に到達する速度を計算することができる。
次に、数種類のロケットの比推力を比較した簡単な表をのせる。ただし、いくつかの方式──レーザー推進式ロケット、太陽帆、核融合ラムジェットロケット──は、エンジンを半永久的に噴射でき、理論上無限大の比推力をもつので除いている。

ロケットエンジンの種類 比推力(秒)

  固形燃料ロケット      250
  液体燃料ロケット      450
  核分裂ロケット       800~1000
  イオンエンジン       5000
  プラズマエンジン      1000~3万
  核融合ロケット       2500~20万
  核パルス推進ロケット    1万~100万
  反物質ロケット       100万~1000万
この表からわかるとおり、前2つの化学燃料ロケットは数分間しか燃焼しないので、最も比推力が低い。次に取り上げたいのはイオンエンジンで、これは近隣の惑星へのミッションに役立ちうる。イオンエンジンは、キセノンのようなガスを取り込み、その原子から電子を剥ぎ取ってイオン(帯電した原子)に変えたのち、そのイオンを電場で加速することで始動する。イオンエンジンの内部は、電磁場が電子ビームを誘導しているブラウン管テレビの内部にやや似ているのだ。
エンジンの推力は極端に小さい──えてしてオンス[1オンスは30グラム弱]単位になる──ので、ラボで作道させても、何も起きていないように見える。ところが宇宙に出ると、やがて化学燃料ロケットを上回る速度に達する。イオンエンジンは、ウサギとカメの競争(この場合はウサギが化学燃料ロケット)にたとえられている。ウサギは猛烈な速さでダッシュできるが、数分走るだけでくたびれてしまう。一方、カメはウサギより速いが、何日も歩けるので、長距離の競争に勝てるのだ。イオンロケットも、一度打ち上げると何年も飛びつづけられる。だから比推力が化学燃料ロケットよりもずっと大きい。
イオンエンジンのパワーを高めるために、マイクロ波や電波でガスをイオン化してから、そのイオンを磁場で加速する方法もある。これはプラズマエンジンと呼ばれ、提唱者によれば理論上は火星までの9ヵ月という感を40日未満にまで短縮できるというが、この技術はまだ開発の途上だ(プラズマエンジンの制約因子のひとつは、プラズマの発生に欠かせない莫大な電力で、惑星間飛行のミッションに原子力発電設備が居る可能性さえある)。NASAは数十年前からイオンエンジンの研究開発をおこなってきた。2030年代に火星へ宇宙飛行士を送り込む予定のディープ・スペース・トランスポートは、イオン推進を利用する。今世紀の終わりには、イオンエンジンは惑星間ミッションの要(かなめ)となるにちがいない。時間に制約のあるミッションでは、化学燃料ロケットがなお最良の手段かもしれないが、時間を第1に優先しなくてもいいときには、イオンエンジンが手堅く頼りになる選択肢となるだろう。
比推力の表でイオンエンジンより後にあるのは、さらに純理論的な推進システムである。

じじぃの「フジクラ・世界最高レベルの光ファイバー数は6912本!知られざるガリバー」

世界最高レベルの光ファイバー数は6912本

The Top 10 Competitiveness Enterprises in the Optical Communications Industry of China & Global market in 2018

The research shows that companies in top 10 competitiveness enterprises of global fiber & cable market list are divided up by four countries, namely, the United States (Corning), Italy (Prysmian), Japan (Furukawa Electronic/OFS, Sumitomo Electric, Fujikura) and China (YOFC, HTGD, FiberHome, Futong, and ZTT), with Chinese enterprises occupying half of the list.
That is, YOFC ranks second in the world with 14% market share, while HTGD ranks third with 11% market share. FiberHome, Futong, and ZTT respectively ranks fifth, sixth and ninth with market share of 7%, 9% and 9%. Corning, Furukawa Electric/ofs, Prysmian, Sumitomo Electric, Fujikura take up market share of 17%, 10%, 7%, 6% and 4% respectively.
http://www.networktelecom.cn/dianxin/2018/baogao/en/

社会の中にあるフジクラの製品・技術(紹介動画あり)

株式会社フジクラ
●超スマート社会を実現する光ファイバーケーブル
昨今、ビッグデータ、5G、IoTなどにより、ネットワーク上のデータ通信量が爆発的に増大していますが、そのほとんどは光ファイバケーブルによるバックボーンに支えられています。通信量の増大に対応するための超多心・細径高密度光ファイバケーブルや、データセンタ用の配線ソリューション、また、1本の光ファイバの中に複数のコアを配置したマルチコアファイバの研究にも取り組んでいます。
https://recruit.fujikura.co.jp/technology/products.html

知られざるガリバー 「エクセレントカンパニーファイル」

2021年10月2日 テレビ東京
【ナレーション】渡辺真理

光ファイバーのトップクラスメーカー「フジクラ」。

今世の中は大容量のデータの高速通信が求められる時代。
それを可能にする光ファイバーはテレビやインターネットを快適に楽しむためのインフラとして普及している。
光ファイバーの直径はおよそ0.1mmでガラスでできている。
光ファイバー1本と同じ容量のデータを送るには従来の銅線128本が必要。
光ファイバーのトップクラスメーカー「フジクラ」。
光ファイバーは光を閉じ込めて伝える。
光ファイバーを使えばケーブルが届く場所ならどこへでも光の点滅によってデータを送ることができる。
フジクラの「つなぐ技術」に迫る。
●進化する「つなぐ」技術
材料1本から長さ数千kmの光ファイバーが作られる。
シェアトップクラスの融着接続機。
「スパイダーウェブリボン」は12本の光ファイバーをひとつにまとめている。
網目状にすることで自由に形を変えられるのが特徴。
ケーブルの太さは35mm。
世界最高レベルの光ファイバー数は6912本。
フジクラは4年前、当時最高クラスの情報量を送れる光ファイバーを開発したとして、デンマークの大学などと共にヨーロッパ委員会から表彰を受けた。
https://www.tv-osaka.co.jp/onair/detail/oaid=2034429/
どうでもいい、じじぃの日記。
10月2日、テレビ東京 知られざるガリバー「エクセレントカンパニーファイル」を観た。光ファイバーのトップクラスメーカー「フジクラ」。
今世の中は大容量のデータの高速通信が求められる時代。
それを可能にする光ファイバーはテレビやインターネットを快適に楽しむためのインフラとして普及している。
フジクラ」は光ファイバー・メーカーとして、光ファイバーの原料である石英や水晶から高純度のガラスを精製している。
映像では、細いカラスケーブルをつなぐ精密機械が登場してきた。
どうしたら、つなぎ面を見せない1本の長いケーブルに仕上げているのだろうか。
このような高度な加工を行えるのは世界に数社しかないのだそうだ。
素材の高純度化技術は、日本人のお家芸なのだ。 (私も一応、日本人です (^^;; )

じじぃの「科学・地球_179_人類宇宙に住む・彗星とオールトの雲」

Rosetta's close flyby

Rosetta's Comet Really "Blows Up" in Latest Images

Rosetta's Comet Really "Blows Up" in Latest Images

Feb. 6, 2015 Universe Today
First off: no, comet 67P/Churyumov-Gerasimenko is not about to explode or disintegrate. But as it steadily gets nearer to the Sun the comet’s jets are getting more and more active and they’re putting on quite a show for the orbiting Rosetta spacecraft! Click the image for a jeterrific hi-res version.
The images above were captured by Rosetta’s NavCam on Jan. 31 and Feb. 3 from a distance of about 28 km (17 miles). Each is a mosaic of four separate NavCam acquisitions and they have been adjusted and tinted in Photoshop by yours truly to further enhance the jets’ visibility. (You can view the original image mosaics and source frames here and here.)
https://www.universetoday.com/118901/rosettas-comet-really-blows-up-in-latest-images/

人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ

ミチオ・カク(著)
地球がいずれ壊滅的なダメージを受けることは避けがたく、人類は生き延びるために宇宙に移住する必要がある。
本書は世界的に高名な物理学者が、1)月や火星への移住、2)太陽系外への進出、3)人体の改造や強化、の3段階で宇宙の進出の方途を示す。NASAイーロン・マスクジェフ・ベゾスらの宇宙開発への挑戦を追いながら人類の未来を見通す、最高にエキサイティングな一冊!
第Ⅰ部 地球を離れる
 第1章 打ち上げを前にして
 第2章 宇宙旅行の新たな黄金時代
 第3章 宇宙で採掘する
 第4章 絶対に火星へ!
 第5章 火星──エデンの惑星
 第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先
第Ⅱ部 星々への旅
 第7章 宇宙のロボット
 第8章 スターシップを作る
 第9章 ケプラーと惑星の世界
第Ⅲ部 宇宙の生命
 第10章 不死
 第11章 トランスヒューマニズムとテクノロジー
 第12章 地球外生命探査
 第13章 先進文明
 第14章 宇宙を出る

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『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行

第Ⅰ部 地球を離れる

第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先 より

巨大ガス惑星

探査機ボイジャー1号と2号は、1979年から1989年にかけて巨大ガス惑星をフライバイしたとき、それらの惑星がよく似ていることを確かめた。どれも主に水素とヘリウムでできていて、その重量比はほぼ3対1なのだ(この水素とヘリウムの組み合わせは太陽の基本的な組成でもあり、さらに言えば宇宙そのものの大半の組成でもある。きっとほぼ140億年前、元の水素のおよそ4分の1がビッグバンの瞬間に融合してヘリウムになったときからそうなのだろう)。
巨大ガス惑星はおそらく基本的に同じ歴史をたどっている。前に述べたとおり、45億年前、すべての惑星は、太陽をとりまく水素と塵の円盤から凝縮した小さな岩石のコアだったと考えられている。内側のものは、水星、金星、地球、火星になった。太陽からもっと遠い惑星のコアには、岩石のほか、その距離の場所に豊富にある氷が含まれていた。氷は糊(のり)の役目を果たすので、氷をもつコアは岩石のみからなるコアの10倍も大きくなれる。そして重力が非常に強くなるため、原始太陽系の円盤に残っていた水素ガスの大半をとらえることができた。大きくなるほど、さらに多くのガスを引きつけ、ついには近隣の水素を食いつくしてしまった。
巨大ガス惑星の内部構造はどれも同じと考えられている。タマネギように半分に切れば、外側に分厚いガスの大気がある。その下には、極低温の液体水素の海が広がっていると思われる。ひとつの推測によれば、莫大なs津力のために、中心には小さくて高密度の固体水素のコアがあるという。
どの巨大ガス惑星にも色とりどりの帯があり、これは大気中の不純物が惑星の自転と相互作用してできている。またどの表面でも、巨大な嵐が吹き荒れている。木星にある大赤班は、恒久的な特徴のように見え、非常に大きくてそのなかに地球が何個かたやすく入ってしまう。一方で海王星には、ときどきなる間欠的な斑点がある。

彗星とオールトの雲

巨大ガス惑星を超えた先、太陽系の外縁には、さらに別の領域がある。何兆個もあるかもしれない彗星の世界だ。そうした彗星は、われわれがほかの恒星へ向かうときの足がかりにもなるかもしれない。
星々までの距離は、途方もなく莫大のように思える。プリンストン高等研究所の物理学者フリーマン・ダイソンは、星々へ到達するには、数千年前のポリネシア人の航海から学べるものがありそうだと言っている。一度の長い旅で太平洋を渡ろうとしたら悲惨な結末を迎えていただろうが、彼らは島伝いに移動し、海に浮かぶ陸地を一度にひとつずつ渡って広がっていった。島に着くたびに、定住地を築いてから次の島へ移った。ダイソンは、同じように深宇宙に中継コロニーが作れると断じた。この方策の鍵を握るのが彗星で、これは、太陽系からなぜかはじき飛ばされた浮遊惑星とともに、星々への道に散らばっている。
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今日、彗星は主にふたつの場所から来ることがわかっている。ひとつはカイパーベルトであり、これは、彗星と同じ平面で海王星の外側をとりましている領域だ。カイパーベルトの彗星は、ハレー彗星(約76年周期で地球に接近していて、古来より多くの文献に記録されている)も含め、太とも陽を周回する楕円軌道をとる。これらは短周期彗星とも呼ばれる。軌道周期、つまり太陽をまる1周するのにかかる時間が、数十年から数世紀だからだ。周期がわかっていて、計算できるので、今後の予測が可能で、どれもあまり危険ではないことがわかっている。
それよりはるか遠くには、オールトの雲という、太陽系全体をとりまく彗星だらけの球殻がある。その彗星の多くは太陽から非常に遠い――1番遠いもので数光年にもなる――ので、ほぼじっとしている。ときたま、そうした彗星が、近くを通り過ぎる恒星の影響やランダムに生じる衝突によって、内部太陽系へ落ちてくる。これらは長周期彗星と呼ばれる。かりに同じ場所に戻ってくるとしても、軌道周期が数万年、さらには数十万年にもなるからだ。今後の予測はほぼ不可能なので、短周期彗星に比べ、地球にとって危険性が高い。
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天文学者は、オールトの雲がわれわれの太陽系から3光年も広がっているのではないかと考えている。これはケンタウルス座の三重連星系(アルファ星系)という、地球から4光年あまりの最も近い恒星たちまでの距離の半分以上にもなる。このケンタウルス座連星系にも彗星の球がとりまいているとしたら、ハイウェイに、燃料補給基地、前哨基地、中継地点を点々と設置できるかもしれない。一度で隣の恒星へジャンプするのでなく、ケンタウルス座連星系まで「彗星ホッピング」をするという控えめな目標に磨きをかけられる。このハイウェイは、宇宙のルート66[シカゴとサンタモニカを結ぶ長大なアメリカ横断国道で、すでに廃線となっているが今も旅やロマンの象徴としてよく登場する]となるだろう。
この彗星ハイウェイの建造は、一見思えるほど荒唐無稽ではない。天文学者は、彗星のサイズや硬さ組成について、かなりの情報を明らかにしている。1986年にハレー彗星が通り過ぎたときには、宇宙探査機の一団を送り込み、写真を撮って分析することができた。写真に写ったのはさしわたし15、6キロメートルの小さなコアで、落花生のような形をしていた(だからいつか将来、ふたつに割れてハレー彗星はペアの彗星になるだろう)。さらに、彗星の尾を抜ける宇宙探査機も送り込まれ。探査機ロゼッタは小型探査機と彗星に到着させることまでできた。そうした彗星をいくつか分析した結果、硬い岩石と氷のコアをもち、それらはロボットで運用される中継基地を支えられるほど強靭かもしれないことがわかっている。
いつの日か、ロボットがオールトの雲にある遠くの彗星に着陸し、表面を掘るようになるかもしれない。コアの鉱物や金属を使って宇宙基地が作れ、お折りを溶かして飲み水やロケット燃料のほか、宇宙飛行士の吸う酸素が提供できるだろう。
思い切って太陽系の外に出ることができたら、何が見つかるだろう? われわれは、宇宙を理解するうえでまたひとつのパラダイム・シフトを体験しようとしている。われわれは今も、ほかの恒星系に、なんらかの声明を養えるかもしれない地球型惑星を見つけている。いつか人類は、そうした惑星を訪れることができるだろうか? 有人探査の宇宙を広げられる宇宙船を作れるのだろうか? できるとすればどうやって?

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「comet ESA Rosetta」画像検索
https://www.google.com/search?q=comet+ESA+Rosetta&tbm=isch&ved=2ahUKEwiu8qSan6_zAhUEXZQKHaXKBBcQ2-cCegQIABAA&oq=comet+ESA+Rosetta&gs_lcp=CgNpbWcQA1CWEliWEmDgGWgAcAB4AIABd4gBd5IBAzAuMZgBAKABAaoBC2d3cy13aXotaW1nwAEB&sclient=img&ei=ayhaYe6QOoS60QSllZO4AQ&bih=587&biw=956&rlz=1C1CHPO_jaJP580JP580

じじぃの「プラナリア・寿命・生物によって異なる死に方!生物はなぜ死ぬのか」

Planarian Regeneration and Stem Cells | HHMI BioInteractive Video

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=roZeOBZAa2Q

Identification and Characterization of Planarian ECM Genes.

Collagen IV differentially regulates planarian stem cell potency and lineage progression

April 20, 2021 PNAS
●Abstract
The extracellular matrix (ECM) provides a precise physical and molecular environment for cell maintenance, self-renewal, and differentiation in the stem cell niche.
However, the nature and organization of the ECM niche is not well understood. The adult freshwater planarian Schmidtea mediterranea maintains a large population of multipotent stem cells (neoblasts), presenting an ideal model to study the role of the ECM niche in stem cell regulation. Here we tested the function of 165 planarian homologs of ECM and ECM-related genes in neoblast regulation. We identified the collagen gene family as one with differential effects in promoting or suppressing proliferation of neoblasts.
https://www.pnas.org/content/118/16/e2021251118

プラナリア幹細胞|全身が幹細胞のプラナリアのメカニズムとは

2020年12月1日 国際幹細胞普及機構

3.プラナリアからの幹細胞分離

プラナリアの幹細胞を分離しようとしたのが、京都大学のグループです。セルソーティングという技術を使って幹細胞を分離し、X線の照射によってこれが幹細胞である事を確認し、細胞数を調べたところ、プラナリアの全細胞数の10%がこの幹細胞である事が明らかになりました。
さらに、プラナリアの幹細胞は、細胞増殖をする幹細胞、静止期の幹細胞両方で、piwiという遺伝子の発現が必要である事もわかっています。細胞分裂においては性格が違う2種類の細胞ですが、piwi遺伝子の発現がないと、幹細胞としての性質を維持できなくなります。
https://stemcells.or.jp/planaria/

『生物はなぜ死ぬのか』

小林武彦/著 講談社現代新書 2021年発行

第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか より

ここまでの話を一旦まとめると、この本のタイトルである「生物はなぜ死ぬのか」を考える上で、生き物を「進化が作ったもの」と捉えることがまず大切です。その説明として、生命の誕生と多様性の獲得に、個体の死や種の絶滅といった「死」がいかに重要だったかをお話ししてきました。つまりここから言えることは、「死」も進化が作った生物の仕組みの一部だということです。
自分を作ったのは親で、その親を作ったのはそのまた親で……とたどっていくと、最後は地球に誕生した最初の細胞に行き着きます。「進化が生き物を作った」という命題は、結果(現在)から原因(過去)まで遡った考え方で、ある種のサクセスストーリーとなります。しかし、実際には目的(ゴール)があって進化したわけではありません。多様な「種のプール」があって、それらのほとんどが絶滅、つまり死んでくれたおかげで、たまたま生き残った「生き残り」が進化という形で残っているだけです。

寿命という死に方はない

食べられたりアクシデントで死んだりする死に方に加えて、もう1つの死に方はいわゆる「寿命」です。大型の動物や樹木は、寿命で死ぬものもあります。特に樹木の寿命は、屋久島のように数千年生きる種もあり、多様です。
そもそもなぜ寿命があるのか考えてみましょう。「進化が生き物を作った」とするならば、寿命にも生命の連続性を支える重要な意味があるはずです。
ほとんどの生き物には寿命があります。例外的にないものもいますが、それはごくわずかです。例えばプラナリアという生物には寿命がなく、条件次第ではずっと生き続けるといわれています。体を2つに切っても、死ぬどころか逆に2個体になって増えてしまいます。100分割しても100匹になって生きます。しかし、さすがに踏んづけられたら死にますし、餌がなくなったり、環境に変化したりしても死んでしまいますので、死なないわけではないのですが、条件が良ければかなり長生きします。これまでの研究で、プラナリアは全身にどんな細胞にも分化できる万能細胞、つまり受精卵のようなものを持っていて、それらが失われた部分を再生して復活することがわかっています。
「若返るクラゲ」と言われて最近話題になっている、ベニクラゲという生き物をご存じでしょうか。日本にもいる体長1センチメートルくらいの小さなクラゲです。これもなかなか死なない不思議な生き物で、寿命がないどころか「若返る」のです。
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これらの例外的な生き物を除けば、ほとんどの生き物はそれぞれの寿命を持っています。それでは、寿命で死ぬというのはどういうことでしょうか?
実は、「寿命」という死に方(死因)は科学的に定義されているわけではありません。ヒトの場合でも、死亡診断書には「寿命」とは書かれないのです。例えば動物の場合、必ず心臓が止まるなどの何らかの直接的な原因があります。生理現象としてあるのは、組織や器官の働きが時間とともに低下する「老化」で、その最終的な症状(結果)として、寿命という死(老衰死)があると考えればいいと思います。

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どうでもいい、じじぃの日記。
プラナリアは川の上流に生息しており石の裏に張り付いている。
主にカゲロウの幼虫などを餌にしているのだとか。
ある学者がメスを使い100を超える断片になるまで細切りにしたが、その全片が再生して100を超えるプラナリアが再生したという。
プラナリアの幹細胞は全身の細胞に散らばって存在しているためだそうだが、喉と目の部分は幹細胞を持たないので、ここを切断した場合は、再生しないとか。
このプラナリアの再生は、1900年頃から確認されており、現在まで100年以上にわたって研究され続けているのだそうだ。

「例えばプラナリアという生物には寿命がなく、条件次第ではずっと生き続けるといわれています」

脳の記憶という点ではどうなっているんだろうか。再生するのだろうか。
細菌などの単細胞生物には寿命のないのがいるそうです。

じじぃの「科学・地球_178_人類宇宙に住む・火星・エデンの惑星」

WATCH LIVE: NASA's Perseverance rover landing on Mars

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=6A_j8X2Wgoo

WATCH LIVE: NASA's Perseverance rover landing on Mars

米映画『オデッセイ』で中国がNASAに助け船=“中国の存在感”は高まるばかり―「何でここで“敵対国”が…」の違和感も

2016年3月27日 Record China
話題の米ハリウッド映画『オデッセイ』を見ていて突然「中国国家航天局」が出てきたのには驚いた。
しかも、窮地に陥ったNASAを支援する救世主としての登場だった。中国の存在感は、現実の世界同様、映画の世界でも確実に高まっている。写真は同映画のパンフレット。
https://www.recordchina.co.jp/b131955-s0-c30-d0053.html

人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ

ミチオ・カク(著)
地球がいずれ壊滅的なダメージを受けることは避けがたく、人類は生き延びるために宇宙に移住する必要がある。
本書は世界的に高名な物理学者が、1)月や火星への移住、2)太陽系外への進出、3)人体の改造や強化、の3段階で宇宙の進出の方途を示す。NASAイーロン・マスクジェフ・ベゾスらの宇宙開発への挑戦を追いながら人類の未来を見通す、最高にエキサイティングな一冊!
第Ⅰ部 地球を離れる
 第1章 打ち上げを前にして
 第2章 宇宙旅行の新たな黄金時代
 第3章 宇宙で採掘する
 第4章 絶対に火星へ!
 第5章 火星──エデンの惑星
 第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先
第Ⅱ部 星々への旅
 第7章 宇宙のロボット
 第8章 スターシップを作る
 第9章 ケプラーと惑星の世界
第Ⅲ部 宇宙の生命
 第10章 不死
 第11章 トランスヒューマニズムとテクノロジー
 第12章 地球外生命探査
 第13章 先進文明
 第14章 宇宙を出る

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『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行

第Ⅰ部 地球を離れる

第5章 火星――エデンの惑星 より

「2015年の映画『オデッセイ』で、マット・デイモン演じる宇宙飛行士は、究極の課題に直面する。荒涼として空気のない凍てつく惑星で、ひとりで生き延びるという課題だ。運悪く仲間に取り残されてしまった彼のもとには、何日かもちこたえるだけの物質しかなかった。彼は救出ミッションの到着までもちこたえるべく、ありったけの勇気を奮い起こし、専門知識を総動員する必要に迫られた。
この映画はリアリティにあふれていたので、火星移住者が直面しそうな困難を人々に味わわせてくれた。第1に、激しい砂塵嵐がある。これはベビーパウダーのように細かい、赤いダストで惑星全体を覆い、映画では宇宙機をひっくり返しそうになる。大気はほぼ二酸化炭素からなり、大気圧は地球の1パーセントしかないため、宇宙飛行士は火星の大気にさらされると数分以内に窒息する。呼吸に十分な酸素を作り出すのに、マット・デイモンは与圧された宇宙基地のなかで化学反応を起こすことを余儀なくされる。
少しずつ、『オデッセイ』の宇宙飛行士は、火星に自分が生き長らえる生態系を作るのに必要な、骨の折れる手段を講じていく。この映画は若い世代の関心を引くのにひと役買った。

火星の海に起きたこと

地球の双子である金星が、太陽に近いせいで違う姿になったのなら、火星の進化はどう説明できるだろう?
重要なのは、火星が知用から遠いだけでなく、地球よりずっと小さいために速く冷えたということだ。火星のコアはもはや溶融状態ではない。惑星の磁場は、液体のコアに含まれる金属の運動で電流が流れて生じるが、火星のコアは固体の岩石でできているため、明確な磁場を生み出せない。おまけに、30億年ほど前の小天体の重爆撃が大混乱を招き、元の磁場も乱された。これにより、火星が待機と水を失ったわけが説明できる。太陽の有害な放射線やフレアから守ってくれる磁場がないため、大気は太陽風によって次第に宇宙へ飛ばされた。大気圧が下がると、海も蒸発したのである。
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火星と金星の劇的な対比は、地球の地質学的な歴史を理解するのに役立つ。地球のコアは、数十億年前に冷えていてもおかしくなかった。しかし今なお溶融状態なのは、火星のコアと違って、半減期が数十億年以上のウランやトリウムなど、高い放射能をもつ鉱物が含まれているからだ。火山噴火のとてつもないパワーや、大地震による惨害を目の当たりにするときはいつも、地球の放射能のコアがもつエネルギーが地表の現象を起こし、生命を養っているという現実に直面しているのである。
地球の奥深くにある放射線源が生み出す熱は、鉄のコアをかき回して磁場を生じさせる。この磁場が、太陽風で大気が吹き飛ばされるのを防ぎ、宇宙から届く死の放射線の進路を曲げる(これがオーロラとなって見える。オーロラは、太陽の放射が地球の磁場に当たって生じる。地球を囲む地場は、巨大な漏斗(じょうご)のように宇宙からの放射線を南北両極へ導くため、ほとんどの放射線は進路を曲げるか大気に吸収される)。地球は火星より大きいので、すぐに冷めなかった。地球はまた、巨大な小天体の衝突で磁場が壊されることもなかった。
ここで、火星をテラフォーミング(人類が居住できるよう、地球以外の天体の環境を人為的に改変すること)したあと、どうやって元の状態に戻らないようにするかという問題に立ち戻ろう。大胆な一手は、火星のまわりに人工的に磁場を作り出すというものだ。そのためには、火星の赤道のまわりに巨大な超伝道コイルを設置する必要がある。電磁気の法則から、この超伝導体のベルトを作るのに要るエネルギーと素材の量が計算できる。だが、そんなとてつもない大事業は、今世紀中はわれわれには不可能だ。
火星の入植者は、この脅威を必ずしも喫緊の問題とは見なさないだろう。テラフォーミングで生まれた大気は1世紀以上、比較的安定しているはずなので数世紀かけてゆっくり調整すればいいのかもしれない。維持管理は面倒でも、人類が宇宙に作る新たな前哨基地にとっては小さな代償にちがいない。
火星のテラフォーミングは、22世紀の一大目標だ。しかし科学者は、火星の先も見据えている。なにより期待に胸を躍らされるのは、巨大ガス惑星の衛星かもしれない。木星の衛星エウロバや、土星の衛星タイタンなどである。巨大ガス惑星の衛星は、かつてはどれも似たような不毛の岩塊と思われていたが、今ではさまざまな間欠泉や海、峡谷、大気光[天体の大気が宇宙線や太陽光などによって発する弱い光]をもつ個性的なワンダーランドと見なされている。いまや、そうした衛星は人類の居住地と目されているのだ。