Painting using natural pigments(Ash, white chalk, red stone)|How to use natural pigments in painting
色とりどりの天然石
天然の鉱物を砕いて作る、日本画絵具の神秘 第三回/喜屋 ~自家製岩絵具編~
2018.6.21 MdN Design Interactive-
●まるで宝石店! 魅惑の日本画画材店に潜入
店内に所狭しと並ぶ、色とりどりの瓶、瓶、瓶――。
中に入れられているのは、天然の鉱石だ。孔雀石やアズライト(藍銅鉱)、トルコ石、辰砂(しんしゃ)、ラピスラズリ……。宝石に興味のある人ならば、どれも聞いたことがあるはずだ。けれど、ここは宝石店ではない、画材店なのである。
https://www.mdn.co.jp/di/contents/4376/59295/
鉱物の秘密がわかる本
科学雑学研究倶楽部(編)
第1部 鉱物の基礎を学ぶ
・鉱物のしくみと性質
・奇妙で不思議な鉱物たち
・面白くてためになる鉱物の知識
・誕生石の謎と神秘
第2部 鉱物と宝石図鑑
・鉱物編
・宝石編
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『鉱物の秘密がわかる本』
科学雑学研究倶楽部 学研プラス 2016年発行
第1部 鉱物の基礎を学ぶ
奇妙で不思議な鉱物たち より
鉱物由来のさまざまな顔料
イタリアの画家ミケランジェロの「最後の審判」をはじめとする多くの壁画は、「フレスコ」という技法で描かれている。フレスコは、壁に塗った石灰漆喰(しっくい)が生乾きの状態で、水や石灰水で溶いた顔料を塗ると、化学反応が起きて石灰が結晶化し、中に顔料が閉じ込められることで着色する技法だ。このときに使われる顔料は、鉱物に由来するものである。
顔料となる鉱物には、ウルトラマリンという深青色を出すラピスラズリ、青緑色を出すマカライト、朱色を出す辰砂、群青色を出す藍銅鉱、澄んだ空色を出すターコイズなどがある。
鉱物を使った顔料が日本に入ってきたのは、7世紀ごろだと考えられている。奈良県明日香村にある高松塚古墳の壁画にも鉱物由来の顔料が使われている。使われている色がどんな鉱物由来かを調べることで、絵画の年代判別や真贋判定に利用される。また、日本画では現在も鉱物由来の顔料である「岩絵の具」が使われている。
昔なつかしい「描ける石」
鉱物由来の顔料を使ったことはなくても、ある年齢より上の人なら、鉱石を利用して絵を描いた経験があるはずだ。最近ではめっきり見なくなった「ロー石(蝋石)」だ。蝋のように軟らかいことからついた名前だが、蝋石という鉱物があるわけではなく、蝋のような光沢と触感がある鉱物、鉱石全般の総称だ。
子どもが道路や壁に落書きをしたり、石蹴りの図形を描いたりする蝋石の正体は、小さく切り出した滑石である。ケイ酸塩鉱物のひとつで、非常に軟らかく、モース硬度1の指標鉱物に用いられる。子どもたちの遊びの場からほぼ姿を消したが、建設現場や鉄工所・造船所などでは現在でも使われている。
日本では秩父の長瀞(ながとろ)で採掘されていたが、現在では中国からの輸入品が中心だ。
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