じじぃの「カオス・地球_284_気候を操作する・第2章・省エネ・エアコンのクリーニング」

【かんたん】自分で出来る!エアコン室外機そうじ【能力UP&省エネ】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=K_wu2yMJbfU


コスト削減がエアコンクリーニングのメリット

アイエア・コンフォート
●ムダな電気代につながるエアコンの汚れ!
エアコンは空気を吸い、そして風を吹き出します。
この風の流れをつくる仕事は、エアコンの送風機であるファンが担当しています。ファンが回転することで、風の流れをつくります。ファンに汚れがなければ、吸込む空気をしっかりとキャッチすることができ、キャッチした量の空気を風として吹出すことができます。ところが、ファンに汚れがあると、吸込む空気をしっかりとキャッチすることができず、吹出す風の量は減少します。これが、エアコンの汚れが風量低下を招く原因です。
https://iair-c.com/merit/save-cost/

気候を操作する―温暖化対策の危険な「最終手段」

【目次】
はじめに
第1章 深刻化する気候変動

第2章 不十分な対策と気候工学の必要性

第3章 気候工学とは何か―分類と歴史
第4章 CO2除去(CDR)
第5章 地域的介入
第6章 放射改変(SRM
第7章 放射改変の研究開発―屋外実験と技術
第8章 ガバナンス
第9章 人々は気候工学についてどう思うか
第10章 日本の役割

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『気候を操作する―温暖化対策の危険な「最終手段」』

杉山昌広/著 KADOKAWA 2021年発行

第2章 不十分な対策と気候工学の必要性 より

ゼロ目標達成とは日本国民全員が減らすということ
次に社会科学の視点で考えてみましょう。先ほど省エネルギーではゼロまで到達できないと指摘しましたが、とはいえ、省エネルギー地球温暖化のもっとも基本的な対策であり、まず最初に取り組むべき方策であることには異論がありません。

例として、エアコンのクリーニングについて考えてみましょう。エアコンをクリーニングしなければ、冷房・暖房の効果が落ち、快適性も減少しますし、光熱費も上昇します。この意味で、エアコンの掃除は効果的でしょう。ただ、日本全国でエアコンのクリーニングを広げるのはどれくらい難しいのでしょうか。

小学校や中学校を思い出してください。クラスには色々な人がいたはずです。先生に言われる前に掃除や整頓をてきぱき片付ける人もいれば、先生に言われてようやく動き出す人もいます。いくら言われてもなかなか動かない人もいます。世の中にはいろんな人がいるので、当たり前のことです。分かり切ったことではありますが、こうした状況を踏まえて、エアコンのクリーニングを日本のすべての世帯で徹底することはできるでしょうか、答えは否でしょう。

別にエアコンのクリーニングにこだわりたいわけではありません。あくまでも例として使っているだけです。話を元に戻すと、日本でCO2を100%削減するためには、日本の全国民が排出削減に貢献しなければいけないということです。やる気のある人だけ、お金のある人だけ環境対策すればいいわけではないのです。環境に対して億劫で何にもしたくない人の活動から出るCO2も、ゼロにしなければなりません。これが、地球温暖化対策が難しい理由です。

最後になりますが、世界全体でCO2排出削減をする必要性については強調してもしきれません。冒頭で100億トン規模の排出削減不足分(ギャップ)について述べました。これは世界のすべての国の合計の結果です。あらゆる国が、イギリスやフランスのように積極的な対応を打ち出しているわけではありません。新興国である中国のCO2排出量は、世界最大です。確かに再生可能エネルギーも電気自動車の導入量も加速していますが、クリーンな電力や排気ガスがでない自動車が約14億人の中国人全員に届くにはまだまだ時間がかかります。いまだに中国の経済は石炭による火力発電に支えられており、これを転換するには時間がかかるのです。これに加えて、世界ではこれから経済成長する国もあるでしょう。こうした社会の趨勢(すうせい)を考えると、現状の対策のレベルでは、2100年の気温上昇は3℃ぐらいになってしまうと考えられているのです。

対策の難しさをコストで考える
前節で説明したように、CO2を100%削減することは非常に難しいです。一方で、大気からCO2を回収するのは、詳しくは後述しましが、相対的には「安い」のです。これだけ見れば、「CO2の排出を止めるのがそんなに難しければ、CO2を出した後に大気からそれを回収する方法もあるのではないか」と思っても不思議でないでしょう。また、もしかしたら、直接気候を冷やせたら経済的に有利な対策になるかもしれません。これがCO2除去や太陽放射改変といった考えが生まれる理由の1つです。

なお、現時点で想定されている対策のコストは、技術のイノベーションによって大きく変化することに注意していただきたいです。過去10年ぐらいで太陽光発電風力発電はコストが大幅に低減し、グローバルには化石燃料と市場で競争できるほどになってきています。2020年に発表された国際エネルギー機関の報告書「世界エネルギー展望」よれば、ここ数年のコスト低下で太陽光発電は多くの国で最も安くなり、新たな電力のキングの地位に達しつつあるといわれています。また、電気自動車のバッテリーも日々コストが下がってきています。
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この章では地球全体のCO2排出量を現実的に減らすという視点で語ってきました。しかし、先進国や発展途上国のCO2排出削減の義務は違います。歴史的に見ればアメリカや日本などの先進国、また最近では中国のような新興国は、過去CO2を排出しながら沢山の化石燃料を使い経済成長を遂げてきました。したがって、こうした国はいち早く排出量をゼロにして、さらにはマイナスにしていくという倫理的なな責任を負っているといえるかもしれません。